伊福部昭

By , 2006年2月26日 8:21 PM

日本を代表する現代作曲家である伊福部昭氏が先日亡くなられました。私のヴァイオリンの先生がアルメニア音楽祭で伊福部作曲の協奏曲を演奏したことがあったため、私も親しみを持っていた作曲家でした。一般には、映画「ゴジラ」のテーマ曲の作曲家として有名です。

彼の「音楽入門」は、彼独自の史観の上になりたった名著です。先入観に支配されず、まず音楽を感じて欲しいという姿勢は、バーンスタインが「Young people’s concert」で語っていたことと一致しています。北海道大学(確か農学部)卒業で、音楽を専攻したことのない人が、ここまでの音楽観を持ち、作曲を行えたというのは、同じく音楽を専攻したことのない私としては、あやかりたいものです。

彼が活動を始めた時期は、西洋への憧れが音楽界を席巻しており、彼の作曲する日本古来の音楽からの楽想に基づく音楽は全く評価されなかったといいます。しかし、日本と西洋の音楽両方の要素を持った音楽は非常に新鮮なものです。ロシア人作曲家によって発掘されて、初めて評価を受けるようになり、以後の活動は周知の通りです。ヴァイリン協奏曲を聴き直してみて、改めて惜しい人を亡くしたものだと思います。

昨日は、バッハの無伴奏ヴァイリンのためのパルティータのレッスンを受けましたが、演奏の中に必然性を作ることの重要さを痛感しました。

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