NEFL

By , 2014年10月16日 9:41 PM

一つの遺伝子が様々な表現型をとることがあり、神経疾患だと、VCP, SQSTM1, DCTN1などが有名です。

JAMA neurologyに、Charcot-Marie-Tooth病 (CMT) の原因遺伝子の一つである NEFL (novel neurofilament light polypeptide) がミオパチーの原因遺伝子でもあることが報告されました (2014年9月29日 online published)。

Expanding the Phenotype Associated With the NEFL Mutation

もともと NEFL自体が面白い遺伝子です。NEFL変異は、脱髄型である CMT1Fを引き起こすこともあるし、軸索型である CMT2Eを引き起こすこともあるからです (神経内科ハンドブック第 4版には、CMT1Eと CMT2Eと記載されていますが・・・)。いずれも常染色体優性遺伝です。

今回の報告では、NEFL c.1261C>T; p.R421X変異により、1家系内 4名の患者が発症しました。4名とも生下時発症で、2名はネマリンミオパチー、1名は非特異的先天性ミオパチー、1名はミオパチーの特徴を伴った神経原性萎縮でした。

同じ変異部位でこれだけ表現型多彩なのですね。その点が興味深かったです。

余談ですが、ネマリンミオパチーの原因遺伝子は、今回の NEFL以外に、これまで TPM3, NEB, ACTA1, TNNT1, TPM2, CFL2, KBTBD13, KLHL40, KLHL41が知られているそうです。

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