ボン旅行(2006年8月28日〜9月2日)

ハンブルク第1日目

 30歳の誕生日を迎える旅の目的地にボンを選んだ。私が最も好きな作曲家ベートーヴェンの誕生の地というのが理由だ。ドイツ語の語学力は、ドイツ人の0歳児相当だから、言語の面では不安はあったが、こういうものはなんとかなるものである。

 今年も旅行会社「HIS」で飛行機とホテルのみ押さえての旅行。実は、旅行の半月くらい前にロンドンのヒースロー空港でテロ未遂があり、飛行機はドイツ直行便を予約した。ハンブルク直行便が取れなかったため、ミュンヘン乗り換えである。テロ未遂の影響を受け、セキュリティーの問題から機内持ち込み荷物は大きさに制限が科せられた。旅行会社からヴァイオリンの持ち込みは困難とされ、泣く泣く置いていくことになった。

 更に当日朝のニュースでは、アメリカで飛行機が墜落したと縁起でもないことを言っていた。飛行機嫌いの私は、出国の成田空港で「飛行機が落ちたらこれが最後の食事だな」などと考え、空港の寿司屋に入った。特上寿司を食べ、日本酒に舌鼓を打つ。その金を旅行先で使えば良かったとドイツに着いてから後悔した。

 飛行機が飛び立つ前に、同僚の処方してくれた安定剤を内服した。周りで子供が騒いでいたが、一瞬で眠りに落ち、目が覚めたのは着陸直前だった。そしてミュンヘン空港へ。空港の本屋で、クラシック音楽関係の雑誌を購入した。内容はよくわからないが、記念にはなる。

 ミュンヘンは空から見ると、結構田舎に見えるが、実は人口100万人を超える街である。苦手の飛行機も、一度乗って大丈夫だったせいか、離陸にも恐怖心はなく、かなり揺れたが落ち着いた気分で読書が出来た。今回持参の本は「臨床医が語る脳とコトバの話(岩田誠著、日本評論社)」である。脳梗塞などで言語障害のリハビリが必要となった患者やその家族でも読めるように、わかりやすい表現で書かれており読みやすい。であって、内容が深い。この本は、患者の闘病生活を支えた妻が、介護を介して感じたことや疑問点などをもっと知りたいと思い、主治医の岩田教授に相談して企画された本である。

 ハンブルク空港からハンブルク中央駅まではバスで30分弱である。中央駅から地下鉄で2駅目の「Stadthaus-brucke駅」で降りて、ホテルを探した。たまたま歩いていた女性にホテル「Steinberger」を訪ねると、目の前がホテルだと言われた。まさに駅の前であった。ホテルは運河をまたぐ格好で建っており、内装もおしゃれだ。ホテルに着き、バーに行こうかと思ったが、ホテルのレストランが深夜0時までやっていることを知って、レストランに出かけた。

 レストランは洒落ており、ウエイトレスの女性がとても綺麗だった。女性を見ながらワインを飲んで、幸せな気分になってホテルの部屋に戻った。


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