ガドリニウム造影剤の脳への沈着

By , 2016年1月30日 10:07 AM

MRIでガドリニウム造影剤を繰り返し使っていると脳へ沈着することがあるという安全性情報が 2015年の夏に FDAから出されました。

FDA Drug Safety Communication: FDA evaluating the risk of brain deposits with repeated use of gadolinium-based contrast agents for magnetic resonance imaging (MRI)

このブログのコメント欄に、神田先生がコメントをくださったことがあります。

はじめまして。講演のネタ探ししていて偶然みかけ勉強になりました。
僕自身「正常腎機能でもMRI造影剤が徐々に脳に残っていて画像でも見えるようになってくるよ」という論文を報告していたのですが、この報告もひょっとしたら残留している造影剤と関連するかもしれないですね。大変興味惹かれました。ありがとうございます。

2016年1月号の JAMA Neurology誌にこの問題が取り上げられ、なんと神田先生の論文が引用されていました。

Blood-Brain Barrier Permeability and GadoliniumBenefits and Potential Pitfalls in Research

論文中の表がまとまっています。

Gadolinium

Gadolinium

これまで膨大な数の検査が行われつつ大きな問題になったことがないので、おそらくそんなに心配しなくてよいとは思っています。造影検査を行わないと診断がつかなかったり、重大な見逃しに繋がるケースはあるので、必要な際は躊躇なく行うべきでしょう。とはいえ、未知数な要素もありますので、「造影検査は必要なときのみ行う」という原則は従来通り貫かれるべきだと思います。

Post to Twitter


Leave a Reply

Panorama Theme by Themocracy