定跡からビジョンへ

By , 2006年10月8日 11:24 PM

「定跡からビジョンへ(羽生善治、今北純一著、文藝春秋)」という本を読みました。

で、羽生さんの本は将棋のことを知らなくても読めるようになってますけど、共感できる言葉がたくさん。

「(釣った鯛を)じっと見ていてもすぐには何も変わりません。しかし、必ず腐ります。どうしてか?時の経過が状況を変えてしまうからです。だから、今は最善だけど、それは今の時点であって、今はすでに過去なのです。」

「日本ほどノーベル賞の受賞者を芸能人扱いするところはないですね。受賞者をあちこちのテレビ番組に引っ張り出すわりには、話題はほとんど本人にまつわる生活習慣やエピソードが中心で、受賞対象になった研究テーマについては誰も関心を示さない。最近のテレビを観ていると、エコノミストや評論家と称する人たちがしょっちゅう登場しては、目先の景気のなりゆきの当てっこをしていますね。大学の先生がバラエティ番組に出演したり・・・経済学者が、野球のメジャーリーグやサッカーのワールドカップのコメントをしたりするわけです。」

「日本が抱えている問題はそこに集約されます。『世間から笑われる』『世間様に申し訳ない』『そんなことをすると世間を狭くする』とか。つまるところ、行動を律するもとが世間の目というか、他人の目で、自分の目ではないのです。」

「『所属はしているけれど帰属はしていない』というのは至言です」

「これからは、個人が豊かになり、その集合体としての組織が豊かになるようにしないと、いつまでたっても閉塞状況から抜け出せません」

「私はプロになって二十年近くになり、いろいろと経験をしているし、訓練をしてきましたが、そうでありながら、『どんなに訓練を積んでも、ミスを避けられない』ということを実感として感じています」

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