乗馬2回目

By , 2008年11月25日 7:12 AM

11月22日~24日に実家に帰省しました。

22日に帰省した日は親と飲みました。親もだんだん歳をとっていくことを自覚しているのか、「健康の話」「墓の話」などが多かったです。結婚のことや、いつ頃実家に戻ってくるかなどの話は、毎回の事で無視しました。私ですらわからないですからね。

23日は、馬券オヤジ氏の車で大山に乗馬に行きました。早く着きすぎたので、大山の自然歴史館を訪れ、馬券オヤジ氏と「無駄な公共事業ちゃうか?」と毒舌をとばしながら一周しました。とはいえ、生息動物の剥製がたくさん展示してあったり、登山情報があったり、そこそこ見応えはありました。大山はもう雪が積もっていましたよ。

昼頃に大山乗馬センターに着きました。少し時間があったので、受付で「LET’S ENJOY RIDING -初心者のための乗馬テキスト-」を購入して、喫茶店でパラパラと眺めました。基本的なテクニックについて、わかりやすく解説してありました。「全国乗馬倶楽部振興協会」が発行していますが、著者は「日本中央競馬会馬事公苑」となっていました。こんなところで競馬という文字を見るとは思いませんでした。

12時から早速乗馬開始。軽速歩から練習しました。姿勢もタイミングも全然つかめず。衝撃をうまく吸収できなくて、前回の乗馬に引き続き私の股の下のポニョが悲鳴をあげていました。でも、インストラクターの方から、「馬が走ってないのに、走ったような乗り方をしている」と指摘されたので、しばらく何もせずにいたら、馬が背中で私を押し上げてくれる感覚が感じられるようになりました。そのタイミングで立つようにすると、最初の一回のみはタイミングが合うようになりました。でも連続すると、「立-坐-立-坐」としなければいけない動作が、「立-坐-坐-立」となってしまいます。これは次からの課題として食事にしました。今回の馬は、性格がとても良くて、何度も勝手に軽速歩を始めて練習させてくれたので、何とか期待に応えたかったです。

12時30分から食事。大山の蕎麦とおこわ料理。質素ながら自然の味をそのまま感じられて、おいしかったです。東京では味わえない味です。

13時からは、先程の若い男性のインストラクターから、若い女性のインストラクターに変わりました。馬もさっきとは違う馬でした。今度の馬は少しやる気のない印象。歩かせようとしても歩いてくれないし、馬場内をショートカットして楽をしようとするし、走り出してもすぐやめてしまいます。それに、女性のインストラクターばかりに注目しています。乗り手に似たのかなぁ・・・。

でも、しゃんでりあの君がやっていたように、「チッ」と舌鼓を打つと、私に注目してくれました。色々軽速歩について試行錯誤して、立つタイミングはあっているのに坐るタイミングが早すぎるので坐ったときの衝撃が大きいことがわかりました。坐るタイミングを遅らせると、タイミングだけはバッチリ合うようになりました。次の課題は、立ったときの姿勢が一定しないことです。これは上半身に力が入っていることと、膝の締め付けが足りないことが影響しているようでした。でも何となくコツがつかめたので、次回は何とかこなせるようになりそうな気がします。馬は乗馬が終わると一目散に出口に走って行きましたよ。柵が空くのもどかしそうに待っていましたもの。そうとうやる気なかったんですなぁ。

13時30分に乗馬を終えて、馬と記念撮影をしたり、餌をあげたりしました。受付に「乗馬ライフ」という本が売っていたので購入。ライセンス5級取得に何が必要か書いてありました。いつかとれるといいですね。家に帰ると、パンツの尻の部分が破れていました。私の大事なお尻も相当ダメージを受けていたはずです。

夜は飲み会。馬券オヤジ、池P、つー君といったいつもの面子の他に、小学校の時以来の友人K氏に20年ぶりに会いました。彼は本屋の店長をしていて、充実した日々を送っています。でも、数年前に交通事故で父親を亡くされていたものの、救急室での治療がどうされたのか説明がなかったので、釈然としない気持ちを抱えていたようでした。本人が覚えていた情報を元に、わかる範囲内で話をしてあげると、胸のつっかえがとれたと感謝されました。死の受け入れは大変なことですが、少しでも役に立てれば良かったかなと思います。

その後、K氏からは、本屋の経営について聞きました。昔、万引きが本屋の経営に負担になっているという記事をどこかで読んだことがあったので、万引きに関わる話を振ると、いくつも面白い話を聞かせてくれました。

捕まえた犯人が、自分の本屋がテナントとして入っているデパートのオーナーの息子だった件。女子学生が万引きをして問いつめるとボロボロ泣きながら12歳だと申告し1冊しか盗っていないと言っていたのに、実際は15歳で服のあちこちから8冊本が出てきた件。

その日は話が盛り上がって、午前3時くらいまで酒を飲みました。

24日は昼頃起きて、新幹線で東京に戻りました。帰りの新幹線で2冊雑誌を読んだのですが、とても面白かったので紹介します。

①Newton 「虚数

虚数特集の前の記事で面白かったのが、「人工知能は音楽を「奏でる」ことができるのか」という特集。人工知能が「表現力のある演奏」を出来るかを競ったコンテストがあるのです。Reocon (Performance Rendering Contest) のサイトにアクセスすると、コンテストの演奏を聴くことができます。あまりに上手でビックリです。

さて、本題の虚数。最古の記述は、16世紀に医師・数学者カルダノの記載した問題に見られます。「 divide 10 in duas partes, ex quarum unius in reliquam ducto, produatur 40 (二つの数がある。これらを足すと10になり、かけると40になる。二つの数は、それぞれいくつか?)」

この問題は、次のように解きます。足すと10になる二つの数は「5+X」「5-X」と記載できます。この二つの数を掛け合わせると、(5+X)(5-X)=25-X2となり、これが40になる必要があります。すなわち、25-X2=40です。実数なら、-X2が0より大きくならないので回答不能と言いたいところですが、虚数を使えば解答が可能で、5±ルート(-15)となります。二乗して負になる数は自然界には存在しない数なので、その後デカルトが否定的な意味をこめて「nombre imaginaire (想像上の数)」と呼び、虚数の呼び名の語源となりました。

「存在しない」数の筈である虚数は、数学では重要な役割をもっていますし、そればかりでなく物理学を強く支えています。物理学においてはシュレーディンガー方程式に虚数が含まれていることが象徴的です。本書の表現を借りるなら「虚数がなければ、電子1個のふるまいすら説明できない」となります。また、三角関数と自然対数が結びつけられることを美しいオイラーの公式は証明しています。また、オイラーの等式も比類無き美しさです。

オイラーの公式
eix=cos x + i sin x

xにπを代入したものが、オイラーの等式です。

オイラーの等式
e + 1 = 0

 

雑誌「Newton」より引用

最も基本的な自然数「1」、インドで発明された「ゼロ」、円周率「π=3.14・・・」、自然対数の底「e=2.71・・・」というそれぞれ別個の由来をもつ四つの重要な数が、「虚数単位i」を介することで、たった一つの数式で簡単に結ばれてしまう。この神秘的な数式を、ノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマンは「人類の至宝」とよんだ。

 

数学に多少興味がある方は、是非読んでみて下さい。高校生時代勉強した数学が、このように美しい世界を理解するためだったことがわかります。残念なことに、ほとんどの人は、美しい世界に触れる前に数学から離れていってしまうのですが・・・。受験で手段の学習のみをしていると、何のために数学をしているかわからなくなってしまいますが、こうした世界があることを一度知れば、数学に対する興味が生じることは間違いありません。

②Newton 「すぐわかる素粒子物理学

今年はノーベル物理学賞を日本人が3人授賞されましたので、臨時増刊号で特集が組まれました。物理学の歴史を辿りながら、中間子、クォーク、自発的対称性の破れ、現代物理の問題点、物理学の将来などについて述べられていました。

興味深かったのは、素粒子が質量を持つかどうかの議論。それを理解するための簡単な知識を述べます。

宇宙には 4つの力が存在します。電磁気の力、強い力、弱い力、重力です。

強い力は、クォーク同士を結びつけたり、陽子と中間子を結びつけたりしています。クォーク同士が離れるほど強い力となります。クオーク間ではグルーオンと呼ばれる粒子をやりとりすることで働くと考えられています。陽子と中性子を結びつけているのがパイ中間子です。粒子をやりとりすることが何故引力を生むかは感覚的にわかりにくいところですが、イメージとして、二艘の浮かべたボートを考えましょう。乗った人が向かい合ってキャッチボールをすると反発力が働きますが、互いに背を向けてブーメランをキャッチボールのようにすれば引力が働きます。

弱い力は、粒子を変化させる働きをします。例えば、中性子を原子核の外に取り出すと電子とニュートリノを出して陽子に変わるなどといった現象が例となります。

弱い力の仲立ちをするのがW粒子(W ポソン)、Z粒子(Z ポソン)ですが、理論的には質量「0」の筈でした。質量の定義は「物体に力を加えたときの加速のされにくさ」です。そのため、「空間にはヒッグス粒子が充満しており、素粒子を加速しようとしたとき、ヒッグス粒子にぶつかりやすいものほど加速しにくく(質量が大きく)、ぶつかる確率が低いものほど加速しやすい(質量が小さい)」という仮説が立てられました。それを前提に、「W粒子・Z粒子は質量を持たないが、ヒッグス粒子と衝突することで質量を持つ」という説明が生み出され、実験でのヒッグス粒子の発見が強く期待されています。LHCと呼ばれる加速器がそれを解明するかもしれません。

物理学は4つの力を統一した理論を作ることを目標にしています。電磁気学と弱い力を統一した「電弱統一理論」は1967年に発表されました。重力を除く3つの力を統一する「大統一理論」は 1974年に発表されましたが、これはまだ、実験的に確認されていません。4つの力を統一した理論が作られれば、宇宙の誕生の解明などがかなり進むことでしょう。ただ、難しすぎて一般人に理解出来るかは不明です。素人にとっては「結局わからない」みたいな (笑)。

一つの候補は「超ひも理論」らしいです。素粒子は点ではなく、長さのある「ひも」であるとする考え方です。ひもの振動の仕方で、さまざまな種類の粒子に見えるのだと。わかるようなわからないような・・・。

本書では、南部氏がノーベル賞を受賞した「CP対称性の破れ」や、小林・益川理論についてもわかりやすく解説していて、読んでみると面白いと思います。

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