Tauroursodeoxycholic acid

By , 2015年4月2日 6:14 AM

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の新規治療薬 Tauroursodeoxycholic acid (タウロウルソデオキシコール酸, TUDCA) のパイロット研究の結果が、European Journal of Neurology誌に掲載されました (2015年2月9日 published online)。ウルソデオキシコール酸 (商品名 ウルソ) は胆汁うっ滞、肝機能障害の治療で良く用いますが、タウロ・ウルソデオキシコール酸の名前は初めて聞きました。肝臓で産生される親水性の胆汁酸で、脂肪肝の治療に用いられる薬剤なのだそうです。細胞保護や抗アポトーシス作用があるそうです。

Tauroursodeoxycholic acid in the treatment of patients with amyotrophic lateral sclerosis.

リルゾールを内服中の 34名の ALS患者に、TCDUAないしは プラセボを上乗せした。3ヶ月後に評価し、一次アウトカムは ALSFRS-Rスコアのスロープの 15%以上改善、二次アウトカムは群間比較 (ALSFRS-Rスコア、ALSFRS-Rスコアの線形回帰スロープ、有害事象) とした。両群間の有害事象に差はなく、効果があったのは、TUDCA 87%, プラセボ 43% (P=0.021) だった。ベースラインを調整した試験終了時の ALSFRS-Rは、TUDCA群で有意に高かった (p=0.007)。線形回帰スロープでは、TUDCA群の方が有意に進行が遅かった (P<0.01)。

この結果だけ見るとかなり期待が持てそうですが、まだパイロット研究の段階に過ぎないので、この知見を基に今後の臨床研究につなげていく必要があります。ちなみに、このパイロット研究は、Nature Reviewsでも紹介されているようです。

TUDCA shows early promise for the treatment of amyotrophic lateral sclerosis

ALSの新規治療薬の話題でもう一つ。チロシンキナーゼ阻害薬 Masitinib (マシチニブ) の第三相試験が現在行なわれており、FDAから希少疾患薬の指定 (Orphan Drug Designation) を受けたそうです。

AB Science: Masitinib Receives Orphan Drug Designation for Amyotrophic Lateral Sclerosis from FDA

良い結果が出て欲しいですね。Masitinibは、ネットで検索すると犬や猫の肥満細胞腫でも用いられている薬剤のようで、薬というのは一見関係なさそうに見える疾患で効果が期待されたりするのが面白いところです。関係なさそうな疾患で効果があった事例としては、パーキンソン病に対する抗てんかん薬ゾニサミド、びまん性汎細気管支炎に対するマクロライド系抗菌薬など、枚挙に暇がありません。


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