結核

By , 2006年9月30日 8:39 PM

最近結核がブームです。私のグループの患者は、数名が結核と判明しました。神経内科に入院するくらいですから、主訴はそれぞれ外眼筋麻痺や発熱のみであり、呼吸器症状が全くなかったため、当初は結核とは思ってもいませんでした。

結核の診断は意外と難しいのです。典型的な肺病変があれば簡単なのですが、肺病変がはっきりしないことが多々あります。結核菌が全身に散らばった粟粒結核と呼ばれる病態は極めて重篤ですが、肺病変がはっきりしないと診断確定が甚だ困難です。

結核と診断するためには結核菌を証明しなければいけません。喀痰、胃液、尿、便、髄液などを採取し、顕微鏡で見て、菌が証明できれば簡単ですが、多くの場合できません。菌の培養の方が感度は高いのですが、結果が出るのに1ヶ月くらいかかります。PCR法は、論文で読むより感度が低い印象です。

そんな中、画期的な検査法が開発されました。それはQuantiFERONという検査で、結核菌特異蛋白に対するインターフェロンγの一種を見ています。感度、特異度ともにかなり高いものがあります。迅速な診断が可能です。昨年キットが開発され、今年から保険適応になり、私の患者たちもこの恩恵を受けることができました。まだ知っている医師が少ない検査なので、啓蒙活動をしなければいけないと思っています。

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