Category: 映画

『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』

By , 2014年10月17日 6:11 AM

映画「『アルゲリッチ 私こそ、音楽』」を見ました。

アルゲリッチ 私こそ、音楽!』

ピアノの巨匠マルタ・アルゲリッチの娘ステファニーが撮りためた、母親の映像を豊富につかったドキュメンタリー映画です。

ベッドでくつろいでいるシーン、起き抜けの顔、コンサート前に楽屋で「弾きたくない」とダダをこねているシーンなど、ほとんどがプライベート映像で占められています。

マルタ・アルゲリッチ自身が “音楽” に言及した部分はそれほど多くなく、「老いへの不安」や「家族の絆」という内面的な描写が多かったです。

マルタ・アルゲリッチは元夫シャルル・デュトアと離婚しているため、ステファニーの戸籍の父親の欄は「不明」となっています。ステファニーが父親に認知してもらおうとして役所に交渉したとき、スイス大使館がデュトアの結婚歴証明証を紛失していることが判明し、認知できないとわかったシーンはグッときました。

巨匠マルタ・アルゲリッチの素顔に興味がある方には、楽しめるドキュメンタリーだと思います。


バルトの楽園

By , 2013年1月16日 7:23 AM

第九の本邦初演を描いた、映画「バルトの楽園」の DVDを見ました。昨年末「東日本大震災復興祈念「会津第九演奏会2011」」というエントリーで少し触れた映画です。かなり期待して見た映画だったのですが、色々と残念でした。

まず、捕虜と日本人の友情及び恋愛、会津人であることで差別された収容所の所長、第九・・・多くの内容を詰め込もうとし過ぎて、逆に一つ一つのエピソードが薄っぺらくなっていました。また、映画のワンシーンで、女性の合唱を男性で代用することが述べられていましたが、演奏でのその部分の描写がほとんどなかったのにもがっかりしました。さらに、DVDのパッケージには、音楽にカラヤンの第九を使用したと書いてありましたが、今時カラヤンを有難がって聴く人はいるのかというのも疑問でした。

期待が大きかった分、失望が大きかったのですが、暇つぶしとして見るのなら楽しめるかもしれません。


僕のピアノコンチェルト

By , 2011年1月26日 7:02 AM

映画「僕のピアノコンチェルト」の DVDを見ました。

僕のピアノコンチェルト

タイトルにピアノコンチェルトとはついていますが、あまり音楽映画という感じではありません。ある少年の成長と内面的な葛藤を描いています。IQが測定不能なくらい高く、ピアノの才能にも恵まれた少年が思春期を迎えます。彼が恋したのはかつての自分のベビーシッター。さらに祖父との関係の結末が映画を切ないものにします。見た目の派手さはありませんが、所々軽いスパイスが利いていて、悪くない映画でした。


ピアニスト

By , 2010年12月23日 3:42 PM

映画「The Piano (ピアノ・レッスン)」の DVDを見ました。タイトル通りピアニストの話です。夫を失ったピアノ弾きが子供を連れて、未開の地に嫁ぎます。そこで不倫をする話。

以前には「ピアニスト」という映画を見ました。M願望のある女性ピアノ弾きが妄想を膨らませる半ば官能映画。

見た映画が多くないから余り語れませんが、女性ピアニストが主人公の映画って、どうしてこういう性的に倒錯して描かれやすいんでしょうね?何だか見ていて嫌になってきました。

ということで、どんな傾向があるか、簡単に過去に見たピアニストの映画を分類してみました。映画名の最後についている♂♀は主人公が男か女かを表しています。クララ・シューマンなどのように高名な演奏家を描いたものは除いてあります。

・主人公が健全な性格をしていて、置かれた環境が特殊という映画
「The Pianist♂」

・主人公の心の影を描いた映画(性的な倒錯がないもの)
「4分間のピアニスト♀」「シャイン♂」

・主人公の心の影を描いた映画(性的な倒錯があるもの)
「The piano♀」「ピアニスト♀」

温厚な性格の女性ピアニストを描いた映画がないということは何を意味しているのでしょう。描いてもつまらないから?それとも実はみんな気性が荒いとか?(笑)

これがピアノ以外の楽器だと・・・

・主人公が健全な性格をしていて、置かれた環境が特殊という映画
「北京ヴァイオリン♂」「オーケストラ♀」「彼らに音楽を♂」「屋根の上のバイオリン弾き♂」「ミュージック・オブ・ハート♀」

・主人公の心の影を描いた映画(性的な倒錯がないもの)
「シャコンヌ♂」「路上のソリスト♂」

・主人公の心の影を描いた映画(性的な倒錯があるもの)
見あたらず

ピアノと他の楽器で結構違うように思いました。


哀愁のトロイメライ

By , 2010年12月14日 6:23 AM

「哀愁のトロイメライ~クララ・シューマン物語~」のDVDを見ました。クララ・シューマンについての映画はいくつか作られていて、「愛の協奏曲」「愛の調べ」を過去に紹介しました。この「哀愁のトロイメライ」は、前記2作品のようなシューマン夫妻とブラームスの三角関係ではなく、クララがロベルト・シューマンと結ばれるまでを描いています。恋愛映画に付きものである愛の障害は、父によってもたらされます。

この映画は、冒頭パガニーニの演奏シーンから始まります。パガニーニ役はギドン・クレーメル。凄まじい迫力でカプリス (パガニーニ作曲) が演奏されます。その他、演奏はディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ヴィルヘルム・ケンプ、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、イーヴォ・ポゴレリチと錚々たるメンバによってなされ、演奏に関して、一切不満はありませんでした。

・Gidon Kremer -Paganini part01

登場するピアノや衣装にも、当時のものを使用するなど、かなり凝った作りなのですが、それを実感したのがロベルト・シューマンの手の障害についてでした。過去に紹介したように、シューマンは手を痛め、「Animal bath」や電気療法を受けました。そのことが映画できちんと触れられていました。

ただ、酷かったのは終わり方。あるシーンの途中でいきなりスパッと終わってしまうのです。途中までの音楽を楽しむのであれば、観る価値のある映画ですが、多分カップルで観るとどうしようもない後味の悪さが残るに違いありません。結婚式で終わると良かったのでしょうね。それ以外が良かっただけに非常に残念!

あらすじ


愛の調べ

By , 2010年12月11日 11:18 AM

映画「愛の調べ」のDVDを見ました。 ロベルト・シューマン、クララ・シューマン、ブラームスの三角関係を描いた映画です。同じ題材を扱った映画には、「クララ・シューマン 愛の協奏曲」がありますが、「愛の協奏曲」が情熱的でやや官能的な面を持つ映画であったのに比べ、「愛の調べ」は素朴な純愛を描いていました。

無意味にフランツ・リストが登場したり、やや史実を曲げた演出はあるものの、ロベルトとクララの固い絆や、ブラームスのクララへの美しい片思いは、この恋愛映画を非常に魅力的なものにしていました。安くて簡単に買えるDVDですので、是非お勧めです (^^)

さて、実際にロベルト・シューマン、クララ・シューマン、ブラームスの間に三角関係はあったのか?その根拠は何なのか?というテーマは、後日またブログに書きたいと思います。


未完成交響曲~シューベルトの恋~

By , 2010年9月13日 10:07 AM

「未完成交響曲~シューベルトの恋~」という映画が、2010年 9月 11日(土)~ 9月 24日(金)まで恵比寿で上映されているようです。

シューベルトは貴族の娘など、手の届かない女性に叶わぬ恋をしつつ売春婦で性欲の処理をするようなところがあり、最後は梅毒で死んだと云われています。この映画は彼のどのような部分を描いているのでしょうね?是非見に行かないと。

未完成交響曲~シューベルトの恋~


オーケストラ

By , 2010年6月6日 6:23 AM

映画「オーケストラ」を観てきました。

ボリショイ・オーケストラの名指揮者であったアンドレイはユダヤ人の演奏家達をかばって失職し、ボリショイ劇場の清掃員として働いていました。ある日、パリの劇場からボリショイ・オーケストラへの演奏依頼の FAXが届いたのを偶然見つけ、こっそりそれをポケットにしまいました。そして、30年前に自分と同じように解雇されたオーケストラの団員を集めて廻りました。メンバーを集めると、全員でボリショイ・オーケストラになりすましパリに向かいます。

アンドレイが指揮者としての職を失う時に演奏していたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を再びパリの地で蘇らせるのです。ソリストにはアンヌ=マリー・ジャケを呼びました。何故ジャケなのか?というのが映画の最後に明らかになります。高名な演奏家に成長しながら、ジャケが知らなかった出生の秘密。ジャケが探し求める両親は、アンドレイが失職したことに密接な関係がありました。それが明らかになっていく過程に引き込まれました。ジェケとアンドレイの揺れ動く心の描写が見物ですし、チェロのグロスマンの演技も良い味を出していました。

随所に笑いがちりばめられているのですが、押しつけがましい笑いではなく、思わずニヤッとしたり、「あはっ」と声が出たりしました。話の展開もスムーズで、だれることなく最後のクライマックスへ。

このクライマックスは凄いです。物語を貫く秘密が最後に明らかになり、チャイコフスキーの名演とシンクロします。

エンドロールが流れる中、席を立つ人は一人もいなくて、所々からすすり泣く声が聞こえてきました。私も鳥肌が立って、少し涙ぐみました。

といった感じで、この映画は必見です。個人的にはジャケが綺麗で恋しちゃいましたし・・・。

それに比べて、予告編で流れた他の映画のつまらなそうなことつまらなそうなこと・・・。金払ってまで長々と広告見せないでくれぇ。本編が始まる前の広告見なくて済むのなら、多少値上げされても全然我慢します、と極個人的な御願い。


ロレンツォのオイル

By , 2009年10月15日 7:24 AM

「ロレンツォのオイル」という映画の DVDを見ました。副腎白質ジストロフィーという難病についての映画です。

物凄く描写が細かくて、リアリティーのある映画でした。本編に関係のない描写での説明は一切ないのですが、「あ、今眼底をみているな」とか、「flash VEPの検査中だな」とか「典型的な痙性歩行だな」とか思いながら観ました。この手の映画では「かわいそう」という同情を訴えようとするものが多いのですが、この映画は事象を客観的に描写し、純粋に映画としての感動がありました。また、多くの医療系ドラマ/映画では、「これは、ないな」というシーンがいくつもあり感情移入できないのですが、この映画ではそう感じることもありませんでした。

この映画は色々物議をかもした映画であり、李啓充先生のコラムを読んでから観ると、倍楽しめると思います。

「ロレンツォのオイル」 その後(1)

「ロレンツォのオイル」 その後(2)


「クララ・シューマン 愛の協奏曲」の感想

By , 2009年8月10日 7:44 AM

先日紹介した「クララ・シューマン 愛の協奏曲」という映画を昨日観に行ってきました。

渋谷の BUNKAMURAにあるル・シネマという映画館だったのですが、久しぶりの渋谷でした。

映画が始まる前に、他の映画の予告編がたくさん上映されて、「つまらなそうな映画が多いなぁ・・・」と少し興醒め。日常生活を描いた何を言いたいんだかわからない映画や、ストーリーのつまらなさを戦闘シーンで誤魔化した映画なんて、客もすぐに飽きそうな気がします。

肝心のクララ・シューマンの映画については、思ったほどではありませんでした。最初に興醒めしたのが、ピアノの演奏シーンで、ピアニストの指と音が合っていなかったところ。更に、演奏時のピアニストの手の形も明らかに素人です。音楽映画なのですから、それなりのクラシック通が客層な訳で、ディテールにはこだわって欲しいと思いました。

映画の前半は、あまり内面的な描写がなく、内容もやや密度も低かったように思います。後半になるにつれて、クララ、ロベルトの葛藤が高まっていき、それにブラームスを交えた三人の苦悩が映画を盛り上げていきました。それに関する演技は、十分評価に値します。三人の思いが頂点に達して映画は終わり。最後に派手な演出はありませんでしたが、この映画らしくて良いと思いました。

総評ですが、映像と音楽がずれていて、音楽にあまり感情移入ができない点を考えると、映画館で大音量での音楽を楽しむ映画ではなさそうです。DVDが出たら家でじっくり観るのが良いのかなと思いました。


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