ジェネリック医薬品

By , 2006年9月27日 9:34 PM

さて、テレビではジェネリック医薬品(後発品)のCMが盛んに行われています。高騰する医療費を抑制するためには、薬価を下げるという面で非常に効果的と思われます。

ジェネリック医薬品というのは、ある薬剤が認可されて数年経った後、同じ成分の薬剤を真似して作ることで、開発費をかからなくして、安く売ろうとする薬剤のことです。

しかし、メリット(安価である)を強調する一方、デメリットはほとんど知られていません。デメリットとしては、まず先発品と全く同一ではないということが挙げられます。つまり、薬剤としての成分は先発品と同じなのですが、添加剤などが異なるため、体内での薬物動態が異なる可能性があるのです。アメリカでは、体内での薬物動態(PK/PD)を調べることなく後発品を販売することが出来ます。従って、効果が同じという保証はありません。

次に、品質管理についてです。先発品を開発する大手の製薬会社よりも、新興のジェネリック医薬品会社は品質管理が甘い可能性があります。私の勤務する大学病院では、点滴で用いる薬剤に不良品があり、採用中止となりました。

最後に、名前が紛らわしいという問題があります。私が担当していた患者は、A医院から○○という薬を処方され、B病院から△△という後発品を処方されていました。調べてみたら同じ薬でした。名前が違うため、本人が気づかなかったのです。結果としては倍量投与です。私も外来をしていて、後発品の名前はほとんどわからないので、いちいち薬の名前を調べるのが大変で、仕事のスピードが大幅ダウンです。

こうした問題点について、厚生労働省はしばらく様子を見て、副作用とかの報告が増えるようだったら対応するというスタンスのようです。

これらの情報を知った上で、ジェネリック医薬品を用いるかどうか検討して頂きたいと思います。

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