Argument to Beethoven’s 5th

By , 2010年6月8日 11:37 AM

この動画は凄い。ベートーヴェンの運命に合わせて、ジェスチャーのみで、ある情景を表現します。二人の男女が、猛烈に口論しているのです。話が進んでいく内に男性の浮気がテーマになっていることに気付きます。

女性は男性の服に、自分のとは違う長い毛を見つけます。そして男性に切れると、男性は逆切れして出て行きます。女性は憤慨してソファーに座り、寄ってきた飼い犬を撫でて気分を落ち着けます。そこでふと気付いたのは、男性についていた長い毛が犬の毛だったということ。男性が戻ってきて大円団です。

・Argument to Beethoven’s 5th

こんな演技が成り立つのも、音楽が音楽以外何も表現しないからです。Bernsteinは NYフィルを率いて行った伝説の公演 Young people’s concertの初回「What is the music?」で、「音楽は音符の集まりであって、音楽しか表現しない」というようなことを述べています。つまり、曲について何も知らない人が「美しき青きドナウ」を聴いてもドナウ川を思い浮かべないことからわかるように、音楽はある特定のシチュエーションを表現しないからこそ、様々なシチュエーションにマッチするのです。従って、「運命」を浮気の現場に当てはめることもで出来るし、受験の失敗に当てはめることもできるし、病気の告知に当てはめることも可能です。やっぱり音楽はただ音楽なのだと感じさせられた動画でした。

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