奈良県での産科医療崩壊

By , 2006年10月27日 8:52 PM

先日、同僚の内科医師から聞いた話です。私の大学で当直をしていて、埼玉で10件以上受け入れを断れた救急車を受け入れたそうです。

埼玉というのは、日本で一番人口あたりの医師数が少ない県です。東京から医師がバイトに出かけるため、見かけ上病院に医師が充足しているように見えます。でも、その歪みが露呈することがあり、たらいまわしは珍しいことではないようです。救急隊も埼玉で無理でも東京まで搬送できるため、大きく問題化していないのかなと思います。

奈良県では、2006年3月に大淀病院の産科医が妊婦死亡のため逮捕され、防衛医療の狼煙があがりました。10月には重症の産科患者の受け入れ可能な病院がないという状況にまで陥ってしまいました

・元検弁護士のつぶやき-奈良妊婦死亡事故ー朝日の報道(毎日を追記)-
・ある産婦人科医のひとりごと-奈良の妊婦死亡、産科医らに波紋 処置に賛否両論-

さらには、奈良県立病院で産科医が、過酷な労働条件について病院に5人で手当1億円の請求をつきつけました。

「当直について労働基準法は『ほとんど労働する必要がない状態』と規定しており、実態とかけ離れていると指摘。当直料ではなく、超過勤務手当として支給されるべきで、04、05年の当直日数(131~158日)から算出すると、計約1億700万円の不足分があるとした。(元検弁護士のつぶやき-産科医が改善要求-より引用)」

これは、奈良県の産科が1年で崩壊したともとれます。内科でも手薄な地域は危ないのではないかと危惧しています。奈良県は、他県に派遣している医師を奈良県に戻し、対応するとしています。しかし、それよりも他県から奈良に派遣されている医師の方が多い可能性があり、対抗措置として医師を引き上げられたらどうするのかと心配です。

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