発疹性の薬疹

By , 2015年2月15日 6:29 PM

神経内科医は、抗てんかん薬を良く使います。処方する時、頭の片隅をよぎるのは皮疹のことです。つい最近も、ゾニサミドで SJS-TEN (Stevens-Johnson Syndrome and Toxic Epidermal Necrolysis) を発症した方を経験しました。

薬疹については勉強しておかないとと思っていたら、総合診療の研究会で、急性全身性発疹性膿疱症 (acute generalized exanthematous pustulosis; AGEP) について学ぶ機会がありました。その時に引用されていた New England Journal of Medicineの論文が素晴らしいと思ったので、読んでみました。

Exanthematous Drug Eruptions

・発疹性の薬疹 (Exanthematous Drug Eruptions) は、麻疹様 (morbilliform) や丘疹性 (maculopapular) 皮疹とも呼ばれ、多くの薬剤で初回使用の 1~5%の患者に起こる。ペニシリン、セファロスポリン、スルフォンアミドといった抗菌薬や、アロプリノールでは 1000人の新規投与で 50名、カルバマゼピン、フェニトイン、ラモトリギンといった芳香族アミンの抗てんかん薬では 1000人の新規投与で 100人発症する。

・皮疹は、典型的には原因薬剤を投与した 4~21日に出現し、急速に拡大し、時に癒合する、左右対称性で、ピンク~紅色斑/丘疹である。

・HIV感染や骨髄抑制ではリスクが増す。また、ある種の感染症がリスクとなる場合があり、伝染性単核球症でアミノペニシリンを用いると、高率に皮疹が出現する。また、HLA alleleも関与しており、例えばカルバマゼピンでは HLA-A3101は丘疹性発疹のリスクを高めると言われている。

・似たような皮疹が出現する疾患に、麻疹、風疹、突発性発疹、感染性紅斑、伝染性単核球症、急性 GVHD, 急性 HIV, その他のウイルス性発疹がある (Table 1に鑑別のポイントあり)。

・原因薬剤を中止することが最も大事である。対症的に痒み止めを用いたり、強力なステロイド薬の塗布も有効かもしれない。SJS-TENでは、ステロイドやシクロスポリンの全身投与で死亡率が低下したという研究がある。

・臨床医が注意するべき重篤な皮膚反応には、粘膜浸潤、38.5℃以上の発熱、水疱形成、顔面の浮腫と紅斑、リンパ節腫脹が含まれる。

・SJS-TEN, AGEP, DRESS (drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms) は T細胞が介在する type IVの遅発性過敏反応である。

DRESS, SJS-TEN, AGEPを鑑別する表を最後に紹介しておきます。初回薬剤暴露から皮疹が出現するまでの間隔の目安として、DRESSは 14日以上、SJS-TENは 4~21日、AGEPは 3日以内なんですね。その他の鑑別点についても、勉強になりました。

 

Features of selected severe cutaneous adverse reactions to drugs

Features of selected severe cutaneous adverse reactions to drugs


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