北欧旅行(2012年9月14日〜9月21日)

ヨーテボリ第1日目

 早朝に起床し、身支度をすませた。時差ボケのお陰で起床が楽だ。とはいえ、ロビーでネットにつないで遊んでいたら、朝食を取りそびれた。

 午前 8時 10分のスカンジナビア特急 X2000で、ヨーテボリへ。車内では前日に買ったポテトチップとビールを堪能。風景も楽しむ。オニオンの香りが非常にきつかった。車窓からの風景では、多くの湖が印象的だった。北欧の木材文化は有名だが、これら水路の発達は木材の運搬にかなりのメリットだったのではないかと、酔っ払った頭で考えた。

 電車は 11時 17分にヨーテボリの駅に到着。ホテル「Grand Opera」には、12時くらいにチェックインすることが出来た。ヨーテボリ散策に先立って、ヨーテボリパスを購入。

医学史博物館

 荷物をホテルに残し、身軽になって医学史博物館へ。非常に充実していた。ここまで充実した医学史博物館を見学するのは、ブダペストの「ゼンメルワイス記念館」以来だ。昔の診察器具、手術器具、分娩器具が展示されている一方で、時代を感じさせるペニシリンのアンプルまで展示されている。ある一角では、昔の手術室を再現していた。また、Siemensの古いレントゲンの機械もあった。興味深いものだらけで、写真を色々撮った (医学史博物館写真 Power Point file (13.4 MB))。展示品を収録した写真集があれば、記念に買いたいと思ったが、残念ながら、なかった。

ヨーテボリ見晴らし塔

 医学史博物館を出てから、ヨーテボリ見晴らし塔に向かった。ここは下層階がホールのようになっていて、いくつかの店舗がある。どこから塔に登るのかが非常にわかりにくく、歩きまわって何とか見つけた。

 塔の上からの眺めは素晴らしく、街全体が一望できた。街がヨータ・エルヴ川に寄り添うように存在することがよくわかった。

 塔を降りてからは、エルヴ川沿いに歩いた。まず、塔を降りてすぐのところに大きな船が停泊していて、"Hotel LISEBERG, BARKEN VIKING"とか "RESTAURANGENS OPPETTIDER" と書いてあった。ホテルやレストランになっているようだ。そこから少し歩くと、オペラハウスがあったが、特にイベントはやっていなくて、中には入らなかった。

 空はどんよりと曇り、風は冷たくて、エルヴ川の波は高かった。河口近くというだけあって、まるで海のようだ。ここに落ちたら、あっという間に死ぬだろうなと考えた。

 川沿いにかなり歩いたところで、海洋博物館に着いた。ホテルで入手した地図では、塔から 2 kmくらいのようだったけれど、実際にはもっと歩いた気がした。わざわざこんなに歩いて海洋博物館に行こうと思ったのには理由がある。私は小川鼎三先生のファンで、彼が書いた「鯨の話」という本を読んで、すっかり鯨に魅せられてしまった。彼の著書では、北欧の鯨文化について触れられていて、また現地の博物館などで大量の鯨の資料に触れたと書いてある。そこで、北欧の海洋博物館を訪れれば、小川先生が見たような鯨に関する展示品を見れるのではないかと思った訳だ。ところが、ヨーテボリの海洋博物館は期待はずれで、一階が小さな水族館、二階が船の展示で、鯨に関する展示はなかった。でも、建物の前で、地図を見ているだけで 2人くらい「Can I help you?」と話しかけてくれた。みんな親切だ。

 帰りはトラム (路面電車) を使って市の中心部まで戻った。そしてグスタフ・アドルフ広場から緩やかな坂道を上る。

ヨータ広場

 小さな川を渡って右側に、旧オペラ劇場がある。さらにクングスポルトアヴェニーン通りを上る。すると突き当りのヨータ広場に、目的とするコンサートハウスヨーテボリ美術館があった。

 コンサートハウスに入ってコンサートのスケジュールをチェックしていると、たまたま当日券を売っていた。迷わず購入した。

 美術館では、ピカソ、ゴッホ、シャガール、モネ、ルーベンスといった画家の絵が展示されていた。スウェーデン第二の規模を誇る美術館らしい。堪能したが、閉館時間ギリギリになるとショップが閉まっていて、展示された絵が掲載された写真集が買えなかった。

コンサート

 コンサートまで時間があったので、クングスポルトアヴェニーン通り沿いにあるレストランで夕食を摂った。まず、前菜にシュールストレミングを食べた。日本でもお馴染みの発酵食品であり、強烈に臭いことで有名だ。レストランでは、蓋のついた瓶で出てきた。やはり臭いから瓶詰めにされているんだろうなぁ・・・と思って、アンモニアの匂いを嗅ぐ時のように、手でパタパタと扇いで嗅いでみたが、その必要はなかった。ほとんど匂いがなかったのだ。日本で騒いでいるのは、日本に持ってくる間に発行して臭くなってしまったか、もしくは私が食べたのと種類が違うか、どちらかだろう。パンに塗って、ビール (カールスバーグ) で流し込んだ。

 続いて、Grilled Wolf-fishを食べた。白身魚で柔らかく、鱈のような味だ。"Wolf fish" を直訳すると「オオカミ魚」になるけれど、あとでネットで調べると、とんでもなくグロテスクな魚だった。食べる前に写真を見ていたら、きっと箸を付けずにいただろう。

 コンサートハウスに入ると、グリーグニールセンといった北欧を代表する作家の銅像が飾ってあった。コンサートは前半が「交響曲第 4番 (SCHUMIDT)」、後半が「ピアノ協奏曲第 2番 (BRAHMS)」のプログラム。ヨーテボリ交響楽団で、指揮者 ILAN VOLKOV, ピアノソロ GARRICK OHLSSONによる演奏だった。演奏は悪くなかったけれど、時差ボケの影響もあって、眠気を我慢するのに大変だった。アンコール、ショパンのノクターンが最高に素晴らしかった。終わった後はスタンディングオベーションだった。

 コンサートが終わって、歩いてホテルに戻った。帰り道では、セブンイレブンがいくつもあった。ストックホルムもそうだったが、どうやらスウェーデンにはセブンイレブンが多いようだ。

 コンサートの余韻に浸りながら、ホテルのバーで "A-1", "two mental" というカクテルを飲んだ。


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