脳血管性パーキンソニズム

By , 2015年6月21日 9:06 AM

脳血管性パーキンソニズム (Vascular Parkinsonism) という概念があります。パーキンソン症状を呈する疾患はパーキンソン病以外にも沢山あり、そのうち脳血管障害によりパーキンソン症状が出てしまうものを脳血管性パーキンソニズムと呼びます。一般的には下肢に強いパーキンソン症状があり、CT/MRIで白質病変が目立つと、他疾患を除外の上、脳血管性パーキンソニズムと呼ばれることが多いです。

しかし、この疾患概念が問題を抱えていることは事実です。そのことについて、ついて、 Movement disorders誌にわかりやすい総説が掲載されていました (2015年5月21日 published online)。

Vascular Parkinsonism: Deconstructing a Syndrome

著者の意見によると、”definite” な脳血管性パーキンソニズムは、黒質ないしは黒質線条体経路の脳血管障害で起こるものです (線条体そのものや皮質、その間の白質によるものは除きます)。一方で、画像検査で白質病変が目立つことを診断根拠にしている症例では、白質病変が病理学的に必ずしも “vascular” とはいえず、パーキンソニズムをきたすとする根拠にはならないとしています。私も同意見です。白質病変の目立つ患者は、「脳血管性パーキンソニズム」というのがゴミ箱診断にされているなぁというのは実感するところです。この総説には、下肢に強いパーキンソニズムを来す疾患について、正常圧水頭症、進行性核上性麻痺、CADASILなど鑑別すべき疾患がいくつか提示されています。

もし日常診療で「脳血管性パーキンソニズム」という診断をよく下している医師がいれば、是非読んでみて頂きたい総説です。


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