ハーバードへの道

By , 2007年12月19日 7:31 AM

アメリカで研修しておられる方が書いているブログを見つけました。

 TMDU HMI2007~ハーバードへの道~-Neurology Ward Service by Hiroki-

初の病棟で驚いたのは,その回転の速さ!病棟には常に20人くらいの患者さんがいるが,金曜日の夜にいた人の少なくとも1/4は翌月曜日には新しい患者になっている.
この回転を支えているのはやはりRehabilitation centerやNursing home等だろう.例えば脳梗塞の場合,平均5日で転院!Lab, Echo, Holter, etc.と病棟で必要なことが終わると,麻痺が残っていようがいまいがすぐに”Go Rehab”となる.あとはPT/OTが中心となって機能回復を図っていくのである.

日本とは全然違いますね。システムの違い、コスト意識の違い、社会構造の違いなど、色々背景にあるのでしょう。日本でも、平均在院日数を削減するように、診療報酬を変える流れにありますが、アメリカと違って、リハビリ病院や療養施設を評価しないため、受け皿がなく、入院が長くなります。それに、日本では「入院期間中にしっかり治して、万全の状態で退院」という価値観があり、もし虫垂炎の手術をして、翌日「退院してください」と言ったとしたら、大部分の人がびっくりするでしょう。不信感を持たれたまま家に帰って、トラブルがあれば訴訟沙汰でしょうね。

慢性疾患の多い神経内科の現場では、「帰っても看れないから病院においてくれ」とか、「もし退院後悪くなったらどう責任取るんだ?」などという家族の方も多く、入院期間を引き延ばす要因となっています。家族の方の要望もある程度理解でき、療養施設や慢性期病床が充実していれば、クリアできる問題ではあるのでしょうけれども。

これからは、限られた医療費の中で、急性期と慢性期医療のバランスをどう取っていくのかを考えないといけません。これまでは、慢性期医療を切り捨ててきたため、患者やその家族が路頭に迷ってきたのみならず、急性期医療の回転も遅くなり、共倒れになっているような気がします。

もちろん、アメリカ型医療が理想とは言いませんが。

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