いっしょに考えてみようや

By , 2010年11月29日 6:30 午前

「いっしょに考えてみようや (小林誠/益川敏英、朝日新聞出版)」を読み終えました。

小林誠先生と益川敏英先生については解説の必要はないでしょう。ノーベル賞物理賞を受賞された学者さんですね。本書には彼らの講演が収録されています。

小林誠氏は医者だった父が病死し、母の実家で育ちました。海部俊樹元首相とは従兄弟にあたるという血縁関係をだったそうです。また、益川敏英氏が中学校の卒業文集に「星の進化」という読書感想文を書いた話など、彼らの生い立ちでの知られざるエピソードが色々書かれていました。

さらに、CP対称性を破るために何故クォークが何故6個でなければならなかったのかという話について、当時の背景、その考えに至った過程などがわかりやすく述べられています。小林氏も益川氏も理論家ですが、実験家としての立場を高エネ研の高崎史彦氏が講演しており、こちらもわかりやすい話でした。難しい数式は登場せず、基本的な知識から解説していますので、一般の方でも読みやすいのではないかと思います。

興味深いことに、ひらめきについて寺田寅彦と同じ事を小林誠氏が述べていたので最後に引用しておきます。

 考える過程がおもしろい (小林誠)

何かわからないことがあった場合、あるいはそれが謎とかパラドックスであった場合、それを解きたいと思うことから考えることは始まります。ひとたびそういう問題に遭遇したら、つねにその問題を意識して、さまざまな方法やアプローチを頭の中で試している。現実の中の制約と整合して合わないものを一つずつつぶしていくと袋小路になることのほうが多いのですが、それでもあるとき突然ひらめくことがある。ある道筋がさっと見える、見通しが立つということがあるんです。それが「考える」ことだという感覚を私は持っています。ですから、「わからないときは諦める」そして、「またやりたくなるまで待つ」。つまり、何かほかのことをしていても、頭の中に問題の意識はずっとあるわけです。そういうふうにしていると、あるとき、「こういうアプローチで考えてみよう」とひらめく。それを繰り返しているうちに何か答えが見えてくるように思います。


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