診療ガイドラインのための GRADEシステム

By , 2015年1月14日 6:43 AM

診療ガイドラインのための GRADEシステム -治療介入-  (相原守夫, 三原華子, 村山隆之, 相原智之, 福田眞作著, GRADEワーキンググループ, 凸版メディア株式会社)」を読み終えました。

近年、ガイドラインの作成において、GRADEシステムという言葉を聞く機会が増えました。GRADEシステムによるガイドライン作成の全体的な流れを大雑把に記せば、

クリニカル・クエスチョンの作成 (例:みぐのすけは引っ越すべきか?)→アウトカムの種類と重要性を評価 (①引越し後、一時的に部屋が整理された状態になる(重要度 9点), ②引越し費用がかかる (重要度 6点), ③気分転換になる (重要度 5点))→エビデンス・データの検索とデータの抽出・統合→エビデンスの質の評価→価値や好みの考慮・コスト等を検討 (金が無いので推奨度を 1段階下げる)→推奨度を作成する

といった感じになります。このようにして GRADEシステムで作成されたガイドラインが優れているのは、作成プロセスが明示的であるところだと思います。ガイドラインを見ながら、「何故このデータでこの結論になるのかわからん。」と感じることもあるのですが、GRADEシステムが利用されていれば、どういう根拠で推奨度が決定したか明確なので、こういう心配は減ります。今後は、GRADEシステムで作られたガイドラインが主流となるのでしょうね。

(参考)

GRADEシステムと診療ガイドライン

GRADE*を利用した国内の診療ガイドライン

 

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