多発性硬化症と塩分

By , 2014年9月9日 4:25 AM

JNNPに、塩分摂取量と多発性硬化症の活動性悪化には相関があるのではないかという論文が掲載されました (2014年8月28日 published online)。

Sodium intake is associated with increased disease activity in multiple sclerosis

塩分摂取量を尿中 Naなどから推定し、患者を少量摂取 (2 g/日 5 g/日未満)、中等量摂取 (2~4.8 g/日 5~12 g/日)、多量摂取 (4.8 g/日以上 12 g以上) にわけました。ビタミンDなど、影響を与えうる要因で多変量解析し、塩分摂取量が多量群では、少量群に比べ増悪率が 2.75~3.95倍になるという結果でした。著者らは、塩分が Th17細胞の分化を調節しているという実験結果がこの結果を説明するのではないかと推測しているようです。

ただ、日本で塩分摂取 2 g/day未満って、まず不可能ですよね・・・。塩分摂取の多い日本人で多発性硬化症の増悪が特に多いという印象はないので、この結果に再現性があるのか、追試を待ちたいと思います。

<訂正 (2014年11月5日)>

論文にある sodiumはナトリウムです。ナトリウムは食塩 NaClの 40%なので、塩分で議論するには 2.5をかけなければいけません。勘違いしていました。訂正致します。

 

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