カビの話

By , 2007年4月14日 10:33 PM

I先生との会話です。
みぐのすけ:料理すると1ヶ月くらい皿洗わずにそのままになりますよね。酒飲んだ後のグラスとか。

I先生:カビ生えます

みぐのすけ:だいたいそれでグラスとか捨てます。

I先生:色々実験したことがあって、酢だと効果不十分で、最近は台所用洗剤を皿の中に溜めておくと、カビが生えにくいようです。僕はそうしています。

みぐのすけ:先生は科学者ですね。私も抗真菌薬を溶かして中に満たしておこうかと思ったことがありますけど、耐性菌の問題でやめました。私のevidenceでは、赤ワインは比較的安全で、日本酒は数日でカビが生えます。最初白いのが生えて、それから緑のが生えてきますね。

I先生:ある一定の体積以上増えられなくなるのは、生物学的に説明がつきますよね。ハイターとか垂らしておくと、阻害実験できますよ。

みぐのすけ:ある程度、洗っていない皿が増えるまでは洗う気しないんですよね。洗っちゃえばいいんだけど。

I先生:そうそう。先生もそうでしたか。

今思った。イソジンってどうだろう?

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夜間の診療制限

By , 2007年4月14日 10:09 PM

当直医の負担を減らすために、夜間の診療制限を始める病院が出てきています。素直に評価出来ます。

病院は公共施設なのだから、24時間診療するべきだという意見があるのはわかります。しかし、医師数が足りていない現実があります。医師は昼働いて、夜当直して、次の日の昼働いていて、何とか病院が持っているのが現状です。夜間に患者が殺到すれば、数時間の仮眠すらとれずに翌日の診療を行わざるを得ません。こうした条件での作業効率の低下は、飲酒と同レベルだという報告があります。もちろん労働基準法違反です。

24時間診療にこだわり、交代勤務を導入するためには、8時間交代としても、医師数を現在の相当数増やす必要があります。また、事務、薬剤師、検査技師等も 24時間体制にすると、人件費で病院が倒産します。医療費の著しい国民負担増加を受け入れられるのなら、医学部の定員を増やし、15年後くらいには実現出来るかもしれません。

ちなみに、アメリカでは、受診に際して診療予約をとる必要があり、だいたい予約が取れるのに数日かかるため、風邪での受診はあまりしないようです。医療費が高いというのもありますが。

伊関友伸のブログ-急患医療:“お気軽受診”の市外患者増え「診察を断る場合も」--大崎市 /宮城-

大崎市は同市医師会に委託し平日夜間と土曜午後・夜間に行っている急患医療で、市外の患者が増えていることから、栗原、美里、加美など隣接6市町に「医療機関の状況によっては診察を断ることもある」などと文書で申し入れた。病院の適切な利用を住民に啓発するよう求めている。

急患医療は旧古川市以来12年目。市の単独事業で年間1億円を負担し、古川地域の8病院が週1・5回の割合で担当。隣接市町は無負担。

制度が知れわたるとともに、ちょっとした風邪でも「夜間の方が空いている」といったお気軽受診が市内外問わず増え、実質徹夜して翌日勤務に就く医療スタッフの心身を蝕(むしば)んでいるという。

(参考) アメリカの医療 (風邪の診療)
アメリカと日本の医療システムの違い
アメリカ事情 from Mitsuko

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被験者

By , 2007年4月14日 9:17 PM

昼くらいに仕事を終えて、電気生理検査室に遊びに行きました。I先生が、末梢神経伝導検査で Sural Nerveの Proximalと Distalでの Amplitudeの差を個人的に調べていて、被験者になるためです。Proximalだと、多くの成分を含むため、Phase cancelationして Amplitudeが低下するというのです (マニアックな話)。

検査の方は、Alcohol neuropathyもなく、normalで安心しました。

ところが、検査中に技師たちが、「そういえば、最近先生顔が丸くなってきたんじゃない?研修医の頃は頬が痩せていたけど。」と、何気なく傷口に塩を塗り込むような発言をしました。指摘されたのは初めてだけど、そう感じられていたのか・・・。

検査が終わってから、I先生とラーメン屋へ食事に行きました。昼からビールを飲むのは久しぶりでしたが、後ろめたさが味を引き立たせ、気がつくとジョッキ3杯。

明日は当直だし、ダイエットは明日からにしよう。

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新記録

By , 2007年4月13日 11:56 PM

大学病院での仕事病院が終わって、透析病院にお仕事へ。18時~23時までの契約でした。そういえば、今日は13日の金曜日でしたね。

診察が終わって、ふと透析患者用の体重計が目に入りました。

「最近、階段を多用しているし、労働時間も長いし、きっと痩せているに違いない」

おそるおそる体重計に乗ってみました。

67.7kg!

確か研修医になったころは55kgでした。

最近、朝食は食べていないし、昼食は売店の弁当か職員食堂です。太る要素はありません。

夜もコンビニ弁当2個食べ、ビール1本+酎ハイ2本飲んでいるのは仕方ないにしても、ビール、酎ハイともカロリー50%のものを中心に選んでいるので、むしろ減っているくらいかと思っていました。

幸せ太りならわかりますが、不幸なのにこの体重増。競馬ならオッズ激変するくらいの馬体増です。

どうやって痩せようか。

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Metropolitan neuroscience club

By , 2007年4月13日 12:40 AM

4月10日に、第 3回 Metropolitan neuroscience clubに参加しました。講演は「臨床実地における針筋電図の有用性」でした。針筋電図の評価は、医師国家試験には「神経原性=高振幅で低頻度、筋原性=低振幅で高頻度」と出題されますが、これは最近では誤りとされています。誤診の元となる大いなる誤解が国家試験的常識となっているのもおかしな話ですが、針筋電図では「recruitment」などを正しく評価していく必要があります。

講演されたのは、園生雅弘先生で、電気生理学では世界的に有名な研究者です。普段抄読会を一緒にしている電気生理専門の I先生が、公演後のレセプションで、園生先生を紹介してくれたので挨拶しました。また、園生先生のお弟子さん達も紹介してくれました。おかげで園生先生主催のメーリングリストにも加入させて頂けるようです。

園生先生に、「Fasciculationはどこ由来か?」と質問したところ、Rothらの論文のことに言及されていて、興味深かったです。また、ALS患者に対するテンシロンテストについても質問してみると、「僕もやってみようと思ったことあるよ」とのことでした。

会が終わった後、I先生と朝まで飲みに行きました(そればっかりですが)。

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見舞い

By , 2007年4月13日 12:31 AM

ヴァイオリンの師が入院したので、学生時代の部活の後輩を連れて、見舞いに行きました。

大学病院に見舞いに行くのは初めて。受付で初めての面会手続きをしてから訪室しました。先生は術後2日目で、体力的につらそうでしたが、無事手術が終わっていてほっとしました。一日も早い回復をお祈りしていますし、少し休養がとれるようなので、充電期間として、仕事に追われていた頃には出来なかったことをして頂きたいと思いました。

患者サイドから医療を見ることが出来て、良い経験でした。

見舞いの後、国試に無事合格した後輩と飲みに行き、最後は自宅で一緒に音楽のDVDを見たりして過ごしました。

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第2回抄読会

By , 2007年4月13日 12:14 AM

4月6日に、有志で第2回抄読会を開きました。

私が選んだ論文は、「Cambell WW. Statin Myopathy: The iceberg or its tip?. Muscle Nerve 34: 387-390, 2006」でした。

この論文は、Statinの総論に触れた後、最近問題になっている自己免疫疾患との関係について述べています。Statinには Th2 shift作用があります。いくつかの機序による免疫系への影響、抗炎症作用、催炎症作用などが絡まり合い、pleiotopic effectは予想困難ですが、関節リウマチやSLE、多発性硬化症などの改善作用がある一方、重症筋無力症を悪化させるリスクなどが示唆されています。

また、Statin Neuropathyが Statin Myopathy同等に存在するとする報告があり、否定的な見解も多いのですが、新婚の K先生が最近経験したと教えてくれました。

論文の主旨としては、現在では Statin Myopathyが副作用の主体であるが、Statin Neuropathyや他の神経筋合併症が明らかになってくるならば、Statin Myopathyは副作用として氷山の一角に過ぎないのではないか?とのことでした。

途中、「Lipid raft」などに言及した部分があり、良くわからなかったので、郡山時代の同僚にメールを送り、色々教えて頂きました。その後、「細胞内物質輸送のダイナミズム (米田悦啓、中野明彦共編、Springer出版)」の該当部分を読み、理解することが出来ました。

電気生理検査専門の I先生は、Fasciculationの Originについて調べてきました。以前は前角細胞由来とされていましたが、FasciculationもF波を持つことがわかり、末梢由来だと考えられるようになり、Cancelationを利用した実験で、8割は末梢由来だとする報告も出てきました (Rothら)。一方で、中枢由来とする報告 (幸原ら)も存在し、諸説あるようです。ALSの患者の下痢にワゴスチグミンが有効であった経験や、ALSの電気生理検査でしばしば疲労現象が見られることから、テンシロンテストを行って呼吸機能を評価したらどうなるだろうか?などと議論が盛り上がりました。

K先生は「Ash S, et al. Trying to tell a tale: Discourse impairments in progressive aphasia and frontotemporal dementia. Neurology 66: 1405-1413, 2006」を紹介しました。Frontotemporal dementiaの中に、PNFA (progressive nonfluent aphasia)やSemD (semantic dementia)、SOC/EXEC (social comportment and executive functioning)といった病型がありそれを検討した論文です。私も読みたいと思って手元に持っていましたが、読まずにいたので、良い機会になったと思います。SOC/EXEC患者では、物語の全体像が見えないという障害があります。一方で、病人ではなくても、資料を渡したときに全体をパラパラと眺めて把握してから読み始める人と、最初から一字一句追って読み始めて全体を把握出来ない人がいるので、もともとの病前の傾向はどうなのだろうかと感じました。

抄読会が終わってから、例によって朝まで飲み会・・・。

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医師はなぜ治せないのか

By , 2007年4月8日 3:21 PM

「医師はなぜ治せないのか(Bernard Lown著, 小泉直子訳, 築地書館)」を読み終えました。

Lown医師は、心室性期外収縮の分類であるLown分類で有名です。心室性不整脈に対するリドカイン投与、除細動(電気ショック)を始めたのも彼の仕事です。ハーバード大学の教授であり、ノーベル平和賞も受賞しています。心不全の重症度分類を作ったLevine教授の弟子でもあります。

彼は、「病気を治すことはできないが、少なくとも、この点とこの点は軽減できる」という捉え方を述べています。また、エドワード・トルドー医師の「何人かは治せる。たくさんの人を楽に出来る。すべての人に慰めを与えられる。」という言葉を紹介しています。これは以前読んだ「死に方 目下研究中(岩田誠著、恒星出版)」での「私はメディシンというのは、病気をなくすためとか、治すためにあるのではないと思います。病気の状態にある人に対して、何かやれることを探して、その手助けをするという程度のことしかたぶんできてこなかったと思うのです。(中略)治した、治したと思っているのは、ある意味錯覚で、要するにある戦場での勝利であるというだけです。死との全面戦争では絶対に負けているんです。メディシンが死との戦争で勝った試しはないのです。不老不死なんてありえないんですから。」という思想に通じるところがあると思います。

彼のした先進的な研究がなければ、現在の心臓病の治療はここまで進んでいないと思いますが、彼からは医師としての姿勢についても学ぶことが多いように思います。

その一方で、彼は人体実験まがいのことも多くしているのですが、「当時は、患者にやってもよいことを判断する認可委員会などなかったし、インフォームド・コンセントも必要なかった。ただ、部長の許可を得ればよかった。また、だめだと言われることもなかった。それどころか研究熱心だとして株が上がるくらいだった。」と釈明しています。

また、当時をふり返って、「よく、昔はよかったと懐かしんで、『古きよき時代』と言ったりする。しかし、五〇年前の病院医療をふり返ると、今はずいぶん改善された。今の病院のほうが、はるかに安全だ。患者は情報を知らされる。医薬品も注意深く処方されるし、手術室も大幅に改善された。最大の進歩は、どのような処置を受けるか、患者が自分の意見をかなり言えるようになったことだ。今にして思えば、五〇年前に病院で行われていた数々の身体障害にはぞっとするばかりだ。」と述べています。

本書の最終章は、「医師にどう接するか よい医療を受けるには」となっており、医師以外が読んでも面白い本です。

驚いたのは、心臓超音波検査。日本では診療報酬7500円(患者は3割負担)ですが、「一回の検査で請求される八〇〇ドルのうち五〇〇ドルが純利益になる」と紹介されていました。

「ある特定の症状を示す一〇〇〇人の患者がどうなるかについてなら、医師は非常に正確に予想できるかもしれないが、分母が小さくなればなるほど、正確に予想するのは指数関数的にむずかしくなる。サンプル数が単一のとき、すなわち一人の患者の結果を予言しなければならないときには、正確さはゼロになる。統計を個人の患者に当てはめるのはむずかしい。」には同感です。

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先輩との会話

By , 2007年4月8日 2:18 PM

みぐのすけ:「東北の医師不足は深刻ですね」

A医師:「俺の同僚がね、磐城の病院なんだけど、ここ数年で休日0日だって。当直もあるのに。」

みぐのすけ:「どうしてですか?」

A医師:「5人いた内科医が3人辞めちゃったんだよ。」

みぐのすけ:「どうして彼はやめないんですか?」

A医師:「もう1人を残して辞めるわけにはいかないでしょう。」

みぐのすけ:「じゃあ、2人で同時に辞めれば・・・」

A医師:「そういかない事情があるんだよ。」

みぐのすけ:「?」

A医師:「もう1人が院長なんだよ。」

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インフルエンザでの異常行動

By , 2007年4月8日 2:09 PM

11名の異常行動の報告。これらはインフルエンザに罹患し、タミフルを内服していなかった患者です。

タミフルを内服しなくても、異常行動は珍しくないようです。

 服用なしでも異常行動11件 飛び降り、転落死も (2)

 

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2007年4月5日】
厚生労働省は4日、インフルエンザ治療薬タミフルを服用しなかったインフルエンザ患者などでも、飛び降りなどの異常行動が少なくとも計11件あったことを明らかにした。同日開かれた薬事・食品衛生審議会の調査会に報告した。

11件は、厚労省が先月23日から今月2日までに、医療機関などの報告や公表例で情報を入手した。内訳は10代が10件でいずれも男性、10歳未満は女児1件。10代男性の1件は、自宅9階から転落して死亡した。

転落死の男性は3月27日、心肺停止の状態で医療機関に運ばれ、死亡確認時の検査でインフルエンザ(A型)が陽性と判明した。目撃情報がなく転落時の状況は不明。タミフルの服用はなく、市販のかぜ薬を飲んだらしいが詳しいことは分かっていない。

別の10代男性は3月12日、かぜの症状で39度の熱を出し、2階の自室で寝ていたが、「怖い人に追われる夢を見て」2階の窓を開け庭に飛び降り足を骨折した。

ほかの事例(10代男性)は3月7日にA型インフルエンザと診断されたが、本人と家族の希望でタミフルは処方されなかった。翌8日夜に39.8度の高熱が出て、突然走りだしマンションのドアから飛び出したが家族が止めた。

調査会に出席した長野県立こども病院の宮坂勝之(みやさか・かつゆき)院長は「短い期間にこれだけの報告があった。タミフルの副作用だけでなく、インフルエンザでも異常行動が起こることを示す比較材料となる。ほかにもこうした事例がないか調べる必要があるだろう」と話した。


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