べるげんにて

By , 2010年9月20日 1:30 PM

楽しかった旅行もあと数時間で帰国となりました。

昨日の話。オスロからベルゲンへのベルゲン急行は、右手に高い山、左手に海を見ながら、フィヨルドの中を走ります。森の木の種類が徐々に変わり、途中から紅葉が見られるようになり、標高 1222メートルのフィンセ駅では近くに雪もありました。この付近にはあまり高い木はなく、岩山に囲まれている感じでした。フィンセ駅からベルゲンの方へ下っていくと、周囲の山からの水を集めた川が併走していました。山の中の川なので、ヨーロッパによくみられる水量豊かな川というより、日本の急流に近い感じで、滝もいくつか見られました。山の斜面を縫うように牧場があり、羊たちが飼われていました。

ベルゲン駅を降りると、街の中心部に池があり、その対角線上に目的のホテルがありました。15時くらいにチェックインしようとすると、30分待つように言われ、ロビーでネットしていたのですが、まだ部屋の準備は出来ないとのことでした。仕方ないので、街を散策し、湖を一周しましたが、尚部屋は用意されず。16時頃になったので、先にグリーグ記念館に行くことにしました。

グリーグ記念館はベルゲンの南8 kmくらいのトロルハウゲンというところにあります。「地球の歩き方」に載っているバスは、停留所の案内図を見る限り、トロルハウゲンには停車しない様子でした。時間もなかったので、街中を走るタクシーをつかまえました。タクシーで丁度200クローナ(約3500円)と結構なお値段でした。

グリーグ記念館に入ると、オーディオルームで彼のドキュメンタリーが上映されており、その音楽が館内に響き渡っていました。グリーグ夫妻の着ていた服(体型ばれる?)とか、自筆譜のコピーとか、指揮棒とか色々ありました。記念館で冊子を買うと、付近の案内が書いてありました。記念館を出て左手に行くと、グリーグが住んでいた家があり、そこからの眺めは絶景でした。海(湖?)の中に浮かぶ島々・・・。視界を遮るものはありません。家の中にはグリーグ縁のものがたくさんあり、弦楽四重奏曲の自筆譜もありました。置いてあるピアノはスタンウェイでした。家から下った海辺に彼の小さな仕事場がありました。また、逆方向に下ると、彼が眠る墓がありました。

グリーグの家の余韻を楽しみながら、森の中を来た方向に戻りました。途中、馬場があり、その周囲の柵沿いに乗馬の練習をしている方がいました。

タクシーで来たので、どこにバス停があるかわからず、山の中を歩くうちに迷ってしまいました。色々道を聞くと、どうやら鉄道がある様子。10分くらい歩いて Hopという駅に着きました。ここから Byparten行きの電車が 15分置きくらいに出ており、Bayparten駅は Bergenの中心に位置します。Bergen市街では路面電車ですが、それが近隣まで張り出した格好で、教えてくれた人は「small train」と呼んでいました(今回の体験でわかったことですが、ベルゲンからグリーグ記念館に行くには、Baypartenから Hopまで電車で行き、駅から右手に道路沿いを歩き、左手国道に沿って登っていったところがトロルハウゲンの入り口の筈です)。

駅に戻って、屋根裏の部屋にチェックインしてから食事へ。ホテルにパンフレットが置いてあった Holbergstuenにしました。パンフレットに日本語のメニューが載っていたからです。前菜は「ベルゲン風お魚のスープ」、メインは「クリップフィスク(ノルウェー伝統の干し鱈料理)」にしました。今回の旅行で一番おいしかったですが、若干塩味がきつかったです。日本の東北地方もそうですが、寒い地域では塩味が強くなるのでしょうか?

21時半頃、食事が終わってから、ガイドブックに23時までやっていると書いてあったフロイエン山のロープウェーに行きましたが、閉まっていました。仕方ないので途中まで徒歩で登って夜景を楽しみ、港に戻るとテントで小さな店を出してあるのを見つけました。揚げたてのイカリングと「ハンザ」というビールを注文したところ、量の多いこと・・・。半分くらい残して「Finished.」と立ち去ろうとしたら、「Not finished.」と言われて詰め込む羽目に。それでも少し残して店を出ました。

結局、22時頃床に就き、今朝3時くらいに起きました。現在は6時30分ですが、7時30分のバスで空港に向かう予定です。では、また。

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べるげんへ

By , 2010年9月19日 12:36 PM

おはようございます。こちらは午前 5時半頃です。3時頃から起きています。ほとんど日本の時間に合わせて行動していますね。ドイツだと深夜にダイアル Q2のエロチックな CMがたくさん流れているのですが、北欧に来てからは全く見かけません。

一昨日、9月 17日にオスロに着いて、その日は夕食を食べに行くだけでのんびりしていました。夕食はエンゲブレト・カフェという店で、前菜の鮭料理が美味しかったです。前菜の数品の中には、刺身もあり、ワサビが添えてありました(少し味付けしてあり、醤油は不要でした)。日本と比べて遜色ない味でした。メインはトナカイ肉のステーキ。メニューがノルウェー語と英語しかないので、どれがトナカイかわかりにくいのですが、「reindeer」と書いてあるものを選べば大丈夫です。トナカイは、脂身のない牛肉を食べているような味がしました。

9月18日は、早く起きたものの、ネットをしたり遅くまでホテルでゴロゴロしてました。朝食を摂って、まずオスロ美術館に行きました。美術館は何と入場無料で、荷物を入れるロッカーも無料。売りは二つあって、一つはムンクの作品達。有名な「叫び」や、「スペイン風邪」なんてのもありました。もう一つは、ピカソ、モネ、セザンヌなどの名画が一つの部屋に纏められているものです。美術館はそれほど大きくなく、少数精鋭の絵があるという感じでした(大きすぎる美術館って歩くだけで疲れますね)。

ところが、ビックリしたことが起こりました。鑑賞中、私の前を歩いていた中国人女性4人組が、あろうことか素手で目の前の名画の表面を触っていたのです。アラームが鳴って警備員が駆けつけてきました。ところがその4人組は悪びれた様子もありませんでした。最低限のマナーを守れない人間は来ないで欲しいものです。更に腹が立ったのは、その部屋に居たのが私とその4人だけで、警備員は彼女たちが触った現場を見ていないので、私までうさんくさい眼でみられたことです。この後のコンサートに備えて、正装している礼儀正しい男性が、そんなことするように見えるでしょうか?それに、私はいつも手を後ろに組んで鑑賞してますし。

美術館を出てから、コンサートに向かいました。「Ridehuset」という小さなホールで行われた室内楽の演奏会でした。建物は音響が悪く、コンサート向けではないのが残念でした。曲は、ノルウェーの作曲家 Trygve Madsenの弦楽四重奏第5番と、ロベルト・シューマンのピアノ五重奏曲でした。Madsenの弦楽四重奏曲はフーガ風に始まり、聴き応えのある曲でした。惜しむらくは、相互の音程が悪かったことですね。第一ヴァイオリンが高く音程を取る方で、チェロが低く取る方でした。チューニングが元々合っていなかったのに加えて、こうした癖があるため、随所で音程が気になりました(音程は高めに取る方が栄えるので、ヴァイオリニストは高く取りがちです。ただ、そうするとチェロとの音程の幅が広がって聴きにくくなります。カルテットでは、チェロは高めに、ヴァイオリンは低めに意識する方が良いとされます)。それ以外は、素晴らしかったように思います。シューマンも凄く盛り上がって、私は演奏したくなってしまい仕方がありませんでした。

コンサートが終わってから、オペラハウスに行くと、コンサートはありませんでしたが、本のイベントをやっていました。屋上まで斜面になっていて上れるので、歩いて上がって景色を楽しみました。

それからノーベル平和センターに行き、コンサートホール、国立劇場の脇を通ってドヴレハーレンで食事。前菜のサラダは美味しかったですが、メインの肉料理は塩辛い固い肉で、あまり美味しくありませんでした。ワインもいまいちでしたし。

今日はこれからベルゲン急行でフィヨルドの中を通って、ベルゲンに向かいます。午前 8時 11分発、14時 52分着ですから、ずっと列車の中です。とはいえ、座って酒飲みながら景色が楽しめるので、乙なものですね。車内で食べられるように昨日セブンイレブンでスナック菓子を購入してきました。ストックホルムのセブンイレブンはビールを売っていたのに、オスロは数件巡ってもアルコール売っていませんでした。ホテルのミニバーの酒を持参することにします。

ベルゲンについてたら、そのままグリーグ記念館に向かう予定です。明日の飛行機で帰国します。では。

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あっとよーてぼり

By , 2010年9月17日 3:56 PM

お久しぶりです。ヨーテボリのホテルから書き込みです。今回の旅行について簡単に雰囲気をお伝えします。

初日はストックホルムを訪れました。医学史博物館は期待はずれだった(壁に10枚くらい写真が貼ってあるだけ!)ものの、美術館、音楽博物館はそこそこ楽しめました。ノーベル博物館は、展示物が凄く少ないのが残念でしたが、湯川秀樹の映像が流れていて見入ってしまいました。それとグッズショップで「ノーベル賞の100年」みたいな本があって、歴代の受賞者の業績が書いてあるのを買うことが出来たのが収穫でした。荷物は非常に重くなりましたけれども。

ストックホルムの市庁舎の地下のレストランは、前日までに予約してあればノーベル賞授賞式と同じメニューが食べられるのですが、予約してなかったのが残念。デザートだけは予約なしでも食べられますが、丁度売り切れだったも残念。でも食事は美味しかったです。今度は誰かと予約して行きたいものですね。

昨日、ストックホルムからヨーテボリに移動しました。医学史博物館の展示物はかなり充実していて、長居してしまいました。展示物の写真集があれば良かったのですが、それはありませんでした。写真は一杯撮りましたけれどね。あと、美術館も良かったですね。ピカソ、ゴッホ、シャガール、モネ、ルーベンスなどたくさんの絵がありました。スウェーデンで第二の規模の美術館なのだとか。

それと、美術館の近くのコンサートハウスにふらっと入って、チケットを購入してピアノコンサートも聴けました。アンコールのショパンのノクターンに感動でした。

食事は、これまで巡ったドイツ周辺諸国と比べて、美味しいです。魚料理がそれらの国と比べて全然違いますね。噂のシュールストレミングを食べましたが、臭くありませんでした。発酵食品なので食べる時期によるのでしょう。オオカミ魚という魚も食べましたが、美味しかったです。後で写真をネットで見るとグロテスクなのにビックリ。先に写真見てたら先入観で食べられないところでした。ビールはカールスバーグ一辺倒です。入った限り、スウェーデン産のワインを置いているレストランはありません。寒い国なのでワインを作っていないのでしょうか?

そろそろ、朝食を摂ってオスロに向かいます。また時間が出来れば書き込みます。それでは、また。

P.S.) ストックホルムのホテルにはロビーにネット環境があったのですが、共有かつ英語オンリーだったので、さすがにブログは書けずでした (ニュースはチェックしていました)。このヨーテボリのホテルは無線 LANがつながりますので、自分のパソコンで書いています。でも、バッテリーが結構やばいです。充電器もあるのですが、持参した変圧器がすぐ熱をもって使えなくなるのです。ということで、パソコンもあまり長くは使えません。ちなみに現地時間は午前8時56分です。

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北欧旅行

By , 2010年9月14日 5:01 AM

北欧に旅行してきます。ホテルと航空券だけ取って、気ままな一人旅です。旅程は下記ですが、あくまで目安。

9月14日 (火) 成田発ストックホルム着

9月15日 (水) ストックホルム
ノーベル博物館, 国立美術館, 医学史博物館, 音楽博物館, 市庁舎など

9月16日 (木) ストックホルム→ヨーテボリ (X2000:8:10→11:17)
ヨーテボリ医学史博物館 (月曜日休館), ヨーテボリ美術館, ヨーテボリ海洋博物館, ヨーテボリ海洋センター
オペラ・ハウスなど

9月17日 ヨーテボリ→オスロ (InterCity:12:45→16:45)
ノルウェー海洋博物館, ノーベル平和センター, 国立美術館, ムンク美術館など
ホテル:スカンディック・バイポルテン

9月18日 オスロ
コンサート
ホテル:スカンディック・バイポルテン

9月19日 オスロ→ベルゲン (ベルゲン急行:8:11→14:52)
グリーグ博物館
ホテル:ベルゲン・トラベル

9月20日 ベルゲン発 成田着 (21日)

 旅のお供にする本は、「街を歩く神経心理学 (高橋伸佳著、医学書院)」「トーク 認知症 (小坂憲司、田邉敬貴著、医学書院)」「医学の小景 (小川鼎三、勝木保次、本川弘一著、学生社版)」「終盤の寄せ 200題 (森雞二著、日東書院)」と数本の論文です。移動時間が長いので、たくさん読めると思いますが、酒に溺れているかも・・・。

それでは、みなさんお元気で。

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死者の護民官2

By , 2010年9月14日 1:33 AM

さて、いよいよホジキン病の本題に入っていきます。1832年に「内科外科学会誌」がホジキンの論文「吸収腺および脾臓の病理所見について」を出版しました。ホジキン自らが経験した 6例と、パリのルゴールが診療した 1例を加えた計 7例の病理所見を纏めたものです。この疾患は、全身のリンパ節が腫脹する、結核とは別の病態でした。

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未完成交響曲~シューベルトの恋~

By , 2010年9月13日 10:07 AM

「未完成交響曲~シューベルトの恋~」という映画が、2010年 9月 11日(土)~ 9月 24日(金)まで恵比寿で上映されているようです。

シューベルトは貴族の娘など、手の届かない女性に叶わぬ恋をしつつ売春婦で性欲の処理をするようなところがあり、最後は梅毒で死んだと云われています。この映画は彼のどのような部分を描いているのでしょうね?是非見に行かないと。

未完成交響曲~シューベルトの恋~

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死者の護民官1

By , 2010年9月13日 6:30 AM

「死者の護民官 (マイケル・ローズ著、難波紘二訳、西村書店)」を読み終えました。ホジキン病に名を残したトーマス・ホジキンの話です。原著のタイトルは「CURATOR OF THE DEAD」です。長いので、2回に分けます。

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神経症候学の夢を追いつづけて

By , 2010年9月12日 6:37 PM

「神経症候学の夢を追いつづけて (田代邦雄著、悠飛社)」を読み終えました。田代先生と直接会った事はないですが、元北海道大学神経内科教授で、症候学を専門にしておられたようです。

「神経学とは?」とは「神経症候学とは?」といった内容で簡単な説明があった後、著者が興味を持って追いつづけた来たテーマがいくつか紹介されます。

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神経科学セミナー・先端研究セミナー参加報告

By , 2010年9月11日 8:10 AM

9月 10日に神経科学セミナー・先端研究セミナー「将棋における脳内活動の探索研究と、コンピュータ将棋の現状について」に参加してきました。

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神経科学セミナー・先端研究セミナー

By , 2010年9月9日 6:26 AM

神経科学セミナー・先端研究セミナー「将棋における脳内活動の探索研究と、コンピュータ将棋の現状について」が 9月 10日、東京都神経研で行われます。参加自由です。特別な手続きは必要ありません。

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