新型インフルエンザの疫学
感染症診療の原則-死亡率が低いのは-で紹介されていた論文です。
Epidemiological characteristics and low case fatality rate of pandemic (H1N1) 2009 in Japan
以前、私が新型インフルエンザ年齢別死亡率で紹介したようなことを更に詳細に行った研究です。インフルエンザに関する疫学的研究で、年齢別患者数、年齢別入院患者数、年齢別死亡率などのデータが示されています。また、海外との比較、季節性インフルエンザとの比較なども検討されています。
日本の治療成績が何故良いのか?抗ウイルス薬が寄与しているのかもしれないけれど、本当のところはわかっていません。抗ウイルス薬を初期から投与しても重症化が防げないケースがあることがわかっています。抗ウイルス薬が季節性インフルエンザの合併症を減らすかどうかは疑問視されていますし、新型インフルエンザの重症化を防ぐかどうかの根拠もそれほど強いわけではないのですね。
こうしたことを考えると、我々は「○○かもしれない」「○○の方が良いのではないかなぁ・・・」という判断を通じて、インフルエンザと戦っているのだと実感します。まさに試行錯誤ですね。
偽善の医療
「偽善の医療 (里見清一, 新潮新書)」を読み終えました。
岩田健太郎先生のブログで紹介されていて、魅了されて購入したのでした。思わず頷きながら、あっという間に読了しました。内容については、岩田健太郎先生のブログに簡単に紹介されていますのでご覧ください。
本書は様々な意味で問題提起をしています。
「患者様」という呼称の問題、告知の問題、人工呼吸器の問題、安楽死の問題、健康食品や怪しげな民間療法の問題、医師への謝礼の問題・・・。
すべての人間の死亡率は 100%であり、ほぼすべての人間は「患者」という状態を経験して死に至ります。
そのために考えておいた方が良い問題が多く挙げられています。また、本書を通じて、怪しげな治療に騙されないための科学的、論理的思考をある程度身につけることが可能です。多くの方が読まれることを期待します。
そういえば、最近何度かコメントを頂いた呼吸器内科ブログ管理人様のブログでも紹介され、感想が述べられていたのを思い出しました。
使い回しにまつわる独断と偏見に満ちた感想
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの全集を買って聴いていると、同じフレーズの使い回しが結構多いことに気がつきます。
バッハの場合は、週に 1回ミサを書かなければいけなかった事情もあるし、もともと主題をどう扱うかの技法の面に重きがあったりして、同じ主題を何回も扱うことに納得できます。
モーツァルトの場合は、お気に入りの旋律を、手を変え品を変えて登場させます。様々な楽器、シチュエーションで登場し、気に入った旋律を変奏させて遊びます。旋律はとびっきり綺麗です。
ベートーヴェンにもいくつか使い回しは見られるのですが、少し事情は違うようです。曲のテーマとして用いることもあるのですが、作品の途中にさりげなく組み込まれることもあるようです。
晩年の作品、弦楽四重奏曲第 15番作品 132を聴いていて、彼の若い頃の作品に使われているフレーズがあることに気付いて非常にびっくりしました。びっくりした理由について述べたいと思います。
以前、「お気に入りの主題」として紹介した「エロイカ」の主題は生涯に 3回使われましたが、作曲年は非常に近いです。
1801年 バレエ音楽<プロメテウスの創造物>作品43のフィナーレ
1802年 <12のコントルダンス>WoO14第7番
1805年 交響曲第 3番「エロイカ」
編曲についても同じ。ヴァイオリン協奏曲と、それを編曲したピアノ協奏曲の作曲年も近いです。
1806年 ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op. 61
1807年 ピアノ協奏曲ニ長調 (ヴァイオリン協奏曲のピアノ版)
今回の弦楽四重奏曲第 15番作品 132の 2楽章中間部で使い回されていたのは、12のドイツ舞曲 WoO 13の第 11曲でした。調性も、旋律もまったく同じです。同じというだけならびっくりしないのですが、作曲年の違いに唖然とします。
1795年? 12のドイツ舞曲 WoO 13
1825年 弦楽四重奏曲第 15番 Op. 132
なんと 30年間も経ています。弦楽四重奏曲の集大成とも言える作品に、何故初期の作品が組み込まれているのか?
しばらく思索にふけるに相応しい題材を与えられた気分です。
カルバペネム
岩田健太郎先生のブログにカルバペネムのまとめがありました。面白かったので紹介。
ついでに、もう一つ、過去の勉強になるエントリーも紹介。
生豆
しゃんでりあ先生から、コメント欄で生豆の魅力を教わりました。
生豆を求めて、練馬にあるバーバー珈琲に行ったところ、豆を店で焙煎していて更に浅煎りとのこと。店員に聞くと、仕入れた豆の中から傷物を選別して除外し、きちんとした豆だけを浅く焙煎してきているらしいです。豆の選別は結構手間がかかるものの、こだわっているとのことでした。
店舗のオリジナルブレンドを買って帰って飲んでみると、確かに生豆の香りが漂い、おいしかったです。深煎りは長持ちするので、多くの喫茶店では深煎りにしているらしいのですが、浅煎りには別の魅力がありますね。
今度は、いろんな銘柄の豆を浅煎りで試してみたいと思いました。
<豆知識>
しゃんでりあ先生の名前の由来は、郡山時代に私の引っ越しを手伝ってくれたとき、我が家から「しゃんでりあ」を持って帰ったことに由来します。
将棋バー
12月 1日に池袋に将棋バーがオープンしました。開いたのは、橋本崇載七段です。将棋の普及を目指してのことらしいです。行くと、プロと将棋が打てることもあるようです。
できれば年内に是非行ってみたいと思っています。ご本人のブログにある案内を紹介しておきます。
ザウルス
忘年会シーズン真っ盛りです。
12月10日(木) 飲み会 (大学)
11日(金) 当直
12日(土) 当直
13日(日) 飲み会 (学生時代の部活の納会)
14日(月) 飲み会 (後輩から急遽相談とのこと)
15日(火) 飲み会 (医局忘年会)
16日(水) 飲み会 (前の勤務先忘年会)
12月の飲み会がほぼすべてこの 1週間に凝縮されて、このようなスケジュールになりました。一回あたりの飲酒量を軽くして、乗り切るしかありません。
昨日は、学生時代所属していた部活の飲み会で、池袋に行ってきました。個人的に後輩を引き連れ、三次会に「ザウルス」という店に行ったのですが、これが良い店でした。雰囲気や料理の味はもとより、扱っているビールの多さ。
昔、江古田にあったイスラエル料理店で飲んだ「マカビー」というビールや、ベルギーほか世界各国のビール各種がありました。懐かしいキリンの「ハートランド」というビールもありました。ビールだけではなく、オリジナルカクテルも凄くおいしかったです。池袋に行く機会があったら是非お勧めです。