大規模出生コホート研究

By , 2015年2月28日 9:50 AM

イギリスでは、1946年以降大規模な出生コホート研究を繰り返し行って、政策に活かしています。以前、こうした大規模出生コホート研究の一つ、1970年コホートで興味深いデータを見ました。

How early can we predict future educational achievement?

Feinstein

Feinstein

生後 22ヶ月時に認知的発達指標を測定し、次の群を解析しました。

A: 好成績。親が裕福/高学歴。
B: 好成績。親が裕福/高学歴でない。
C: 低成績。親が裕福/高学歴。
D: 低成績。親が裕福/高学歴でない。

生後 22ヶ月の時点での認知的発達指標の点数は、A=B>C=Dですが、42ヶ月の時点では、明瞭に A>B>C>Dとなります。そして 76ヶ月頃 BとCがクロスし、10歳時には A>C>B>Dとなります。

後に行なわれた言語スコアを用いた研究 (Chapter 9 of Children in the 21st century: birth to age 5 by Blanden&Machin, The Policy Press, Bristol, 2010) でも似た傾向が確認されているそうです。

ピケティは、「資本収益率 (r) と経済成長率 (g) について g>rという関係がある。すなわち格差は拡大しやすい」という説を提唱して現在話題になっていますが、上記の出生コホート研究は、教育においても格差は拡大しやすいことを示していると言えるのかもしれません。

このように、出生コホート研究は色々と興味深い情報を与えてくれます。2015年2月24日の Nature Newsによると、イギリスはさらに 80000人規模の出生コホートを新たに行うそうです。さすがイギリスといったところです。

Wanted: 80,000 British babies for massive study

Post to Twitter


Panorama Theme by Themocracy