裁判官はなぜ誤るのか

By , 2006年6月17日 9:17 PM

明日は、東京でボツリヌス毒素の講習を聞く予定となっています。ボツリヌス毒素による筋弛緩を利用して、眼瞼痙攣などの治療をすることがあるのですが、その為には資格が必要だからです。資格といっても、手技的には簡単なものなので、講習を聞くだけで可能となっています。

前回は、「裁判官が日本を滅ぼす」という本を紹介しましたが、同時に購入した「裁判官はなぜ誤るのか(秋山賢三)」という本の方が、読んで明らかに面白かったです。こちらは元裁判官が、自省を含め、構造的な問題を指摘しています。2冊を比較すると、ジャーナリストの文章のいい加減さが見えてくる気がします。

その他最近購入した本は、「ビルロートの生涯(武智秀夫著)」「人の魂は皮膚にあるのか(小野友道著)」「ヨーロッパ医科学史散歩(石田純郎著)」「臨床医が語る脳とコトバのはなし(岩田誠著)」「死に方目下研究中。(田辺保、岩田誠著)」「精神医学の歴史(小俣和一郎)」「外科の歴史(W.J.ビショップ)」「死の真相―死因が語る歴史上の人物(ハンス・バンクル著)」といった所です。どれも魅力的な本で、これから読むのが楽しみです。特に、ビルロートの本は、ビルロートが作曲した歌曲の楽譜がついていて、是非演奏したいと思います。

 

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裁判官が日本を滅ぼす

By , 2006年6月15日 8:59 PM

ここ1ヶ月くらい、毎朝5時半に起きて読書をしています。今日読み終えたのは、「裁判官が日本を滅ぼす((門田隆将著)」という本です。医師は白衣を着ていますが、裁判官は黒い服を着ています。一冊を通じて、「何物にも染まらない意志表示」で黒い服を着ているのではなくて、「既に染まりきってしまったから」黒いのかという皮肉を思いつきました。

何故、このような本を読もうかと思ったのは、最近の医療裁判において見当はずれの判決が多発しているからです。医療行為というのは、人間である医療スタッフが、刻々と変化する状況の中で限られた情報を元に行うものです。従って、後から結果を検証した場合、常に最善だったということはありません。次善であったり、その後出てきた検査結果を照らし合わせれば最初の決断が間違っていることもあります。でも、決断をしないと治療は進みません。それが現実だと思います。

医学的な専門知識を他の医師並に持ち、その時点において妥当と思われる選択をした医師に、後付の理由で結果責任を問うたり、およそ現場からは常識はずれの判決が多発しているのを良く耳にします。私は法律は素人なので多くの判決が妥当かは論じられませんが、医療に関する訴訟を常識的に判断すると、違和感を覚えることが多いように感じます。医師に対して厳しすぎる判決のみならず、甘い判決の場合にもです。

本の内容としては、およそタイトル通りでした。裁判官を糾弾する内容に終始していて、さまざまな誤判が具体的に書かれていました。しかし、だんだんとジャーナリズムと表現の自由についての記述が増えていき、最終的に裁判官が表現の自由を侵害しているという結論が伝えたかったようです。途中述べられていたのが、「新潮45」が名誉毀損で訴えられたことがおかしいということ。そしてこの本の出版元も新潮社。少し本の裏に隠れた意図も見えました。誤判を集めて、被害者の辛い感情を並べて、読者に義憤がこみ上げてくるように書いていますが、もう少し裁判官の立場についてとか、多面的に書いて欲しかったと思います。価値観が分かれる部分も断定的な表現が多用されたのが目立ちました。

裁判というのは、及ぼす結果が甚大なだけに、完全を求められることは理解できます。ただ、人間のすること。全てパーフェクトとはいきません。そこが難しいところと思います。

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アー・ユー・ドランク?

By , 2006年6月13日 12:07 AM

仕事が終わって、ワインを買って帰り、初戦のオーストラリア戦を見ていました。
戦前に散々盛り上がり、初戦は勝って・・・という事前の予想(大部分の報道)と異なり、惨敗でした。何でもあるのがスポーツの試合。こういうシナリオも予想していましたが、少しは現実が見えた人も多いでしょう。もちろん私も日本を応援していますが、余りに現実味のない報道には辟易していました。

酔っぱらいついでに、「String (1997年2月号)」という雑誌から。

今や、ストラディバリウスをも凌ぐ人気を誇る、バルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ、通称デル・ジェスのお話(中略)。今思えば、大変もったいないことですが、彼の作品には、ずいぶんおかしなものがあって、ネックがねじれているものや、左右が非対称なものや、f字孔の大きさの違ったもの等々があります。これらは『ドランク・デル・ジェス』と言われるもので、彼が酒を飲みながら作ったものだろうと推定されているものです。また、『プリズン・デル・ジェス』と呼ばれているものも残されていますが、これは獄中で暇つぶしに作ったものだろうと言われています

恐るべき酔っぱらいです。そのコラムのタイトルは、『アー・ユー・ドランク?』『イエス・アイ・アム』でした。

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ゴルフ

By , 2006年6月6日 12:12 AM

5月28日は、外科主催のゴルフコンペでした。私はまったくの初心者でしたが、ルールに助けられて、楽しむ事が出来ました。ルールというのが、隠しホールを決めて、そのホールのスコアをハンディキャップに当てるというもの。つまり、隠しホールのスコアが悪い人は、そのホールを基準としてスコアを修正するので、とんでもなく良い結果となるのです。さらに初心者ハンディとして、18ホール中8ホールをパーとして申告して良い事になっており、そんなこんなでハンディなしだと130台のスコアながら、8ホールパーにして101、さらに隠しホールの恩恵もあって3位入賞してしまいました。80台でまわっていた人も何人かいたのですが。

実は、その日はゴルフの始まる直前に雷が鳴っていて、しばらくレストランで雷がやむのを待ってから始めたのですが、こんな経験は始めてでした。土砂降りの中のゴルフとなりましたが、良い思い出となりそうです。

6月2日は大学時代の部活の新勧でした。池袋で朝までオールで飲んだり語ったり。久しぶりのオールでした。とはいえ、新入生は私の11歳も年下。知らないうちにおじさんになっていくものです。

サッカーのワールドカップ、日本の初戦まで1週間です。今回のグループは勝ち抜くのが厳しそうですが、楽しいサッカーを見られると良いなと思います。

夏休みは、今年はドイツを中心にまわろうかと思っています。バッハやベートーヴェン縁の地を訪れたいです。ウィーンはモーツァルトの墓地以外大体散策しつくしたし、8月頃はちょうどザルツブルグ音楽祭で、ウィーンでは良いコンサートをやっていないのです。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータも出会ってから5年くらい。今は無伴奏ソナタ第2番を練習中です。作曲家縁の地を訪れて感じるものもあるはずです。

(参考)http://homepage2.nifty.com/bachhaus/reise/reise.html

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