ALSモデルマウス

By , 2015年5月28日 6:25 AM

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の研究には、SOD1変異マウスが用いられることが多いのですが、SOD1変異患者は孤発性 ALSと病理が異なるなど、本当にこのマウスが孤発性 ALSを代表しているのかどうかには議論があります。一方で、C9orf72のGGGGCC 6塩基反復配列伸長は、遺伝子変異が検出された ALS患者の中で最多を占め (ただし、日本人では稀)、更に孤発性ALSのほぼ全ての患者でみられる TDP-43病理を示します。そのため、孤発性 ALSの研究対象として非常に注目が集まっています。

2015年5月24日の Science誌に、C90rf72のGGGGCC 6塩基反復配列伸長を持つモデルマウスの作成に成功したという論文が掲載されました。

C9ORF72 repeat expansions in mice cause TDP-43 pathology, neuronal loss, and behavioral deficits

このマウスは、RAN translationにより生じるジペプチドリピート蛋白の封入体があり、TDP-43病理を示しました。また、前頭側頭葉変性症 (※しばしば ALSと同じ遺伝子が原因となり、ALSに合併することもある) でみられるような精神症状がみられました。

このモデルマウスにより、ALS研究が進むことを期待したいと思います。SOD1変異マウスで試した治療薬をこのマウスで試すとどうなるかなど、興味があります。

Post to Twitter


Panorama Theme by Themocracy