医学英語

By , 2010年11月29日 6:53 AM

科学論文を書く際、表現方法は非常に大事です。例えば、「certainly」、「likely」、「perhaps」などの言葉はそれだけで確かさをある程度規定し、使い方を間違えると、内容が変わってしまうこともあります。

他にも細々とした決まりがあるので、英語圏の大学教授も、科学英語の勉強会に参加することが珍しくないと、どこかで読んだ記憶があります。

細かいことはちょっとずつ勉強していくしかないのですが、解説がわかりやすく、楽しく勉強できるサイトを見つけましたので紹介しておきます。

NEJMを越えてゆけ!


いっしょに考えてみようや

By , 2010年11月29日 6:30 AM

「いっしょに考えてみようや (小林誠/益川敏英、朝日新聞出版)」を読み終えました。

小林誠先生と益川敏英先生については解説の必要はないでしょう。ノーベル賞物理賞を受賞された学者さんですね。本書には彼らの講演が収録されています。

小林誠氏は医者だった父が病死し、母の実家で育ちました。海部俊樹元首相とは従兄弟にあたるという血縁関係をだったそうです。また、益川敏英氏が中学校の卒業文集に「星の進化」という読書感想文を書いた話など、彼らの生い立ちでの知られざるエピソードが色々書かれていました。

さらに、CP対称性を破るために何故クォークが何故6個でなければならなかったのかという話について、当時の背景、その考えに至った過程などがわかりやすく述べられています。小林氏も益川氏も理論家ですが、実験家としての立場を高エネ研の高崎史彦氏が講演しており、こちらもわかりやすい話でした。難しい数式は登場せず、基本的な知識から解説していますので、一般の方でも読みやすいのではないかと思います。

興味深いことに、ひらめきについて寺田寅彦と同じ事を小林誠氏が述べていたので最後に引用しておきます。

 考える過程がおもしろい (小林誠)

何かわからないことがあった場合、あるいはそれが謎とかパラドックスであった場合、それを解きたいと思うことから考えることは始まります。ひとたびそういう問題に遭遇したら、つねにその問題を意識して、さまざまな方法やアプローチを頭の中で試している。現実の中の制約と整合して合わないものを一つずつつぶしていくと袋小路になることのほうが多いのですが、それでもあるとき突然ひらめくことがある。ある道筋がさっと見える、見通しが立つということがあるんです。それが「考える」ことだという感覚を私は持っています。ですから、「わからないときは諦める」そして、「またやりたくなるまで待つ」。つまり、何かほかのことをしていても、頭の中に問題の意識はずっとあるわけです。そういうふうにしていると、あるとき、「こういうアプローチで考えてみよう」とひらめく。それを繰り返しているうちに何か答えが見えてくるように思います。



ダン・タイ・ソン

By , 2010年11月28日 8:59 AM

11月27日、ダン・タイ・ソンのコンサートを聴きに行ってきました。

東京交響楽団 第583回 定期演奏会

2010 11/27(土) 6:00p.m.  サントリーホール

指揮:ユベール・スダーン
ピアノ:ダン・タイ・ソン

《ショパン生誕200年》
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 へ短調 作品21
ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 WAB.108 <ノヴァーク版 第2稿>

「団体さん」みたいな名前のピアニストですけれど、腕は一流。特にショパンの柔らかい旋律を、優しいタッチで奏でるところは、この世のものとは思えませんでした。テクニックも安定していて、3楽章の速いパッセージの華麗さといったらありませんでした。

2曲目のブルックナー交響曲第8番は初めて聴きましたけれど、当初期待していたより良い曲でした。演奏時間はとても長いのですけれどね (^^;

(Dang Thai Son)Chopin Piano Concerto No.2 Mvt III


Dabigatran承認

By , 2010年11月26日 6:48 AM

11月 17日のブログでお伝えした新しい抗凝固薬、Dabigatranがついに国内でも承認される見通しとなりました。なお、新薬の場合、発売後 1年間は 2週間処方のしばりがありますので、恩恵を受けるのはもう少し先になるかもしれません。

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ワルファリンの代替薬 納豆が食べられる時代が来るのか?

By , 2010年11月17日 7:16 AM

心房細動などの不整脈は、脳卒中の原因となり得ます。側副血行路が発達していない状況で、突然心臓から大きな血栓が飛んできますので、重篤な脳卒中となることが多いです。亡くなった小渕総理も心原性脳塞栓症だったのではないかと言われています。そのため、患者さんによっては予防的にワルファリンでの抗凝固療法が必要となりますが、心房細動がある場合、一般的には CHADS2 scoreに基づいて適応を決めます。

ところが、ワルファリンは毎日一定量飲んでいても、効き目が安定しません。そこで定期的に採血をして INRが目標値付近になるように、投与量を調整します。更に、薬物相互作用が強い、納豆が食べられなくなど、不自由な点がいくつかあります。

こうしたことから、代替薬が求められ、いくつか開発されてきました。最初にアストラゼネカが開発した Ximelagatranが良い線まで行ったのですが、肝障害で開発中止。続いて、数年前のブログで書きましたが Dabigatranに注目が集まりました。最近、Rivaroxabanという薬も登場してきて、ニュースとなっています。

The drug war to replace warfarin

どうやら、Rivaroxabanもワーファリンと同等以上の効果がありそうだとわかりました。Dabigatranは 2回/日なのに対して、Rivaroxabanは 1回/日で良いそうです。ただし、出血した際に半減期が短い方が有利なこともあるので、1日 1回が良いか 2回が良いかは微妙です。

記事を読むと、ワルファリンと比較する限り、Dabigatranの方が、Rivaroxabanより若干効果ありそうですが、両者を直接比較したスタディがないので、head to headでガチンコ対決させないと、どっちの方が効くかはわからないようです。Dabigatranはベーリンガーから、Rivaroxabanバイエルとジョンソン&ジョンソンから販売になりそうです。

あと数年かかるでしょうが、販売となる日を首を長くして待ちたいと思います。

外来やっていて、ワルファリン飲んでいる患者さんに毎月の採血で苦情言われることはないのですが、「納豆食べたい」って懇願されること、意外と多いのですよね。

(参考)
内科開業医のお勉強日記-第Xa因子阻害剤 rivaroxaban 治験: ATLAS ACS-TIMI 46 Trial-
NM online-抗トロンビン薬に続き抗Xa薬も続々と-


科学者と芸術家

By , 2010年11月13日 11:13 AM

以前読んだ「物理学者の心」が面白かったので、寺田寅彦の他の随筆も読んでみました。

科学者と芸術家

短い随筆なので上記リンクを実際に読んで頂くのが早いのですが、科学と芸術の相違点に触れつつ共通する根幹部分を述べています。特に感銘を受けたのが下記の部分でした。

 長い間考えていてどうしても解釈のつかなかった問題が、偶然の機会にほとんど電光のように一時にくまなくその究極を示顕する。その光で一度目標を認めた後には、ただそれがだれにでも認め得られるような論理的あるいは実験的の径路を開墾するまでである。もっとも中には直感的に認めた結果が誤謬である場合もしばしばあるが、とにかくこれらの場合における科学者の心の作用は芸術家が神来の感興を得た時のと共通な点が少なくないであろう。



蘭学事始ツアー

By , 2010年11月10日 7:13 AM

週間医学界新聞に、江戸蘭学ゆかりの地を巡る「女子医大・蘭学事始ツアー」の記事が載っていました。

女子医大・蘭学事始ツアー

本文中にある蘭学事始の裏話など、面白いですね。「蘭学事始の地」碑の横に「慶應義塾開塾の地」碑が並んでいることにビックリしました。

それにしても、この魅惑的なツアー・コース、デートで歩んだら振られるのだろうなぁ・・・。


メンデルスゾーンを偲んで

By , 2010年11月4日 7:26 PM

何を隠そう・・・いや隠してませんが、今日はメンデルスゾーンの命日です。

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医者が大学病院を離れるとき

By , 2010年11月4日 5:56 PM

11月1日から 2年間の国内留学という形で某研究所に行っています。遺伝子を組み換えて金正日のクローンを作ったり (嘘)、色々怪しいことをしている訳です (実際は訳に立つ研究で、Yahoo! newsに取り上げられたり、新聞に載ったりしています)。

勉強する環境として、研究所以外に大学院も考えたのですが、先輩方や同僚 (他大学を含む) をみていると、医者として病棟持たされほぼ無給でこき使われ、挙げ句の果てには指導もろくすっぽしてもらえていないのを見て、断念しました (元々博士号に興味なし)。それに、私のやりたい分野は、うちの大学ではやっていないことなのです。今御世話になっている研究所は理学部の人間ばかりで、医者の知らない世界を知ることが出来ますし、私の所属する医学部にいては身につけられないようなスキルが一杯学べそうです。

でも、困った問題がいくつかあります。それは給料がゼロであることです。研究所には勉強させて頂きに行っているので、もちろん無給です。大学から出張助教という扱いではありますが、非常勤扱いのため、大学からの給料もゼロです (勉強する程に貧乏になっていくのは何故?難病の患者さんの治療法とか開発したくて勉強しに行くのに!)

食べていくためにまず考えたのは、どこかの女性の紐になることだったのですが、紐にしてくれる女性が見つかりませんでした (引き続き募集中)。となると、勉強に支障がない程度でバイトをするしかありません。

毎週木曜日午前にバイトに行っている病院があり、給料は激安 (他の病院のほぼ半額!) なのですが、職員の雰囲気が良く、診療のレベルも高いので、そこに決めました。元々医局からバイトを出していたのですが、あまりに給料が安いので、誰も行きたがらなかった病院です。給料高い病院を断ってここにしたというのは、傍目には酔狂に見えるかも知れません。

木曜日の午後は、某クリニックで往診をすることになりました。ここも給料は他院の 75%くらいと安いのですが、院長が過去に某神経病院の医長までされていて、神経難病の患者さんを在宅で大勢みてらっしゃる非常に立派な方なので、御世話になることにしました。往診で寝たきりの神経難病の患者さんを診るというのは、非常に大切なことですが大学病院などでは経験できません。良い機会だと思いました。

第1,3土曜日は秋田に当直に行くことにしました。全科当直なので、外科とかも診ないといけないのであまり自信はないのですが、バックアップ体制も整っているようですし、何より過去に院長に御世話になっていて、院長が人手不足で困っているようなので少しでも力になれればと思いました。

その他、岡山県津山市から当直の御願いが来ているので、絶賛検討中なのですが、第2,4土曜日もどこか当直に行くとなると、無給の上に無休になってしまいますからね・・・orz

で、ここからが大切な話。職場を変わると、健康保険と国民年金が切れてしまうのです。この手続きが非常に大切なので、説明します。

・国民健康保険
練馬区役所に国民保険の手続きをしに行くと、私の場合上限である月額 52500円の支払いが必要であると説明されました (アメリカ並みじゃねーか!!!)。これを聞いて保険に加入するの止めようと思いました。「保険に加入せず、自由診療で治療を受けて、金がなくなったら死ぬときだ・・・医者が金払えなくて保険に入れずに死んだらニュースだろうな」などと考えていたら、奥の手があることを教えてもらいました。それは、前回入っていた大学の健康保険組合で「任意継続被保険者制度」を利用することです。最長 2年間まで利用することができます。
健康保険被保険者証に書いてある保険者電話番号に電話すると、手続きの仕方を教えてくれます。これだと私の場合月額 22420円で、何とか払うことができます。保険組合に電話した後、印鑑と口座番号がわかるものを持っていけば良いようです。ただし、社会保険資格喪失日から 20日以内に手続きしないといけません。こんな制度があることを、これまで誰も教えてくれなかったので、もたもたしていたら大変なことになるところでした (そもそも、保険が切れたことすら知らされてませんでした)。

・年金
私はこれまで厚生年金に入っていましたが、これから自分で加入し直さないといけません。それには、年金手帳と社会保険喪失証明書 (前の職場に電話すると郵送してくれる) を持って区役所の年金課 (もしくは何とか事務所) を訪れる必要があります。これについても、大学から何の説明がなかったので、下手すると未納になっていたかもしれません。ただし未納の場合でも、2年間までは遡って納めることができます。
ちなみに、私は年金全部納めていますが、親が知らないうちに学生時代の年金を納めてくれていたらしく、ねんきん定期便で全部「納付済」と印刷されているのを見て、ちょっとジンときました。やっぱり、親ってのは知らないところで支えていてくれるんですね。


遺伝子と音楽

By , 2010年11月3日 3:49 PM

遺伝子の塩基を音楽に変換してみようとする「遺伝子メロディー」という試みがあります。

過去に「バイオサイエンスとインダストリー vol. 63 no. 3 (2005)」という雑誌にオオサンショウウオの遺伝子メロディーが掲載されました。

オオサンショウウオの遺伝子メロディーを奏でる : 科学とロマン、そして生命の未知なる領域

上記サイトに pdfファイル形式で論文が掲載されており、その下にある suppl.htmlにアクセスすると、録音へのリンクが貼ってあります。作曲の方法や楽譜は論文中にありますが、半音の上げ下げや音の長さは自由としているみたいです。そして、録音では伴奏を加えてあります。

綺麗な曲だなぁと思って他の曲も調べていたら、癌遺伝子の曲も見つけました。

癌遺伝子の塩基配列をメロディにして-演奏 (※残念、2011年3月26日現在リンク切れとなってしまったようです)

こちらは、、アデニンは「ラ」, チミンは「ミ」, グアニンは「ソ」, シトシンは「ド」として作曲しています。つまりラドミソの和音が基本になります。これらが主和音になるように作曲すると、自動的にイ短調になりますね。サンショウウオの遺伝子からの作曲と異なり、音の長さも塩基情報から決定したようです。

ヒトゲノムもないかなぁ・・・と探していたら、それらしいサイトを見つけたのですが、音楽はリンク切れでした。残念。

DNA the Way to San Jose?


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