誕生日を向かえてのお気持ち

By , 2016年8月30日 4:00 PM

戦後70年という大きな節目を過ぎ,2年後には,平成30年を迎えます。
私も40を越え,体力の面などから様々な制約を覚えることもあり,ここ数年,医師としての自らの歩みを振り返るとともに,この先の自分の在り方や務めにつき,思いを致すようになりました。
本日は,社会の高齢化が進む中,医師もまた高齢となった場合,どのような在り方が望ましいか,医師という立場上,現行の医療制度に具体的に触れることは控えながら,私が個人として,これまでに考えて来たことを話したいと思います。

国家試験合格以来,私は医療行為を行うと共に,医師の望ましい在り方を,日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として,これを守り続ける責任に深く思いを致し,更に日々新たになる日本と世界の中にあって,日本の医師が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,患者たちの期待に応えていくかを考えつつ,今日に至っています。

そのような中,何年か前のことになりますが,2度の職務質問を受け,加えて加齢による体力の低下を覚えるようになった頃から,これから先,従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合,どのように身を処していくことが,病院にとり,患者にとり,また,私のあとを歩む医師にとり良いことであるかにつき,考えるようになりました。既に40を越え,幸いに健康であるとは申せ,次第に進む身体の衰えを考慮する時,これまでのように,全身全霊をもって当直の務めを果たしていくことが,難しくなるのではないかと案じています。

私が医師の職についてから,ほぼ14年,この間私は,病院における多くの喜びの時,また悲しみの時を,患者と共に過ごして来ました。私はこれまで医師の務めとして,何よりもまず患者の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが,同時に事にあたっては,時として患者の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。私が,医師として大切な,患者を思い,患者のために祈るという務めを,患者たちへの深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。

医師の高齢化に伴う対処の仕方が,医療行為や,その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには,無理があろうと思われます。また,医師が重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には,医師の行為を代行する看護師を置くことも考えられます。しかし,この場合も,医師が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま,生涯の終わりに至るまで医師であり続けることに変わりはありません。

医師が健康を損ない,深刻な状態に立ち至った場合,これまでにも見られたように,地域医療が停滞し,患者の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが,胸に去来することもあります。

始めにも述べましたように,医師法の下,医師は医療に関する権能を有します。
そうした中で,このたび我が国の長い医療の歴史を改めて振り返りつつ,これからも医師がどのような時にも患者と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そしてその務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました。
みなさまの理解を得られることを,切に願っています。

(元の文章)


2 Responses to “誕生日を向かえてのお気持ち”

  1. rei より:

    こんばんは。先日はmigunosukeさんに続いて梅原先生からも返信頂き有難うございます。
    私の体調も波はありますが、現状は落ち着いています。
    migunoskeさん、お誕生日を迎えられたのですね。おめでとうございます。
    医師としての立場から様々な思いを巡らせている様ですね。
    私も前の担当医だった先生には10年以上診察して頂いておりましたが、その歳月の中で数年前から2ヶ月に一度の診察でCRP、RF 共々、数値がそれぞれ CRP 0.3、RF 700~500前後に下がっていると歓喜をあげて先生とハイッタッチをする様になりました。
    新しく替わった先生とはまだまだ出来そうにもない。(笑)
    親しみ易い人柄と、質問にきちんと応えて下さる先生が良いですね。勿論、先生には心身共に健康であって欲しいと言うのもありますが、今の私の場合ですと、次の先生がきちんと引き継いで下さるのかどうか、話し易い方なのかどうか、服用しているお薬の種類をキツいタイプに変えられるのかどうか不安になります。
    migunosukeさんの医師としての患者さんに対する真摯なお気持ちと心得は患者さんにも伝わっていると思います。
    上手く表現出来なくてすみません。…だから、患者さんが安心してmigunosukeさんの診察を受ける事が出来ると言うのが一番だと思います。( 偉そうに書いてすみません。)m(_ _)m
    私も担当医が替わったのはショックでしたね。いずれは替わる事は解ってはいるのですが…
    早速、薬変えましょうか ? って言われましたし…(笑)
    私も自分の身体に向き合って先生の話をよく聴いて判断します。
    最後に…改めて…
    migunosukeさん、お誕生日おめでとうございます♬
    これからも心身共にご自愛下さい。

    • migunosuke より:

      お誕生日の祝福のコメント、ありがとうございます。
      新しい先生が、reiさんにとって接しやすい方だと良いですね。
      治療について、よっぽど根本的な部分はかわりませんが、医師によって細かい部分で多少は違いはあるので、担当の先生とよく相談してください。
      今後ともよろしく御願い致します。

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