遺伝子工学の基礎

By , 2011年2月1日 7:50 AM

遺伝子工学の基礎 (野島博著、東京化学同人)」を読み終えました。

大学 1年生の時に授業使うため買った本ですが、当時は「医者になったら臨床しかやらないからいいや」と思って本棚に眠らせていました。まさか、15年も経って読むことになるとは思いませんでした。

読んでみると内容は凄く面白かったです。今行っている実験の意味が本を読んで初めて理解出来る部分がありました。予備知識がないと難解な部分もありましたが、その辺はググると解決できました。便利な世の中になったものです。

特に興味深かったのが、グルタミン酸の RNA編集。1996年のこの教科書に「脳のグルタミン酸受容体 (GluR) の一種である非 NMDA受容体とよばれるものの構成サブユニットは AMPA選択性の 4種類 (GluR1~4) とカイニン酸選択性の二つのサブユニット (Glu5, 6) が知られている。約 900アミノ酸残基からなるこれらサブユニットは四つの膜貫通領域 (TMI~IV) をもつが、その TMII領域で遺伝上はグルタミンのコドン (CAG) しか見当たらないのに、GluR2や GluR5, 6でアルギニン (CGG) に変化しているものが見つかった。転写後に A→Gなる RNA編集が起こったと解釈されている」と書いてあります。ALSでのグルタミン酸 RNA編集異常が報告される 8年前の教科書で このように RNA編集が注目されていて、面白いと思いました。

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