竜王戦挑決トーナメント

By , 2009年7月22日 6:53 AM

7月 21日に第22期竜王戦挑戦者決勝トーナメントで、羽生名人対片上六段戦が行われました。

羽生善治名人VS 片上大輔六段(棋譜)

戦型は角換わり相腰掛け銀。とはいっても、有名な木村定跡ではなく、先手7九玉型のまま 4→ 3→ 2筋の歩を切っていく戦いとなりました。よく見られる、7,  1筋の突き捨ては行われませんでした。

難解な中盤戦が続き、先手が先に打った角が働くか、後手 5五 (ないしは 4四、2二) 角の筋をどう受けるか、などが見所でしたが、最後に先手 7九桂の素晴らしい受けがあり、羽生名人が制勝しました。

プロでは珍しいことに、片上六段は詰むまで指しました。悔しさを忘れないように、などという気持ちがあるときに、このようなことがあると聞いたことがあります。一般的には、「棋譜を汚す」と言われて避けられるので、稀なことです。

今回の将棋は、解説が面白かったです。それも将棋の解説の合間になされる、食事の解説。抜粋してみます。

 棋譜中継

モニターに塾生が昼食の注文を取りに来る姿が映った。羽生は、ほそ島やのメニューを見て右下のあたりを指差した。たしかあそこは冷やし系のポジション。
片上は羽生が選んでいる間に千円札を取り出して待っている。どうやら、みろく庵の左側。冷やしスタミナ、鴨せいろのあたりに狙いを付けたようだ。

(略)

両者の昼食の注文は、羽生が山菜そば(ほそ島や)。片上が冷やしスタミナうどん(みろく庵)。
羽生は確かに冷やし系の部分を指差していたのだが、口では違うものを注文をしていたようだ。羽生おそるべし。

(略)

夕食の注文は、羽生がにぎり寿司の中。片上は肉豆腐定食の味噌汁抜き。
片上の注文は渡辺竜王が考案した新手筋で、「肉豆腐が汁ものなので、味噌汁を付けるのは指し過ぎ」というコメントが残されている。(みろく庵の肉豆腐は、ミニすき焼きのような感じ)。


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