路上のソリスト

By , 2009年6月22日 10:25 PM

仕事を早めに切り上げて、「路上のソリスト」を見に行きました。一人でね。

面白かった~♪

この映画は実話を元にしています。L.A.タイムズ紙の記者が路上で2本の弦のヴァイオリンを弾くホームレスを見つけ、調べてみると昔ジュリアード音楽院に在籍していたチェリストでした。

路上で2本の弦で弾くヴァイオリンは、D線とG線が切れていて、E線とA線で演奏しているのですが、遠くから流れる音にD線が鳴っているのはちょっとした御愛敬(^^;

記者は何とかそのホームレスを救おうとするのですが、そのホームレスにもホームレスなりの価値観があるのですね。

そのチェリストが何故ホームレスになったかというと、統合失調症になったからなのです。統合失調症の幻聴をこの映画は非常に上手に描いています。こんな幻聴が聞こえたら、私でも統合失調症の患者さんのような振る舞いをしますね。

記者は自分の価値観を押しつけるようなことをしながら、最後にチェリストの持っている価値観、そして人格を尊重するようになりますが、その心の移り変わりが自然なもので、抵抗なく受け入れられました。

音楽好きにたまらないのは、ベートーヴェンの音楽が大音量で流れること。ベートーヴェンの交響曲が、カルテットが、全身が震えるようなボリュームで流されるのは圧巻ですよ。この映画は映画館で楽しむべきです。

最近のアメリカの映画というと、爆弾が爆発するか、飛行機が落ちるか、人が死ぬか・・・で盛り上げるのが多いイメージがあって辟易とするのですが、人の内面を描きあげてこれほどの映画が出来上がるとは思っていませんでした。途中、涙が出そうになったり、鳥肌が立ったり・・・。

上映している映画館は少ないですが、お勧めです。

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