脳の探求者ラモニ・カハール スペインの輝ける星

By , 2012年12月10日 8:16 AM

「脳の探求者ラモニ・カハール スペインの輝ける星 (萬年甫著、中公新書)」を読み終えました。ラモニ・カハールについては、「神経学の源流 2 ラモニ・カハール」で説明したばかりですね。

本書はカハールについての伝記です。手の付けられない悪童が改心して研究者になり、義憤にかられてキューバ遠征に行くもマラリアにかかり散々な目にあって帰国し、以後研究に没頭してニューロン説を確立するまでの話が豊富な資料を元に書かれています。出版が中公新書ということからわかるように、専門家以外の方でも読める内容になっています。200ページくらいの薄い本なので、あっという間に読めますね。

印象に深かったことは物凄くたくさんありましたが、触れておきたい逸話があります。カハールが突起を発見できず、「第三要素」と呼んだ細胞群がありました。弟子オルテガが、師のカハールに「第三要素に突起がある」と告げた時、カハールは複雑だったようです。明らかに弟子が正しかったのですが、カハールを以ってしても、歳下の学者に自分の学説の間違いをストレートに指摘されると素直になれなかったようです。師弟という点では異なりますが、ゴルジがカハールに間違いを指摘された時の不愉快さも似たようなものであったのではないかと感じました。

以下は、備忘録。

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