ザハール・ブロンのレッスン

By , 2008年4月5日 10:21 AM

「ザハール・ブロンのレッスン アントニオ・ヴィヴァルディー (AMA VERLAG GmbH 企画制作、ヤマハミュージックメディア販売)」を見ました。

ザハール・ブロンの略歴は下記。

Wikipedia-ザハール・ブロン-

ザハール・ブロン(Zakhar Bron, 1947年 – )は、カザフスタン、ウラリスク出身のヴァイオリン奏者。

オデッサの音楽学校に学んだ後、1960年~1966年、グネーシン音楽院でボリス・ゴールドシュタインに、1966年~1971年、モスクワ音楽院でイーゴリ・オイストラフに師事し、1971年~1974年、同音楽院でオイストラフの助手を務めた後、ノヴォシビルスク音楽院、1989年、リューベック音楽院の教授、以後、ロンドン王立音楽アカデミー、ロッテルダム音楽院、ソフィア王妃音楽大学(マドリード)などでもヴァイオリンを教えた。現在はケルン音楽院、チューリッヒ音楽院教授。

主な門下には、ヴァディム・レーピン、マキシム・ヴェンゲーロフ、樫本大進、庄司紗矢香、川久保賜紀、神尾真由子などがいる。

1971年、エリザベート王妃国際音楽コンクール第12位、1977年、ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールに入賞した。

2002年、チャイコフスキー国際コンクール、2004年、ジュネーヴ国際音楽コンクールの審査員も務めた。

収録されている曲は、「ヴァイオリン協奏曲イ短調、作品 3の 6」。ヴァイオリン学習者であれば、ほとんど誰でもさらう、メジャーな曲です。でも、実は Tuttiが結構綺麗な曲でもあります。Tuttiで第 2ヴァイオリンを弾いていると、第 1楽章の冒頭は

ほぼ同じリズムで純粋に和声を与えているのですが、和声とともに変化する下行系と上行系の音型の違いが曲調に変化を与えます。演奏していて、雰囲気をコントロールしている気分にさせられます。

さて、今回レッスンを受ける演奏者は音の綺麗な、若い女性。正確には弾けているのですが、伝わるものがあまりない演奏でした。私だったらどうアドバイスするか、考えながら聴きました。音のアタックが厳しすぎるのが一番気になった点です。

演奏後、ブロンの指示によって、みるみる曲が色づいてきます。技術的な指導で表現が鮮やかに変わるのが見物です。「伝わるものがない」という批評があったとき、よく精神面に言及されますが、純粋に技術的な要素が占める部分も大きいのだと痛感します。

時々ブロンがお手本として演奏するのですが、これが非常に上手。音に独特の色合いがあります。

一度ブロンの演奏を生で聴いたことがあります。チャイコフスキーコンクールで 2位であった演奏家とのジョイントだったのですが、その演奏家が子供に見えました。そのくらい、ブロンの演奏は素晴らしかったです。

このシリーズはいくつか作品があるみたいなので、早速 Amazonで注文しました。

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