冗談と学問

By , 2007年1月7日 7:07 PM

 医師専用サイトのm3.comで医療系ニュースのチェックをしていました。すると面白い記事が・・・。

 「手術室の医師はハンサム? -外科医には高身長・美男子が多い傾向についての研究 -」と題された研究です。BMJ (Dec. 23-30,2006;vol 333:1291-1293)という非常に権威ある医学雑誌に、バルセロナ大学の医師が冗談で載せています。

 研究者は、外科医12名、他12名の顔写真を女性8名(医師3名、看護師5名)に見せ、7点満点で評価して貰いました。外科医の平均は51歳で、容姿平均4.4点。その他の医師は1歳若く、容姿は1点低かったそうです。俳優4名の写真を交えるとおよそ6-7点であったため評価方法は正しいと判断しました。

 どう考えても冗談ですけど、権威ある雑誌がこういった遊びを理解しているところが、面白いところです。ある意味東スポ的です。東スポは権威ないけれど。

 その他のトピックスとして、パーキンソン病の治療薬として運動改善に抗てんかん薬のゾニサミド(商品名:エクセグラン)が効くことが、2007年1月2日付けのNeurology(神経内科領域では世界最高の雑誌)に掲載されたそうです。研究者は、日本の国立精神・神経センター武蔵病院の医師達です。

 先輩の話では、ゾニサミドは、Parkinson病を併発していたてんかん患者にゾニサミドを処方したところ、運動が改善したことが数年前の神経内科関東地方会で話題になり、本格的な研究がされたようです。その頃から神経内科医の間では密かな話題で、私の患者にも処方されている方がいます。Parkinson病では、L-Dopaとドパミンアゴニストが2大治療ですが、長期に渡る投与や高齢者に対する投与では、副作用などの点から少し使いづらい点があるのは確かです。経験則から、ゾニサミドにそれほど強い運動改善作用はなさそうですが、治療の補助としては夢が持てます。

 患者がAという病気に併発してBという病気を発症したとき、Bに対する治療薬がAを改善したというのは、慢性副鼻腔炎に対する治療(マクロライド系抗生物質)がびまん性汎細気管支炎や気管支拡張症を改善した話を彷彿とさせます。しかし、こうしたことは患者の状態の変化に対する外来医の細やかさがなくては見逃されてしまうことは間違いないありません。

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