Breast cancer drug may help men with prostate cancer

By , 2015年4月30日 6:57 PM

ある癌に対する分子標的治療薬が、別の癌に対して効果を示すというのはたまにあることで、EGFR, VEGF, HER2などがそうですね

発熱のため、仕事を休んでゴロゴロしながら Science Newsを見ていたら、興味深い記事がありました。

Breast cancer drug may help men with prostate cancer

Poly (adenosine diphosphate [ADP]-ribose) polymerase (PARP) は、DNAへの damageを修復する酵素です。乳癌・卵巣癌で BRCA1 or BRCA2に変異がある患者では、PARP阻害薬での治療が試みられることがあります。

DNA修復酵素に変異を多く持つ前立腺癌で更に PARPを阻害すれば、DNA修復が出来なくなるのでダメージが与えられるんじゃないか・・・と考えた学者たちがいました。実際に患者に使ってみると、DNA修復酵素に多く変異がある前立腺癌患者では、大部分が 6ヶ月以上治療に反応しましたが、そうした変異がない場合だと 3ヶ月以内に悪化しました。

癌細胞への分子標的治療薬は、リン酸化酵素をターゲットにしたものが多いですが、DNA修復酵素に着目した治療戦略というのも出てきているのだなぁと思いました。まだ治療効果は限定的かもしれませんが、色々と治療選択肢が増えると良いですね。

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