多発性硬化症と緯度の話

By , 2015年1月6日 6:52 AM

2014年12月号の Annals of Neurology誌に興味深い論文が掲載されていました。ごく簡単に紹介します。

Seasonal variation of relapse rate in multiple sclerosis is latitude dependent

多発性硬化症は高緯度地域に多いことが知られています。その原因はよくわかっていませんが、日光への暴露依存性ビタミンD代謝産物である血清 25-hydroxyvitamin D (25(OH)D) 濃度が関係しているのではないかと言われています。一方で、再発に季節性があるかどうかは、2000年の meta-analysisではあるとされたものの、研究によってばらつきがあります。

そこで、著者らは MSBase Restryという多発性硬化症のデータベースを用いて、これらについて調べました。

その結果、再発には、北半球南半球いずれも年間を通じた周期性があり、春に多く秋に少ないことがわかりました (Figure 1: ちなみに、北半球と南半球で再発した人数が大きく違うのは分母が違うためで、北半球は 8411名、南半球は 1400名のデータを解析しています)。この季節性変動は統計学的に有意であり、再発ピークは北半球で 3月7日、南半球で 9月5日でした。また、紫外線放射が最も低くなる時期と再発がピークとなる時期のタイムラグは、高緯度ほど短くなっていました。

著者らは、高緯度地域に住んでいる患者ほど年間を通じてビタミンDレベルが低く、冬になって紫外線放射が低下すると、25(OH)Dレベルやその他紫外線放射が介在した半減期の長い免疫調整効果が、早く閾値まで低下してしまうためではないかと推測しています。

 

Figure 1

Figure 1

この研究の Figure 1を見ると、多発性硬化症の再発にはっきりとした季節性変動があることがわかります。この季節性は、紫外線に依存するビタミンDが次のように関与していると考えられるようです。

冬になって紫外線低下→ビタミンDから紫外線依存性に合成される 25(OH)Dレベル低下→25(OH)Dレベルや紫外線が関与した免疫調整効果がある閾値を下回る→多発性硬化症再発

言われてみると、そうかなと思わされますが、まだ仮説の段階です。多発性硬化症とビタミン Dについては注目を集めている分野でもあり、今後の研究を待ちたいと思います。


発熱

By , 2015年1月6日 6:48 AM

新年早々、1月4日に発熱してしまいました。インフルエンザだったら困るので、1月5日は病棟に行かず、マスクして医局の隅っこのパソコンから電子カルテを使った遠隔医療。長引くとヤバいなと思っていたのですが、帰宅して体温を測ると解熱していました。普通の風邪だったのでしょうか。早く治って良かった (^ ^)


謹賀新年

By , 2015年1月6日 6:46 AM

あけましておめでとうございます。達成率がほぼゼロでお馴染みの新年の抱負です。

・医学/神経学

新しいことに挑戦したいと思っています。一つには、臨床試験を深く解釈したり、自分で臨床試験を計画するために、臨床疫学をもっと勉強したいです。もう一つは、これまでほぼスルーしてきた、中枢神経の電気生理学に手を出してみようと思っています。

・音楽

レコーダーを購入して、自分の演奏を録音し、欠点が多くみつけられるようになったので、まずはその欠点を改善していきたいです。また、親友の結婚式で演奏を頼まれていて、バッハの無伴奏曲を弾くのが、当面の目標です。

・乗馬

引き続き駈歩の練習です。あとは、速歩を立ったままできるように、足の位置をきちんとして、重心を安定させたいです。

・その他

荷物が多くて部屋がいっぱいになったのと、過去に買った安物の家具がどんどん崩壊してきている (例えば、タンスは引き出しの扉が外れているし、ベッドは床が抜けている) ので、その辺を全部一新することを兼ねて引越をしたいと思っています。


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