A 40-Year-Old Woman with Difficulty Going Down Stairs in High-Heeled Shoes

By , 2015年2月4日 5:32 AM

Annals of Neurologyの -NEUROLOGY GRAND ROUNDS- に掲載されていた論文ですが、病歴から疾患を推測していくプロセスがロジカルで面白かったです。SCA3と飲酒の話は初耳でした。

A 40-Year-Old Woman with Difficulty Going Down Stairs in High-Heeled Shoes

症例はハイヒールで階段を降りるのが難しくなってきた 40歳台の女性です。Arnulf Koeppen医師は次のように推論を進めていきます。

・家族歴から、常染色体優性遺伝であることがわかる。

・失調のある父親から生まれて小児期に発症した者がいる。表現促進現象があることから、CAG  3塩基リピート病が疑わしい。そして、常染色体優性遺伝の失調症だと、脊髄小脳失調症 (SCA) ということになる。→調べる遺伝子を絞るために、もう少し診断を絞る必要がある。

・複視は SCA3で良く見られる。しかし、この症例ではかなり進行してから出現しているので、SCA3ではなさそう (余談だが、SCA3は少量の飲酒で症状が悪化するので、SCA3の大家系で 1杯ビールやワインを飲んだ後の歩行能力をチェックして、自分たちで診断した人たちがいたらしい)。

・OPCAの表現型を取るのは、SCA1, SCA2, SCA7, MSAである。

・Friedreich ataxiaで視力障害を来すことがあるが、劣性遺伝なので否定的。その他、視力障害を来す SCA7が本症例に合致する。

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