渡邊暁雄と日本フィル全集

By , 2007年7月18日 6:46 AM

渡邊暁雄と日本フィル全集 (26枚組)」を聴き終えました。

普段聴かない曲が多くて勉強になりました。収録されている曲にはシベリウスが多かったのですが、指揮者の渡邊暁雄先生の母親がフィンランド人であることが影響しているのかもしれません。

現代曲が多く、新しい音楽を発掘しようとする強い意志を感じました。しかし、私の趣味には合わない曲も多かったようにも思います。一つには新しい音楽に私の耳が慣れていないからという問題があります。

現代曲の中で名曲として残るのは一握りに過ぎず、消えていく曲の方が多いのも事実です。その中には相当数の駄作も含まれますが、後世になって評価が変わる曲もあります。いずれにせよ、どんな曲も一度は演奏されないと日の目を見ることはありません。渡邊先生のされていたことは、素晴らしいことだと思います。

私個人として、渡邊暁雄先生には特別な思い出があります。渡邊先生は、岡山県北部の山間の都市に毎年第九を指揮しにいらしていました。アマチュア音楽家であった父が毎年クラリネットで参加し、それを楽しみにしていたのです。毎年演奏会を聴きに行っていました。東京から6時間かかる田舎でしたが、これだけ高名な指揮者が、良く毎年来てくださったなと、今になって思います。

少し古い時代の日本のオケの演奏ですが、CDの演奏水準として、気持ちよく聴けます。ただ、ヴァイオリンソロの水準には疑問符が付きました。石井志都子氏のサン・サーンスのコンチェルトは、CDを聴いて頂けるとわかると思いますが、技術的には不安定な部分が目立ちます。

 山口市に生まれる。
小学4年で全国日本学生音楽コンクール第1位。
中学1年で音楽コンクール第2位。高校2年16
才でロン・ティボーコンクール第3位入賞。この
年パリ国立音楽院入学。翌年パリ国立音楽院
を首席で卒業。
再度ロン・ティボーコンクール第3位受賞。恩師
のパリ国立音楽院教授ガブリエル・ブイヨン氏も
同行して2年半ぶりに帰国。
各地で帰国記念演奏会。再びフランスへ留学。
21才でパガニーニ国際コンクール第3位入賞。
昭和44年約10年間の留学を終えて帰国。
共演したオーケストラはパリコロンヌ、フランス国
立放送、パドゥルー、ナポリシンフォニー等。
わが国では読売日響、東京フィル、日本フィル
などと共演。
平成6年10月東京芸術劇場にて、デビュー35周
年記念コンチェルトリサイタルを開催。
現在、桐朋学園大学教授、日本音楽コンクール、
全日本学生音楽コンクールの審査員をつとめる。
石井洋之助、鷲見三郎、ガブリエル・ブイヨン氏に
師事。
平成10年山口県文化功労賞を受賞。(http://www.c-able.ne.jp/~tanabata/h15soukai.html)

輝かしい経歴の持ち主のようです。たまたまこの時の演奏が不調だったのか、録音と聞いて緊張していたのか、知るべくもありませんが。

その他に、ルイ・グレーラー氏の演奏を初めて聴くことが出来て、うれしく思いました。昔、氏の「ヴァイオリンはやさしく 音楽はむずかしい (ルイ・グレーラー著、羽仁結訳、全音楽譜出版社)」を読んだことがあり、一度演奏を聴いてみたいと思っていたからです。

こうした全集は、記録としての価値もあり、貴重だと思います。日本のオケの 50年も前の演奏をじっくり聴く機会など、あまりないですから。


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