オーケストラ

By , 2010年6月6日 6:23 AM

映画「オーケストラ」を観てきました。

ボリショイ・オーケストラの名指揮者であったアンドレイはユダヤ人の演奏家達をかばって失職し、ボリショイ劇場の清掃員として働いていました。ある日、パリの劇場からボリショイ・オーケストラへの演奏依頼の FAXが届いたのを偶然見つけ、こっそりそれをポケットにしまいました。そして、30年前に自分と同じように解雇されたオーケストラの団員を集めて廻りました。メンバーを集めると、全員でボリショイ・オーケストラになりすましパリに向かいます。

アンドレイが指揮者としての職を失う時に演奏していたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を再びパリの地で蘇らせるのです。ソリストにはアンヌ=マリー・ジャケを呼びました。何故ジャケなのか?というのが映画の最後に明らかになります。高名な演奏家に成長しながら、ジャケが知らなかった出生の秘密。ジャケが探し求める両親は、アンドレイが失職したことに密接な関係がありました。それが明らかになっていく過程に引き込まれました。ジェケとアンドレイの揺れ動く心の描写が見物ですし、チェロのグロスマンの演技も良い味を出していました。

随所に笑いがちりばめられているのですが、押しつけがましい笑いではなく、思わずニヤッとしたり、「あはっ」と声が出たりしました。話の展開もスムーズで、だれることなく最後のクライマックスへ。

このクライマックスは凄いです。物語を貫く秘密が最後に明らかになり、チャイコフスキーの名演とシンクロします。

エンドロールが流れる中、席を立つ人は一人もいなくて、所々からすすり泣く声が聞こえてきました。私も鳥肌が立って、少し涙ぐみました。

といった感じで、この映画は必見です。個人的にはジャケが綺麗で恋しちゃいましたし・・・。

それに比べて、予告編で流れた他の映画のつまらなそうなことつまらなそうなこと・・・。金払ってまで長々と広告見せないでくれぇ。本編が始まる前の広告見なくて済むのなら、多少値上げされても全然我慢します、と極個人的な御願い。

Post to Twitter


Panorama Theme by Themocracy