ラフマニノフ ある愛の調べ

By , 2009年6月6日 7:37 AM

映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」を見ました。

いや~、マニアックな内容でした。

ラフマニノフに関わるエピソード、「ズヴェーレフによる作曲の禁止」「交響曲第1番初演の失敗」「ダーリによる精神分析」「従妹ナターリアとの結婚」「ライラック」「スタンウェイとの蜜月」「作曲への情熱の喪失」などが散りばめられていましたが、元のエピソードを知らないと何の話をしてるのかわからなくて、 Wikipedia で調べながら見ました。それぞれのエピソードの関連性も希薄で、ただエピソードがランダムに配置されているような印象を持ちました。冒頭はすごく面白かったのですけどね。

この映画には「ある愛の調べ」と副題がついており、女性が3人出てくるのですが、表面的な描写が多く、もっとラフマニノフの内面が描かれていたらなと思いました。例えば、従妹に対しては、大した愛情表現がないままに、いきなりプロポーズするのですが、そこまでの過程がイマイチ理解出来ませんでした。

とはいっても、音楽は綺麗ですし、一度予習してから見ると楽しめるかもしれません。

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冤罪

By , 2009年6月5日 8:21 AM

足利事件で犯人とされ、刑を受けた人物が釈放されました。DNA鑑定に誤りがあったそうです。

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感染症

By , 2009年6月1日 10:30 PM

最近、研修医向けに感染症診療の手引きを作って配布しました。わかりやすくまとめたつもりです。日本での使用が許された抗菌薬の量は、国際的に使用される量よりかなり少ないのです。最も効果的に使用すると、かなり保険で切られて赤字になってしまいます。

とはいっても、学問的な抗菌薬の使い方は大切ですので、研修医レベルで読んでおくと良い本を紹介しておきます。

<推薦図書>
① レジデントのための感染症診療マニュアル 第2版, 青木眞著, 医学書院
定番です。辞書的にも使えますので、必ず持っておくようにしましょう。私の手引きもほとんどこの本を参考にしていますし、困ったケースでは、この本が必ず使える筈です。
② 抗菌薬の考え方、使い方 Ver. 2, 岩田健太郎/宮入烈著, 中外医学社
「レジデントのための感染症診療マニュアル」より簡単に書かれています。
③ 結核診療プラクティカルガイドブック, 伊藤邦彦, 南江堂
結核のことなら、ほぼ何でも書いてあります。
<推薦サイト>
感染症ブログ感染症診療の手引きが公開されています。
<推薦メーリングリスト>
Idaten:日々、感染症専門医からのメールが届くので、読むだけで勉強出来ます。

最近見つけたのですが、大野先生の「レジデントのための
日々の疑問に答える感染症入門セミナー
」が結構面白いです。大野先生は、Idatenで積極的に発言されていて、勉強させて頂いています。

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免許

By , 2009年6月1日 10:28 PM

 高齢運転者:「認知症」なら免許、召し上げ 更新時、75歳以上は検査 /滋賀

6月1日13時2分配信 毎日新聞

◇きょうから道交法改正

75歳以上の高齢ドライバーが運転免許を更新する際、記憶力や判断力を調べる「講習予備検査」が、1日の改正道交法施行により義務づけられる。検査結果などによっては医師の診察を受けなければならず、そこで認知症と診断された場合には免許が取り消される。県内でも高齢運転者による人身事故は年々増加しており、県警交通企画課は「高齢だから必ず危ないというわけではないが、認知症のドライバーもいるはず。大事故になる前に見つけられれば」と話している。【稲生陽】

県内の75歳以上の運転免許保有者は全体の約4%にあたる3万6839人(今年4月末現在)で年々増え続けているが、高齢者からの免許返納はあまり進んでいない。昨年は過去最高の85人となったが、全国では5番目の少なさ。下にはいずれも滋賀より人口の低い県が並んでいる。

一方、75歳以上の運転者による人身事故も増え続けており、今年は4月末現在で115件と過去最高の昨年を上回っている。昨年9月に豊郷町の町道であった軽トラックによる軽傷ひき逃げ事故では、運転していた愛荘町の農業男性(82)が事故後に認知症と診断された。事故で運転席の窓ガラスが割れても、気付かずに走り続けていたという。

今回の法改正では、75歳以上には免許更新時の検査を受けることを義務付けた。そこで「記憶力・判断力が低くなっている」と診断され、更新の前後に交通違反があれば専門医の臨時適性検査を受けることになり、認知症と診断されれば免許取り消しとなる仕組みだ。警察庁によると、記憶力・判断力の低下と診断されるのは全体の3%ほどという。

◇運転やめるよう説得、守山野洲医師会取り組み
認知症患者は02年の道交法改正から免許取り消しの対象となっているが、これまでは取り締まりや患者が自ら申告する制度はなかった。診断書を出す医師もそのことを知らない人が多かったため、県内では医師会が中心になって患者に運転をやめさせようとする動きもある。

守山野洲医師会では昨秋、守山署や両市と認知症患者に運転をやめてもらうための勉強会を初めて開催し、診断書に車を運転させないよう注意を付記するという活動を続けている。これまで診断書まで書いたのは数人にとどまっているが、家族を通じて患者に運転をやめてもらうよう説得している。中心となった同医師会の北野充理事(52)は「認知症のドライバーはまだたくさんいる。事故防止のため、医師も積極的にかかわっていく必要がある」と話している。

認知症が疑われた方の多くが神経内科を受診するのでしょうが、下手すりゃ全員に高次脳機能検査、採血 (血算・生化学一般、ビタミン、アンモニア、梅毒、甲状腺機能など)、頭部 MRI、脳血流 SPECT等検査が必要になりそうですので、外来が大変になりそうです。急にみんな来院したら、外来パンク状態になりかねないと危惧しています。

それよりかさ、高齢現役医師とか国会議員の認知症検査はいらんのかいな・・・なんて。

(追記)
認知症のスクリーニング検査で行う高次脳検査があるのですが、問題点として慣れ効果もあるので、繰り返し練習すれば実力より高得点がとれてしまうのです。研修医が繰り返し HDS-R検査して、18点→25点となった症例を思い出しました。もちろん評価にはなりません。問題を覚えると点数が上がってしまうことがあるので、気をつけないといけませんね。

認知症の方の運転の問題については認知症の種類によっても異なり、例えばアルツハイマー病の方は健忘のため道がわからなくなって引き返すときに事故をすることが多く、前頭側頭型認知症の場合は道路を逆走するなど反社会的行動で事故を起こすことが多いと言われています。

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鳥インフルエンザ

By , 2009年6月1日 10:20 PM

豚の方は落ち着いてきましたが、懸念されるのは鳥インフルエンザ。致死率が高すぎます。

国立感染症研究所高病原性鳥インフルエンザ情報を見ていると、中国、ベトナムに続いてエジプトで流行が見られるのがわかります。

かなり心配して見ていたのですが、いなか小児科医様のブログで、興味深いニュースが紹介されていました。

 いなか小児科医-なぜ、蔓延しないのか?-

『鳥インフルエンザウイルスにとってヒトの鼻腔は寒すぎる

鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスにとって、ヒトの鼻腔内は温度が低すぎることが明らかにされた。このウイルス株がこれまでヒトの間で拡大しにくかったのはそのためではないかと科学者らが報告している。

英インペリアル・カレッジ・ロンドンおよび米ノースカロライナ大学の研究グループによると、鳥インフルエンザウイルスは40℃前後の鳥の消化管内で増殖するが、通常ヒトへの最初の感染部位である鼻腔内の温度は約32℃である。実験の結果、この低温の環境では鳥インフルエンザ株は成長および増殖することができず、近辺の細胞を効率的に死滅させることもできないことが示されたという。

また、研究チームがヒトインフルエンザウイルスに鳥インフルエンザ株由来の蛋白(たんぱく)を追加して特殊な突然変異ウイルスを作製したところ、この株も32℃では生存および成長が困難であった。このことから、鳥インフルエンザウイルスがヒトの鼻腔に容易に感染するには少なくとも2回以上の変異が必要であることが示されるという。この知見は、オンライン医学誌「PLoS Pathogens(病原体)」5月15日号に掲載された。

当面、鳥インフルエンザの日本での流行はなさそうですが、その前に準備しておかないといけませんね。

タミフルやリレンザの備蓄(鳥インフルエンザにどこまで効果があるかわからないけど)、トリインフルエンザ・ワクチンの量産の準備、豚インフルエンザで露呈した対策の不備の修正など、やらなければならないことがたくさんあるはずです。

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名前

By , 2009年5月31日 7:13 AM

本当にこんな名前があるのかはわかりませんが、本当だとすると世の中には色々な名前があるものです。

名前は子供のものだと思うのですが、親の自己表現の手段でもあるのですねぇ・・・。表現する親の内面が見られて興味深いです。

でも、自分が子供だったら避けて欲しい名前が多いです。

DQNネーム(子供の名前@あー勘違い・子供がカワイソ)

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マスク

By , 2009年5月29日 6:41 AM

インフルエンザ騒動で、どこでもマスクが品切れなのだそうです。

Idatenという感染症メーリングリストで知ったのですが、WHOがマスク使用に関するアドバイスを出しています。一部紹介しておきます。

Advice on the use of masks1 in the community setting in Influenza A (H1N1) outbreaks

Advice on the use of masks in health-care settings is accompanied by information on additional measures that may
have impact on its effectiveness, such as training on correct use, regular supplies and proper disposal facilities. In the community, however, the benefits of wearing masks has not been established, especially in open areas, as opposed to enclosed spaces while in close contact with a person with influenza-like symptoms.
Nonetheless, many individuals may wish to wear masks in the home or community setting, particularly if they are in close contact with a person with influenza-like symptoms, for example while providing care to family members. Furthermore, using a mask can enable an individual with influenza-like symptoms to cover their mouth and nose to help contain respiratory droplets, a measure that is part of cough etiquette.

Using a mask incorrectly however, may actually increase the risk of transmission, rather than reduce it. If masks are to be used, this measure should be combined with other general measures to help prevent the human-to-human transmission of influenza, training on the correct use of masks and consideration of cultural and personal values.

 

医療環境下ではマスクの使用で感染を減らすことが出来るようですが、町中でマスクをつけても感染を減らすことが出来るという根拠はないようです。更に、不適切な使用で感染が増えることがあります (不適切な使用が具体的に何なのか明記はされていませんが、インフルエンザウイルスの付いた手でマスクの口の部分を触ってしまったりなどと推測します)。

1ヶ月くらい前、先輩の子どもがインフルエンザに罹患しました。弟が罹患したので、兄と弟にマスクを付けていたら、途中で兄が弟のマスクを付けていたのに気付いたのだとか・・・。幸い、兄は罹患しなかったそうですが。

このアドバイスの中で、WHOは人混みを出来るだけ避けることを推奨していますが、東京のサラリーマン、勤務医はそうはいきませんね。満員電車でぎゅうぎゅうに押し込まれて身動きもままになりませんし、冬は関東で新型インフルエンザが大流行するかもしれません。

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親の資質

By , 2009年5月28日 6:33 AM

 本読む親の子優秀 下位はワイドショー ベネッセ調査

2009年5月27日4時52分

「成績上位の子どもの保護者は本をよく読む」「下位の子の親が好むのはテレビのワイドショー」。お茶の水女子大とベネッセ教育研究開発センターが共同で調査したところ、親をハッとさせるこんな結果が出た。保護者の普段の行動と子どもの学力には強い関係性があるという。

調査は07年11月~08年2月、各地の5年生2952人と保護者2744人に実施。子どもにはベネッセのテストを解いてもらい、保護者には普段の行動などを選択肢から選んでもらった。

国語の成績をみると、上位4分の1の最上位層の保護者の70.6%が「本(漫画や雑誌を除く)を読む」と答えたのに対し、下から4分の1の最下位層は56.9%にとどまり、13.7ポイントの差があった。最上位層では「家には本(漫画や雑誌を除く)がたくさんある」という回答も72.6%あり、最下位層より24.6ポイント高い。「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」も80.9%で、17.9ポイント高かった。

一方、最下位層の親に多いのは「テレビのワイドショーやバラエティー番組をよく見る」「カラオケに行く」など。

しかし、成績下位の子の親が子どもの学習に無関心というわけではない。「ほとんど毎日、子どもに『勉強しなさい』という」という答えは56.9%と、最上位層より5.7ポイント高かった。調査チームは、子どもの成績が思わしくないために小言を言いがちになるのでは、とみている。(中村真理子)

家庭内の環境はかなり影響を与えていそうですね。記事にある表では、成績上位者の家庭ではニュースを見ることが多く、成績下位者の家庭ではワイドショーを見ることが多くなっていました。時々、親が金持ちだと参考書や塾通いへの金銭的制約がなく、環境が良いので子どもの成績が良くなるという分析を見ることがありますが、見る番組の違いというのは親の収入とかと関係ないですよね。

将来の父親を目指す立場の私としては、「父親が飲んだくれている」「父親が東京スポーツを愛読している」などという項目も知りたいです。マイナスになるようだったらどうしよう・・・。

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日本神経学会総会

By , 2009年5月27日 7:44 AM

先週は仙台で開かれた第 50回日本神経学会総会 (5月20-22日) に行っていました。

病棟の都合があり、21日夜に東京を出て、仙台の牛タン屋で舌鼓。楽天選手の色紙がいっぱいありました。

22日は朝から学会場へ。入場料 15000円は高いと思うのですが、仙台国際センターなど貸し切りで、参加人数のことを考えても仕方ないかもしれません。午前中は 「ALS」 のセッションを見て、昼は「はりやこいしかわ」先生達と寿司屋へ。午後は「ポリグルタミン病への分子生物学的アプローチ」に参加しました。東大の倉永先生が発表された加齢と 26Sプロテアソーム、Rpn11 の話と、国立精神・神経センターの永井先生のシャペロンの話が特に面白かったです。最近、蛋白質についての勉強をしているおかげで、スムーズに理解できました。

夜は郡山に出掛け、「しゃんでりあの君」と比内やサスケで飲みました。私が郡山勤務時代に贔屓にしていた店です。「野ウサギの走り」と鳥料理が絶品でした。色々語り合ったのですが、私が使っている教科書の一部を、「しゃんでりあの君」の後輩が書かれていたことにびっくりしました。分子生物学に関する話題でたくさん教えて頂いて、さらに「飛露喜 特選純吟」まで頂いてしまいました。ありがとうございました。

23日早朝の新幹線で帰京し、当直業務に突入。

今月は、岡山の実家、角館、仙台と旅が多くていいですね。

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ヴァイオリン・ソナタ第10番

By , 2009年5月21日 7:30 AM

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは傑作ばかりです。いかに傑作か、名教師カール・フレッシュの言葉をシゲティが本の中に引用しています。

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