神経学の源流1 ババンスキーとともに-(3)

By , 2008年12月25日 5:30 AM

Babinskiは、Charcotが課題として残した、器質的疾患とヒステリーの鑑別についても精力的に取り組みます。元々、神経内科の発展の歴史はヒステリーと密接に関連しています。梅毒患者が大きな社会問題となっていた時代、男性患者を収容するためにビセートル病院、女性患者を収容するためにサルペトリエール病院がパリに作られました。これらの病院には精神病患者も多数収容されました。Charcotがサルペトリエール病院に赴任したとき、ヒステリー患者なのか器質的疾患があるか鑑別するのは大きな問題でした。Charcotは多発性硬化症や筋萎縮性側索硬化症を記載したり、Parkinsonが報告した Parkinson病を再評価し、再び光を当てたり、偉大な業績を残しましたが、ヒステリーの診断においては汚点を残しました。Charcotは催眠術により鑑別を試みたのですが、自分では催眠術を行わず、弟子に行わせ、弟子達は師匠の意向に添うように患者を訓練しました。公開講義などでは、患者は金を受け取って、催眠術にかかったふりを演技したと言います。しかし、精神医学の分野で、Charcotの弟子であったフロイトがヒステリーをテーマに業績を残します。Babinskiも負けてはおらず、1900年に「器質性片麻痺とヒステリー性片麻痺の鑑別診断」という論文を発表し、本書の第 4章で取り上げています。そこに掲載されている鑑別表が、現在でも通用する程素晴らしいので紹介します。

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クリスマスオラトリオ

By , 2008年12月25日 5:19 AM

昨日は、一人でDVDを見ながら、ワインを飲んでいました。DVDは、バッハの「クリスマスオラトリオ」で、クラクフ・バッハ・アカデミー ’90管弦楽団、クラクフ・バッハ・アカデミー ’90合唱団ゲヒンゲン聖歌隊、ヘルムート・リリング指揮による演奏でした。録音場所はクラクフの聖母マリア聖堂。クラクフには先日行ったばかりで懐かしく思いました。

クリスマス・オラトリオは、典型的なバッハの宗教音楽です。私は、バッハのこの手の曲が全部同じに聞こえてしまうので、「マタイ受難曲」の一節だよと言われたら、全然わかりません。スタイル、作り方が同じなので当然かも知れませんけれども。しかし、アリア「わが心よ、この聖なる奇蹟を」には心を動かされました。

・Schließe, mein Herze, dies selige Wunder(わが心よ、この聖なる奇蹟を)

その後、ギドン・クレーメルがバッハの無伴奏パルティータを演奏するDVDを見ました。かなりアクが強くて好みが分かれる演奏です。最初に聴くのにはお勧めしませんが、色々な演奏家の録音を聴いた後だと新鮮味があるかもしれません。「教科書的」演奏は対極にあって、他人の真似ごとではなく、純粋に楽譜から彼が感じたまま演奏されたんだなと感じさせます。

ところで、このクリスマスというイベント。エクストリーム・クリスマスなんていう競技もあるのを初めて知りました(^^;

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