Norbert Hilger

By , 2009年2月28日 12:25 PM

Norbert Hilger が演奏する「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ(バッハ)」のCDを聴きました。なんと、この録音はチェロで演奏されています。

最初にソナタ第1番の第1楽章アダージョが流れたときは、「ちょっとイマイチだなぁー」と感じました。この曲は Wikipediaで自筆譜を見ることも出来ますが、縦線としての和音と、それを紡ぐ早いパッセージから出来上がっています。これは建築に例えると、「橋脚」と「吊り橋のケーブル」のように見え、そのように演奏されることが多いです。すなわち和音を重く弾いて、間のパッセージを軽く弾くのです。そうすると曲が立体的になります。しかし、チェロだとヴァイオリンより発音に時間がかかるため、間のパッセージがモコモコしてしまって少し聴きにくくなっていました。スタッカートならもう少しクリアに出来たのでしょうが、楽譜にスラーの指示があるため、楽器の制約を受けてしまいましたね。

でも、以後の曲を聴き進めていくうちに、魅力にはまりました。音域が低い分、より落ち着いた雰囲気が出せていたのですね。一方で、ソナタ第1番のアダージョを除けば、早いパッセージが連続する曲でもクリアに演奏されていました。随所に工夫の跡があり、ソナタ第 2番の第 3楽章はピチカートで演奏されていて、新鮮でした。

一度、聴いてみて損がないと思います。

その他、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータのCDについては、下記のサイトが凄いです。

バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ


視力検査

By , 2009年2月26日 7:15 AM

完全にネタですが、これは視力が良くなりそうです(^^;

Gigazine-思わず食い入るように見入ってしまう、画期的な男性向け視力検査表-


アルファブロガー・アワード2008

By , 2009年2月17日 8:10 PM

「アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞」の結果が出たようです。

医療系だと、まず「LUPOの地球ぶらぶら紀行-妊娠の心得11か条-」が挙げられます。ネット上でも様々なところで取り上げられ、反響が大きかったみたいです。このブログは他にも、「LUPOの地球ぶらぶら紀行-魅惑の秘密結社-」などの記事が面白かったです。

もう一つ医療系では、「ななのつぶやき-大野事件の終焉:無罪確定-」が授賞しました。大野病院事件について書かれていますが、感情に訴えるものがありました。そして、このエントリーでブログを閉じることを宣言したのでした。このブログでは他に「ななのつぶやき-犠牲-」などにも胸を打たれました。

医療系以外で面白かったのが、「けんじろう と コラボろう!-学校裏サイトで娘が実名で攻撃され、父としてメールを送ってみた。-」です。娘がネット上でいじめにあったとき、父親としてどのような対応を取ったかが記されています。この父親のような対応を取ったら相手がどのように応じるのかということにも興味を持って読みました。娘もこのような娘思いの父親を持って幸せですね。


横田敏勝先生

By , 2009年2月17日 8:10 PM

偶然、滋賀医科大学名誉教授の横田敏勝氏のサイトを知りました。私は以前、シューマンの手についてこのブログに書いたことがありますが、横田氏も「芸術の中の痛み」という連載など、私の興味ある分野で色々書かれているようです(氏の「音楽家の “使いすぎ症候群”」というエントリーでは、シューマンにも触れています)。

氏の「痛みの世界史」というコラムを読むにつけて、一度お話したかったとの念を強くしました。しかし、残念。平成 17年 2月 14日に、腎臓がんで急逝されたそうです。ただ、幸いなことに横田先生の書かれた文章を読むことが出来ますので、紹介しておきます。

滋賀医科大学名誉教授 横田敏勝先生


ラフマニノフと慢性疼痛

By , 2009年2月15日 3:58 PM

今回紹介する論文は、慢性疼痛を持ったピアニスト二人についてです。その偉大なピアニストとは、「Clara Wieck Schumann (1819-1896)」と「Sergei Vassilievich Rachmaninov (1873-1943)」です。Clara Schumann は Robert Schumann の妻としても知られています。Sergei Rachmaninov は、有名なロシアの作曲家でありピアニストです。彼のピアノ協奏曲を扱った「Shine」という映画を覚えている人も多いと思います。

論文「Hingtgen CM. The painful perils of pianists: The chronic pain of Clara Schumann and Sergei Rachmaninov. Semin Neurol 19: 29-34, 1999」には、この二人の慢性疼痛について詳細に記載されています。

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HIV

By , 2009年2月12日 6:30 AM

先日、当直で HIV/AIDSの症例を経験しました。

症例は 60歳くらいの男性。初診で一過性の意識消失で搬送されてきたのですが、診察すると軽度の意識障害が残存しているようでした。他に神経学的に異常所見なく、採血で CRP 10 mg/dlと炎症反応の上昇と軽度の肝・腎機能障害が見られました。髄液、尿検査、胸部レントゲン、頭部 CTなどのスクリーニング検査で異常がなかったので、敗血症に伴う意識障害を第一の鑑別として、血液培養を提出。念のため HIV抗体を提出して入院としました。

エンピリカルに抗菌薬を使用して様子を見ていたら、翌日血液培養からグラム陰性桿菌が検出され、後日 E. coli と判明しました。入院数日して、HIV抗体も陽性であることが判明しました (B型肝炎、梅毒の重複感染あり)。CD4陽性リンパ球数は 47 /μl と著明に減少し、ウイルス量も30万copy/mlと増加していました。その方は、専門施設に転院されました。

その他に、研修医時代に結核を合併した AIDSの若年男性を診たことがありますが、近年患者数が増加し、HIVは臨床現場でも身近になってきています。感染症専門医でなくても、最低限の知識が求められます。

そこで、国立国際医療センターのサイトでラーニングプログラムがあり、結構勉強になるので紹介しておきます。

国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター HIV/AIDS eラーニング・プログラム


By , 2009年2月7日 2:32 PM

ヴァイオリンを使ってやる芸がいろいろあり、例えば救急車のサイレン音を Doppler効果付きで表現したり、弓を股間に挟んでヴァイオリンをこすりつけて演奏したり、ドアが開く「ギー」という音を出したり、私もいくつか持っています。

楽器を使った芸を Youtubeから紹介です。

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リレンザ

By , 2009年2月6日 6:39 AM

 

以前紹介した、横田智之氏のサイトで、リレンザの開発についての話が書いてありました。時々、氏のサイトを訪れるのですが、本当に良い仕事をされた方だと思います。

楓梢庵日記 2006年の独り言

私はタミフル開発には関与していないが、一時期、リレンザの開発に関与したことがある。 リレンザは NA抑制剤としてタミフルよりも早く見つけられた薬剤である。 NA蛋白の X線による三次元構造解析により、NAの立体構造モデルを元に分子設計するという新しい手法によって合成された薬である。 1983年に Natureに合成の経緯と抗ウイルス活性を報告したオーストラリアの Von itzsteinらの論文は非常に注目された。タミフルを合成した研究者はノーベル賞をもらえないが、Von itzsteinはノーベル賞候補になっておかしくない。 私は彼が日本に来た時に親しく酒を酌み交わしたことがある。 リレンザはイギリスの製薬企業のグラクソ・スミスクラインで薬として市場に出された。 その後、この薬をまねて作られたのがタミフルである。 リレンザは水溶性に難があり、ヒトへは噴霧により直接ウイルスの増殖部位である気道、肺へ投与される。 一方、タミフルは経口薬として開発された。 副作用のことを考えるウイルス増殖部位にのみ投与する方が良いが、経口薬という手軽さが受けて、タミフルが市場では受け入れられている。

果たしてタミフルは H5N1に有効であろうか。 私はリレンザでヒト以外のインフルエンザウイルスを用いて抗ウイルス活性を測定したことがある。 それは馬インフルエンザウイルスを用いてである。 馬インフルエンザウイルスも時に大きな流行を起すことがある。 日本では 1971年に大きな流行があり、この年の 12月から翌年の 2月の東京での競馬レースにも大きな影響が出たほどである。 馬インフルエンザウイルスにはヒトと異なる H7N7、H3N8の二つの株が知られている。 リレンザはこの二つの馬インフルエンザウイルスの増殖をヒトのウイルスと同様に抑制した。 このことは NA抑制剤であるリレンザがヒトのインフルエンザウイルス以外の異なる N、Hタイプのウイルスも抑制することを示し、今流行している H5H1ウイルスにも有効性を示す可能性を示唆しているが、果たしてタミフルはどうなのであろうか。(060219記)

それにしても、リレンザが馬インフルエンザにも効くとはびっくりです。馬は体が大きいですから、どのくらいの量を使用するか考えただけでも大変そうですけどね。


第77回日本音楽コンクール

By , 2009年2月5日 6:58 AM

妹が、第 77回日本音楽コンクールの DVDを録画して送ってくれました。

私が勝手につけた順位も審査員と同じでした。少なくとも、本番の演奏を聴く限り、第 3位以下と、第 1-2位でかなり開きがあるように感じました。第 3-4位の方は、音程が不安定でしたが、非常に緊張していたこともあるのでしょう。実力が発揮できていないように見えたのが残念です。

第 2位は、先日お伝えした石上真由子さんの演奏。本人は楽しんで弾いていたのではないでしょうか。聴いていて面白く、聴衆賞を受賞したのもわかります。でも若いせいか、時折洗練されていない音がありました。まだ最年少だったらしいですし、あと数年すれば面白いでしょう。

優勝した瀧村依里さんは、納得いく演奏です。技術的に安定感があり、音楽的にも自然です。ただ、期待を裏切らない変わりに、妙に安定してしまっていて、もう少し演奏に遊びがあると良いように感じました。コンクールということもあったのでしょうか。

入賞者達のこれからの活躍を楽しみにしています。


カザルスホール

By , 2009年2月4日 7:58 PM

今年一番腹が立ったニュース。

 「室内楽の殿堂」カザルスホール、10年3月に閉館へ

2月4日12時17分配信 読売新聞

「室内楽の殿堂」として音楽ファンに親しまれた日本大学カザルスホール(東京・御茶ノ水)が、同大キャンパス再開発のため、2010年3月末で閉館することが4日、明らかになった。同大では現在の建物を取り壊す方針とみられる。

同ホールは、主婦の友社が日本初の室内楽専用ホールとして、名チェリストのパブロ・カザルスの名前を冠して1987年に開館。設計は建築家の磯崎新氏で、97年にはドイツ製パイプオルガンも設置された。

2002年、同社の経営難から日大に売却され、一時閉館したが再オープンし、学内行事のほか貸しホールとしてコンサートに使われていた。

同大では「パイプオルガンをどうするかなどは未定」としている。

カザルスホールを取り壊すとは何ごとでしょうか。

日本大学は芸術学部を有しているのですが、かくも芸術を軽く扱うのでしょうか。

私が今のヴァイオリンの師につくことを決めたのも、カザルスホールでの演奏に感動したからです。そして、ヴァイオリンを通じて、自分が最も不安定な時期を乗り越えることが出来たのです。

私にとっては、数々の名演奏家が演奏してきた聖地です。そこで弾いてはみたいけれど、私如きが演奏することが先人達への冒涜になる気もします。でも、ホールがなくなるのなら、そこで演奏してみたいです。日本大学カザルスホールの公式サイトを見ると、50万円くらいで借りられそうです。本当にするかはわかりませんけど。何か、感情の整理がついてません。


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