ロシア・フランス
ロシアやフランスのそこそこの大病院で、脳梗塞治療を受けてきた患者に遭遇しました。
現時点での日本での診断のスタンダードは、
①病歴・診察所見で脳卒中(脳出血・脳梗塞など)を疑う
②CTで出血が除外出来れば、梗塞を疑って治療を開始する
③後日MRIを施行する(可能なだけ早期)
といったものです。
ロシアから来た患者は、CTもMRIもなく、脳梗塞として治療されていました(脳出血と脳梗塞は、正反対の治療です)。脳梗塞と脳出血は、画像検査を行わないと区別出来ないとされていますので、要は必要な検査を行わず、イチかバチかの治療だった訳です。CT1枚とれれば、危ない橋を渡らずに済んだわけですが、それがロシアのスタンダードの医療なのでしょう。彼が持って来た紹介状は英語でした。
一方、神経学の総本山フランスで治療を受けた患者は、CTを施行されていましたが、MRIは施行されていませんでした。神経内科医が数ヶ月に1度程度遭遇する程度の非典型例の脳血管障害は、見逃して良いということでしょうか。紹介状は何故かフランス語(苦笑)。さっぱりわかりませんでした。日本語で返信してみましょうか・・・。