Drugs that made headlines in 2013

By , 2013年12月15日 4:10 PM

2013年12月5日の Nature Medicine誌に、2013年に話題になった薬達について纏められていました。製薬会社がしのぎを削る、現在販売攻勢が最も強い薬剤の一つでもある DPP-4阻害薬が Yellow light (黄信号) なんですね。びっくりしました。

こうしてまとめてみると、ALK阻害薬のように期待の高そうな薬剤が Green light (青信号) になっている一方で、Red light (赤信号) に軒並み神経疾患治療薬が名を連ねていることに、残念な思いです。

Drugs that made headlines in 2013

Green light

・PD-1 immunotherapy: メラノーマ

・LDK378: 非小細胞性肺癌 (target=anaplastic lymphoma kinase (ALK))

・Gilotrif (afatinib): 非小細胞性肺癌 (target=epidermal growth factor receptor (EGFR))

・Kynamro (mipomersen sodium): 家族性高コレステロール血症

・Tivicay (dolutegravir): HIV

・Adempas (riociguat): 肺高血圧症

・Serelaxin: 急性心不全

・Invokana (canagliflozin): 2型糖尿病 (特に腎障害患者での心血管系副作用のため、発売後に 5つのトライアルがなされる)

・Imbruvica (ibrutinib): マントル細胞リンパ腫, 慢性リンパ性白血病

・Sofosbuvir: C型肝炎

・Gazyva (obinutuzumab): 慢性リンパ性白血病

 

Yellow light

・Fecal transplants: 偽膜性腸炎

・DPP4 inhibitors: 2型糖尿病, ただし、saxagliptinおよびalogliptinは心イベントを減少させなかった

・Brisdelle (paroxetine): 抗鬱薬

・Duavee (conjugated estrogens/bazedoxifene): ほてり (hot flash)

・Suvorexant: 不眠症

・Ramucirumab: 転移性乳癌では効果を示せなかったが、胃癌では生存期間を延長した。

・Alirocumab: 高脂血症

・Vercirnon: クローン病

 

Red light

Dexpramipexole: ALS

・Tredaptive (niacin/laropiprant): 高脂血症

・Preladenant: パーキンソン病

・LY2886721: アルツハイマー病

・Drisapersen: Duchenne型筋ジストロフィー

・Gammagard: アルツハイマー病

・R343: 喘息

・MAGE-A3 vaccine: メラノーマ

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クリスマスBMJ ワーグナー

By , 2013年12月13日 10:09 PM

今年もクリスマス BMJの季節がやってきました。以前、Beethovenの難聴の話を紹介しましたが、今年はワーグナーの片頭痛の論文が載っていました。

Christmas 2013: Medical Histories

“Compulsive plague! pain without end!” How Richard Wagner played out his migraine in the opera Siegfried

BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6952 (Published 12 December 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f6952

ワーグナーは、自身の片頭痛発作を作品 Siegfriedで描写しているというのですね。私はワーグナーの作品はほとんど聴きませんが、興味深く思いました。ワーグナーの作品が好きな方は、是非読んでみてください。

(追記)

知り合いの先生から、今年はワーグナー生誕 200周年だと教えて頂きました。あと、「眠れない時は『ニーベルングの指環』を聴くと、全曲終わるまでに眠くなる (※演奏時間 15時間)」という使えないアドヴァイスも・・・。

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キャッシュカードと発熱

By , 2013年12月13日 10:07 PM

12月6日 (金) に仕事を終えて、週末の生活費のためコンビニで金をおろそうとすると、「このカードは使用期限が切れています」とのエラーメッセージが出ました。何がなんだかわからずに、表示通り ATM脇の電話をかけると、「週末は対応出来ないので、週明け銀行に電話をしてください」と言われました。

12月7日 (土) は千葉で勤務を終えてから、秋田の当直に出かけました。夕方、何となく怠くて、夕方体温を測ったら37.1℃でした。夜中に悪寒がしてきて、12月8日午前4時頃に体温を測ると37.8℃まで上昇していました。大した熱ではないのですが、インフルエンザだったら困るので、当直を終えて迅速検査をしてみたら陰性でした (※迅速検査が陰性でもインフルエンザは否定できません)。帰りの新幹線では、ひたすら筋肉痛に耐えていました。

12月9日 (月) は、もしインフルエンザやノロだったら職場に広めることになるので、仕事を休んで様子をみていましたが、幸い37℃台前半で、症状もほとんどありませんでした。せっかくの休みなので、マスクして三菱東京UFJ銀行にでかけ、キャッシュカードについて問い合わせました。すると、ICカードを発行されていたにも関わらず旧磁気カードを使用し、 ICカードを一度も使用していないため、カード再発行の扱いになってしまったのだと説明されました。

【現在お持ちの「スーパーICカード」・「ICキャッシュカード」のご利用が必要なケース】 

磁気ストライプキャッシュカードから、現在お持ちの「スーパーICカード」・「ICキャッシュカード」へお切り替えのお客さまで、「スーパーICカード」・「ICキャッシュカード」のキャッシュカード機能を一度もご利用されていない場合
⇒現在お持ちの「スーパーICカード」・「ICキャッシュカード」のキャッシュカード機能により、「ご入金」または「お引き出し」のお取り引きをお願いします。

カード再発行までの期間を聞くと、「クレジットカード機能を追加するので 1ヶ月かかる」とのこと。クレジットカード機能いらないし、頼んだ覚えもないのですが・・・(´・ω・`)

1ヶ月間もキャッシュカードが使えないと死活問題なので、通帳を使って貯金の半分をおろして、その足で三井住友銀行に行って、新口座を作りました。対応してくださった銀行員が「研修中」の腕章お付けた滅茶苦茶美人で、これから毎日口座を作りに来ようかと思ったくらいでした (←アホ)。こちらのカードは7~10日で届くとのことです。

今回の件で三菱東京UFJ銀行から、「○月○日からキャッシュカードが使えなくなる」という通知は来なかったことは残念に思いますし、急にカードが使えなくなったのが正月休みの時期だったらと思うとゾッとします。ATMトラブルのリスクを分散するためにも、複数の銀行の口座を持つのは大事なことですね。知り合いの銀行員に聞いたら、「私も自分の銀行以外にも沢山口座持ってますよ」と言っていました。良い社会勉強になりました。

ちなみに、発熱は翌日から収まり、通常通りの勤務に戻りました。症状から、インフルエンザでもノロでもなさそうだし、ただの風邪だったのかな?

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震災と医学

By , 2013年12月8日 4:45 PM

東日本大震災の後、それに関連した科学論文が多く出版されています。Pubmedで “great east japan earthquake” として検索すると、2013年12月8日現在、224件がヒットします

2013年11月28日の New England Journal of Medicine (NEJM) には、”The Great East Japan Earthquake and Out-of-Hospital Cardiac Arrest” というタイトルの論文が掲載されていました。東日本大震災後、院外心停止は、数週間に渡って全体として増加したようです。ただし、年齢や性別により、増加の有無や時期などにばらつきがありました。天下の NEJMでもこういう論文を扱ってくれているんですね。

震災関連の論文としては、神経内科医としては、他に「震災後にてんかんが増える」「脳卒中が増える」「脳卒中は増えない」「認知症と震災時の行動ついて」なんかは押さえておきたいところ。

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ミトコンドリアのダイナミクス

By , 2013年12月7日 5:57 AM

2013年12月5日、New England Journal of Medicineにミトコンドリアのダイナミクスについての総説が掲載されました。とても良く纏まっていて、昨日見つけてその場で読了しました。

ミトコンドリアは、融合と分裂を繰り返し、数や品質の維持をしています。これらダイナミクスの異常で、疾患が引き起こされることがあります。この論文では、導入部でダイナミクスのメカニズムや重要性を説明し、後半にその異常が関与する疾患を説明しています。「常染色体劣性若年性パーキンソニズム」や「Charcot-Marie-Tooth病 type 2A」など、神経疾患もいくつか登場しますので、神経内科医が読んで楽しめるのではないかと思います。Table 1には、介在タンパク質と、その異常で引き起こされる疾患の一覧表があり、Figure 4には “Mitochondrial Disease in Humans” が纏められているので、全部読む余裕が無い方は、これらを眺めるだけでも勉強になるはずです。

Mitochondrial Dynamics — Mitochondrial Fission and Fusion in Human Diseases

Mitochondria fuse and divide in response to cell demands and environment. Alterations in mitochondrial dynamics underlie various human diseases, including cancer and neurologic and cardiovascular diseases. Defining the alterations may identify potential therapeutic targets.

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第36回分子生物学会

By , 2013年12月6日 5:49 AM

第 36回分子生物学会年会が、本日 12月6日まで開催されています。臨床に忙しくて参加していませんが、大会長は気合入れて準備された様子

しかし、今回の年会のウリは、何と言っても「恋人募集中表示」でしょうね。

神経学会も、これやってみると良いのに (^^)

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結婚がうまくいくかどうか

By , 2013年12月5日 9:36 PM

Science誌をチェックしていたら、「意識はしていないかもしれないが、新婚夫婦は結婚がうまくいくかどうかそれとなくわかっている」というタイトルの論文が出ていました。Science誌って、こういう論文も載るんですね。興味のある方は、ぜひ本文をどうぞ。

Though They May Be Unaware, Newlyweds Implicitly Know Whether Their Marriage Will Be Satisfying

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出張

By , 2013年12月2日 10:03 PM

2013年12月から、千葉県の病院に出張になりました。

後期研修医の頃に出張に出た時は、「症例を沢山経験出来る」とか「大学と比べて裁量が広がるから、色々勉強して責任感もってやろう」とか思ったものですが、指導医の学年になるとそういうワクワク感はもう全くありません。ただ早く出張の一年間が過ぎ去ることを祈るばかりです。「この病院に出張している間に結婚した人がたくさんいる」という事前情報だけが唯一の楽しみです。

あと、現在の住まいからだと片道電車で 2時間弱かかるので、通勤時間に本は沢山読もうと思います。

連日 5時起きになりますので、ブログの更新は、しばらく頻度が落ちることになると思いますが、今後ともよろしく御願い致します。

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