奈良県の事情?

By , 2006年12月23日 1:40 PM

奈良県南部地域で、ついに産科が絶滅したそうです。

ある産婦人科医のひとりごと-奈良南部の病院、産科ゼロ 妊婦死亡、町立大淀も休診へ (産経新聞)-

大淀病院は、脳出血を合併した妊婦の搬送先がなく、19病院で拒否などとセンセーショナルに報道された病院です。しかし、問題となったのは、マンパワーを含めたゆとりない運営によってどの病院も超重症患者の搬送を受け入れられない状況にあったためと考えられ、当事者の産科医を責めても何の解決にもなりません。医療システムの問題です。

常勤医は、週3回以上の宿直(医師の宿/当直は36時間連続勤務ですし、代休はありません)など、地域の産科医療を身を粉にして、支えてきた方であったと思いますが、あげくの果てに(医師から見てもほとんど過失がないのに)事故報道ですから、産科医を続ける意欲はなくなったでしょうね。彼を最後に、地域から産科医がいなくなったのは、「最後の武士」という言葉を連想させます。

上記のブログに書かれていた文章を紹介します。
「たとえ理想には程遠い不十分な医療施設であろうとも、何も無いよりははるかにましだということに、世の中の人々が早く気付く必要があると思います。」

低コストで、高い医療水準を保っている日本の医療が、崩壊してきています。その崩壊も目に見える形として、いくつかの地域で噴出するようになりました。

今後は医療制度として、「低コストで低い医療水準」を選ぶか、「高コストで高い医療水準」を維持するか、「払った金に応じた水準の医療」を受けられるようになるのか、どの方向かに進むのでしょう。安倍政権の印象では、最後の選択肢の可能性が他よりやや高いかもしれません。

今後、奈良県南部地域では、産科に限って言えば、医療事故は0になります。「人がやることだから絶対にミスはある。それを前提に議論しないといけない。ミスをなくすには医療行為をしないこと。そういうわけにいかないから、システムを・・・」などという冗談から始まる講義を聞いたことがありましたが、冗談ではなくなってしまいました。今、神奈川県でも大量のお産難民が発生し、千葉県まで搬送するのもしばしばのようです。

まだ、くだらない医者叩きバラエティー番組をみて笑っていて大丈夫でしょうか?この地域の問題だけではないと思います。もっと建設的な議論をしなければ・・・。

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