メトホルミンとビタミンB12欠乏

By , 2016年2月17日 6:42 AM

2型糖尿病の第一選択薬は、禁忌がない限りメトホルミンです。そのメトホルミンがビタミン B12欠乏を起こしうることは、あまり知られていません。しかし、2015年にはメタ・アナリシスが発表されており、”Primary outcome suggested increased incidence of VB12 deficiency in metformin group (OR = 2.45, 95% CI 1.74-3.44, P < 0.0001.)” という結果でした。糖尿病患者の末梢神経障害は糖尿病が原因とされやすいけれど、特にメトホルミン内服患者ではビタミンB12欠乏による末梢神経障害の可能性は必ず検討されるべきでしょう (仮にメトホルミンを内服していなくても、length dependecyのある末梢神経障害をみたらビタミンB12の測定は行われているとは思いますが・・・)。

The role of metformin on vitamin B12 deficiency: a meta-analysis review.

また、ビタミンB12欠乏をテーマとした 2014年9月の British Medical Journal (BMJ) の総説には、「長期間メトホルミンやプロトンポンプ阻害薬を内服している患者は、ビタミンB12の内服を考慮するか、ビタミンB12欠乏のスクリーニングをしっかりしましょう。(“For patients taking long term metformin and proton pump inhibitors the use of oral cyanocobalamin could be considered, or increased screening and vigilance of vitamin B12 deficiency”)」と結構強い表現で書かれています。要注意ですね。

Vitamin B12 deficiency.

なお、上記の BMJの総説は結構よくまとまっており、ビタミンB12欠乏について学ぶにはオススメです。

Post to Twitter


Leave a Reply

Panorama Theme by Themocracy