炭坑のカナリア

By , 2006年4月2日 6:08 PM

3月29日から3月31日までは猛吹雪が続き、さすがに4月も近いというので、ノーマルタイアに換えていた人達は大変だったようです。一方で、テレビでは東京の桜の風景が報道されていて、地域の差というものを感じさせられました。新幹線だと1時間半くらいなのですが・・・。

さて、今日は少し深刻な話。先日、「極めて稀な症例」に、「最善を尽くしたにせよ救命できなかった」、ある産科医が逮捕されました。産科医療の崩壊しつつある僻地(日本の9割以上の地域では既に崩壊が始まっていますが)において、地域の医療を支え、年間200件以上の出産(24時間いつ産まれるかわからない)を一人でとりあげていた医師でした。症例自体は極めて稀で、同様の症例を経験した医師達も、救命できるかどうか自信はないと言います。学会や各地の医師会は、医療行為自体に過誤はなかったと声明を出していますが、加藤医師は刑事事件として逮捕されました。

通常通り病院に勤務している医師が、ましてや身重の妻がいて、逃亡の危険も何もありませんが、逃亡を防ぐという名分のもと逮捕されるというのも、ある意味見せしめな気がします。マスコミでは、「医療事故」として扱っていますが、加藤医師の過失が証明できなさそうであるという雰囲気になると、急にトーンダウンしています。これから刑事事件として審議が始まるでしょう。無罪となる可能性が高いとは思いますが、無罪になったとしても、彼は医師生命を社会的に絶たれます。そのことで誰も責任をとりません。報道でのタイトルも、「医療事故」「医療ミス」と既に過失を認めたかのようなタイトルをつけられています。

「産科に進まなくて良かった」と思う反面、今後は誰が(世界一優秀な治療成績を残しているとされる)日本の産科を救うのか、無責任ながら感じます。せめて、このサイトを見ている人達には客観的な目で見て欲しいと思うし、「患者」対「医師」の構図を作り上げ、大衆である「患者」の耳に心地よい報道を繰り返すマスコミに少しでも疑問を持ってもらわないと、日本の医療は知らないうちにむしばまれていくのではないかと思っています。

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