48

By , 2012年1月21日 11:48 AM

誰かがやるとは思っていたけれど・・・。

 群馬大:「酸化ストレス」可視化に成功

群馬大の岩脇隆夫講師(分子細胞生物学)らの研究チームが、体内の活性酸素が細胞などに損傷を与えて起きる障害「酸化ストレス」を光で確認できるマウス実験に成功した。老化やがん、生活習慣病の一因とされる障害で、岩脇講師は「長期的な実験が可能になり、予防・治療薬開発に役立てられる」と話している。生きたマウスでの可視化は世界初で、19日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)で発表された。

群馬大によると、ホタルの発光遺伝子を使って、酸化ストレスの患部が光る人工遺伝子を作り、マウスに組み込んだ。そのマウスと通常のマウスの両方に酸化ストレスを引き起こす薬を投与、前者のみ体内が発光することを確認できたという。48パターンの実験を行ったことから、人気アイドルグループ「AKB48」にちなみ、人工遺伝子を「OKD48」と命名した。【鳥井真平】

そのうち Anti-protein kinase binding protein antibodyとかを 48kDaくらいで発見して、”AKB48″とか名づける研究者は出るだろうと思っていたけど、こんな力業とは思いませんでした orz

ちなみに、論文はこちらです。

A transgenic mouse model for monitoring oxidative stress

>To facilitate in vivo analysis, we developed an indicator for oxidative stress in living cells, named OKD48 (Keap1-dependent Oxidative stress Detector, No-48). Here, we describe the specificity and sensitivity of OKD48 as an oxidative stress indicator, and the usefulness of OKD48 transgenic mice.

Keap1-dependent Oxidative stress Detector, No-48が正式名称らしいですね。

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ALSのサルモデル

By , 2012年1月18日 3:36 PM

東京医科歯科大学が快挙です。病理学的に孤発性 ALSに近い初めての動物モデルです。このサルは、これからの研究を牽引することになりそうです。

「筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因究明につながるサルモデルの作製」

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インフルエンザ

By , 2012年1月16日 9:36 AM

1月 14日に当直でインフルエンザAの少年に接し、1月 15日に発熱、咽頭痛、筋痛が出現しました。どうやらインフルエンザを発症してしまったようです。

ということで数日お仕事をお休みして、ゴロゴロさせて頂きます。

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文字の脳科学――過去・現在・未来

By , 2012年1月15日 11:25 AM

素晴らしい内容ですね。岩田先生の言葉には、いつも感銘を受けます。

文字の脳科学――過去・現在・未来

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プロテアソーム阻害薬

By , 2012年1月14日 10:57 AM

私が研修医の頃、多発性骨髄腫に対する有効な治療はほとんどありませんでした。ところが、プロテアソーム阻害薬 bortezomib (商品名:ベルケード) が出現し、予後は大きく改善しました。とはいえ、プロテアソーム阻害薬には、末梢神経障害、血球減少、消化器症状といったいくつもの副作用があります。また、長期の使用により腫瘍が薬剤に対して耐性を獲得するようになります。そこで、次世代のプロテアソーム阻害薬に期待が集まっています。

次世代プロテアソームについて、Nature medicine 2012年 1月 6日号に特集していたので、簡単に紹介します。

 Next-generation proteasome blockers promise safer cancer therapy.

・carfilzomib
プロテアソームの作用に対する選択性が高く、オフターゲット効果も少ないようだ。第二相試験、第三相試験の結果では、bortezomibに比べて、より有効で副作用が少ないようだ。しかし、bortezomibとは違ってプロテアソームに不可逆的に結合するため、より毒性が強い可能性があり、長期間での安全性はまだ保証されていない。一方、肺癌や腎癌、卵巣癌といった他の癌への適応拡大が期待されている。

・MLN-9708 / ONX-0912
プロテアソーム阻害薬は点滴投与が必要なので、より治療しやすい経口薬の開発が進んでいる。

・その他
第3世代と呼ばれるプロテアソーム阻害戦略が研究中されている。2011年に Nature Medicineに報告された薬物 b-AP15は、20Sプロテアソームの活性中心ではなく、19Sプロテアソームを阻害する (※通常プロテアソームと呼ばれる蛋白質は、26Sプロテアソームを指し、19S, 20Sプロテアソームから構成されている。くわしくは Wikipedia「プロテアソーム」参照)。細胞実験レベルでは、これまでの薬剤より癌殺傷効果が高いとされている。

(補足)
b-AP15は、ユビキチンC末端加水分解酵素及びユビキチン特異的ペプチダーゼ14を阻害する。急性骨髄性白血病動物モデルでは、臓器浸潤を抑制した。

ユビキチン・プロテアソーム系は神経変性疾患に大きく関係しているとされているので、こうした薬剤が長期的にどういう副作用を起こすか、関心のあるところです。

また、既知の副作用として末梢神経障害を起こすので、神経内科医にとって、知識のアップデートは欠かせないところだと思います。

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不可能

By , 2012年1月12日 8:11 PM

ほぼ不可能と言われてしまいますた (ToT) (35歳独身男性)

 35歳過ぎると結婚はほぼ不可能 できたのは「男性で3% 女性で2%」

2011/12/30 17:00

「35歳過ぎて結婚できた男性はわずか3%」。2010年の国勢調査でこんな衝撃的な結果が出た。ネット上では「身を持って感じている俺…」「昔ほど結婚生活にメリットがなくなっているんだから当然」など、さまざまな意見が飛び交っているが、なぜこうも「結婚できない(しない)大人」が増えてしまったのか。

「みんな自分の相場が分かっていない」

2010年の国勢調査によると、2005年に35~39歳だった男性の未婚率は30.9%、5年後、40~44歳になったときの未婚率は27.9%で、未婚男性の9.7%しか結婚に至らなかった。5年間で「3%」でしかないということになる。

女性も同様で、05年に35~39歳だった人の5年後の結婚率は、未婚女性の10.8%、2%しかゴールインできなかった計算だ。40歳を超えると、状況はますます悪化する。男性は全体の0.4%、女性は0.5%で、45歳以上では、男女とも全体の0.1%しか配偶者を見つけられなかった。晩婚化というより、35歳を過ぎてからの結婚は、男女ともに不可能に近いことが分かる。

結婚コンサルタントの大橋清朗氏は、結婚氷河期に至った理由について「昔に比べて独りでいることに世間も寛容になったなど、時代の影響も大きい」としたうえで、最近の35歳以上の未婚男女には大きな特徴があると話す。

「35歳を過ぎて結婚していない方の多くは、20代に恋愛よりも趣味や仕事に没頭した方です。いままで交際した経験が少ない分、自分が見えていない方が非常に多い。男性なら、若くてかわいい女性を、女性なら、年収が高くてイケメンなど、自分よりスペックの高い方を求める傾向にあります。結局は『自分の相場が分かっていない』のです」

彼らの多くは自分を過大評価する傾向にあり、なかなか「妥協」をしない。うまく交際に発展するときは、お互い釣り合いが取れている場合が多いが、「この人と結婚するくらいなら1人でいい」と、せっかくのチャンスを放棄するそうだ。

すべては、趣味など個での楽しみに時間を費やした経験不足が招く「勘違い」だが、自分の価値に気付き焦って婚活をスタートしても、男性の場合、こんどは「年収」がネックになる。

男性で「収入が平均以下」はかなり厳しい

結婚相手を見つける場合、お見合いや婚活パーティーが近道だが、そもそも「知らない人の中から相手を選ぶ」システムなので、どうしてもスペック(年収など)が重要視されてしまう。「35歳以上&平均年収以下」となると、条件的にかなり厳しい。
反対に、ハートや人間性で勝負しようとした場合は、それこそコミュニケーション力がモノを言うので、経験が少ないと、どうアプローチしていいか分からず結局最初でつまずいてしまうのだ。
「いつか結婚できるんじゃないかというのはもはや幻想です。データを見ても分かるように、35歳を過ぎて結婚するのは超難関大学に入るより狭き門だと早く気付くべき。夢のない言い方ですが『就活』と一緒なんです」

大橋氏のご託宣はにべもない。

ネットでは「そもそも結婚なんてしたくない」という意見もたくさん出ているが、2010年の「結婚と出産に関する全国調査」によれば「いずれ結婚するつもり」と答えた人は、男女とも86%を越えている。「したい」と思っている人は多いのだから、35歳を越えたら、一刻も早く動き出すことが結婚への近道のようだ。


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仁科誉

By , 2012年1月11日 7:25 AM

理化学研究所が、加速器「リングサイクロトロン」で加速した重イオンビームによる変異誘発技術を用いて、吟醸酒用の新しい酵母の開発に成功したそうです。

理研ブランドの清酒「仁科誉」

重イオンビーム照射を利用した吟醸酒用の新しい酵母の開発 ―香り高い華やかな清酒を製造―

カガクシャたるもの、是非この日本酒は飲んでおかねばなりません (←単に飲む口実が欲しいだけ)。

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一酸化炭素中毒

By , 2012年1月10日 7:53 AM

救急当直をやっていると、一酸化中毒の方を診療することが時々あります。

印象に残っているのは、ワカサギ釣りで密閉された空間でランタンを使っていて発症した方です。不倫の二人が搬送されてきて、奥様には状況を隠して説明して・・・などと色々ややこしかった記憶があります。

最近、こんなニュースがありました。

宿泊客3人が頭痛や吐き気 鶴の湯温泉

7日午後11時ごろ、仙北市田沢湖田沢の乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」(佐藤和志社長)で、宿泊客の女性3人が頭痛や吐き気を訴え、市内の病院に搬送された。仙北署によると3人とも命に別条はなく、回復に向かっているという。

同署によると、3人は同7時ごろ、炭火がたかれたいろりのある客室で夕食を取っていた時から体調不良を感じていたという。同11時ごろに連絡を受けた同温泉が119番した。仙北署は一酸化炭素中毒の疑いもあるとみて原因を調べている。

3人は都内の40歳と30歳、神奈川県の25歳。同日午後5時半に同温泉にチェックインした。

(2012/01/08 12:00 更新)

一酸化炭素中毒のリスクが高い環境では、警報装置の設置を考慮すべきです。ネットでは様々な危機が販売されていますが、特に飲食店へは 東京ガスが無料警報装置を提供しているそうです。

(参考)
「まさか」と思う状況で発生する一酸化炭素中毒の怖さ こまめな換気と的確な情報伝達が二次災害も予防する

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英語論文の定番フレーズ集

By , 2012年1月9日 8:54 AM

科学英語には特定の言い回しがあります。それらは多くの論文を読みながら自然と身につけていくしかないのですが、まとめてあるサイトを見つけたので紹介します。

Academic Phrasebank

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思想から語る

By , 2012年1月8日 8:49 AM

ある高名な神経内科医の文章を過去に紹介しました。

論文捏造疑惑

同じ先生が、ある難病に対しての率直な思いを書いています。色々考えさせられる文章ですので、是非読んでみて下さい。

思想から語る「慢性疲労症候群」
※本論とは関係ありませんが、慢性疲労症候群における XMRVの Science論文は撤回されていることを付記しておきます (下記参照)。

Again: No XMRV-Chronic Fatigue Link

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