脳神話

By , 2010年1月10日 5:09 PM

本当に「脳神話」ってありますよね。脳ビジネスに乗っかって金儲けをする人が多数います。

脳研究の「神話」独り歩きに警鐘 日本神経科学学会

2010年1月8日20時15分

脳科学研究の成果が、脳ブームに伴って拡大解釈されて広がっていることなどを懸念し、日本神経科学学会は8日、研究指針の改定を発表した。脳活動の測定方法の安全性や測定でわかることの限界を知り、検証を受けた論文などを発信するように求めた。

指針では、科学的根拠のない「神経神話」と呼ばれる疑似脳科学が独り歩きしていることを憂慮。不正確な情報や大げさな解釈で脳科学への信頼が失われることがないように、科学的な根拠を明確にして研究成果を公表するよう求めた。

経済協力開発機構(OECD)の報告によると、神経神話には「3歳までが学習を最も受け入れやすい」「右脳左脳人間」「脳は全体の1割しか使っていない」などがある。

脳を傷つけずに調べる手法は1990年代に実用化され、脳内の血流の変化などを画像化する測定機器が普及した。比較的簡単に操作でき、人間を対象とした実験の経験が少ない工学系や文系の研究者にも広まった。同学会によると、被験者への実験の安全性の説明をしていない例や、測定機器の特性を理解しないまま実験する例もある。同学会は、ホームページで公表するなどで会員以外にも順守を呼びかける。(佐藤久恵)

脳の機能はよくわかってないので、「そうではない」っていう反証が難しいのです。言ったもの勝ち。それがこの流れを更に助長していますね。

脳はまだまだ良くわかっていないので、「宗教」とか「スピリチュアル系」と同じような、神秘性を持ちます。しかも、それらとは違い、中途半端に科学の面をかぶってきます。だからみんな騙されるのですね。

神経内科領域で問題となる脳の機能局在についても、特に言語領域ではやっと立てられた仮説に反する症例が次々と報告されたりして、なかなかクリアカットにいきません。難しいことに、(おそらく) 受けている教育や知的水準、母国語なども影響を与えたりするので、varianceが大きいですね。

この「脳神話」、もし口説きたい女性に「今夜は貴方の脳が私を求めているんです。これは脳科学で証明されています」って言ったら、騙されてついて来てくれるかしら。

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