ハーバードへの道

By , 2007年12月19日 7:31 AM

アメリカで研修しておられる方が書いているブログを見つけました。

 TMDU HMI2007~ハーバードへの道~-Neurology Ward Service by Hiroki-

初の病棟で驚いたのは,その回転の速さ!病棟には常に20人くらいの患者さんがいるが,金曜日の夜にいた人の少なくとも1/4は翌月曜日には新しい患者になっている.
この回転を支えているのはやはりRehabilitation centerやNursing home等だろう.例えば脳梗塞の場合,平均5日で転院!Lab, Echo, Holter, etc.と病棟で必要なことが終わると,麻痺が残っていようがいまいがすぐに”Go Rehab”となる.あとはPT/OTが中心となって機能回復を図っていくのである.

日本とは全然違いますね。システムの違い、コスト意識の違い、社会構造の違いなど、色々背景にあるのでしょう。日本でも、平均在院日数を削減するように、診療報酬を変える流れにありますが、アメリカと違って、リハビリ病院や療養施設を評価しないため、受け皿がなく、入院が長くなります。それに、日本では「入院期間中にしっかり治して、万全の状態で退院」という価値観があり、もし虫垂炎の手術をして、翌日「退院してください」と言ったとしたら、大部分の人がびっくりするでしょう。不信感を持たれたまま家に帰って、トラブルがあれば訴訟沙汰でしょうね。

慢性疾患の多い神経内科の現場では、「帰っても看れないから病院においてくれ」とか、「もし退院後悪くなったらどう責任取るんだ?」などという家族の方も多く、入院期間を引き延ばす要因となっています。家族の方の要望もある程度理解でき、療養施設や慢性期病床が充実していれば、クリアできる問題ではあるのでしょうけれども。

これからは、限られた医療費の中で、急性期と慢性期医療のバランスをどう取っていくのかを考えないといけません。これまでは、慢性期医療を切り捨ててきたため、患者やその家族が路頭に迷ってきたのみならず、急性期医療の回転も遅くなり、共倒れになっているような気がします。

もちろん、アメリカ型医療が理想とは言いませんが。

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敬愛なるベートーヴェン

By , 2007年12月18日 9:34 PM

「敬愛なるベートーヴェン」という映画のDVDを見ました。

荒唐無稽な筋書きで、あまり楽しめませんでしたが、第九が流れる個所がいくつかあり、そこで音楽に聴き入ってしまいました。映画より、ベートーヴェンの音楽の方がよっぽど心を打ちますね。

それでも、クライマックスの10分くらいは、楽しめました。特に、テーマとしていた弦楽四重奏曲に対してです。大フーガもそうですが、特にお気に入りは弦楽四重奏曲第15番です。3楽章の楽譜には、「病の癒えたる者の神への感謝の言葉」と書いてあるのですが、映画は、仕事が終わった喜びとして描いていました。どう捉えるにせよ、言葉を失う程美しい曲です。特に、それが流れるシーンでの空気の作り方が良かったと思います。ちなみにこの第15番の最終楽章は、第九の最終楽章で使われる予定でした。第九のシーズンになると、いつも第15番を思い浮かべて不思議な気分になります。

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腰曲がり

By , 2007年12月18日 7:29 AM

腰曲がりという病気があります。初めて名前を聞いたときには、「そんな、バカな。年寄りの多くは腰が曲がっているではないか?」と思ったのですが、れっきとした病気として存在します。英語では Camptocormiaと呼ばれます。

詳しく病気のことを紹介したブログがあります、
Neurology-腰曲がり病(Camptocormia)-
Neurology-Camptocormia(腰曲り)をどう治療するか?-

なかなか治療の難しい病気で、私も薬物経口投与、MAB療法などを試みた経験がありますが、なかなか治療反応性が悪かったのを覚えています。ボツリヌス治療の有効性は指摘されていますが、保険適応外で、一回の治療に約 10万円かかります。数ヶ月で治療効果が切れるので、その都度治療を繰り返す必要があります。

そうした中、面白い発表がありました。私はその発表を聞きにいっておらず、抄録 (武井麻子ら.Protirelin tartrateによりcamptocormiaが改善した他系統萎縮症 (MSA) の2症例.臨床神経 46: 428, 2006) で読んだのですが、実践しておられる先生からは、治療効果は良いようです。

その治療は、TRHによる治療です。TRHは脊髄小脳変性症の治療でも使われます。

何故効くのか、教授に相談してみました。すると、こんな返事が返ってきました。「昔、Rolling mouse Nagoyaというのがあってね。脊髄小脳変性症の動物モデルだとされていて、それに TRHが効くから、脊髄小脳変性症の治療で TRHを使うようになったんだ。でも、最近はその動物モデルはジストニアのモデルだという意見もあってね。腰曲がりもジストニアが関与しているんだったら、TRHが効いてもおかしくない」とのことでした。そのことについて文献を探したのですが、見つかりませんでした。ちなみに、首下がりに対する TRHの効果は、腰曲がりに比べると今ひとつ落ちるそうです。現在のところ、Pubmedで検索しても論文がほとんどなく、神経内科医の中でもまだ口コミに近い話です。

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高血圧研究の偉人達

By , 2007年12月16日 6:06 PM

「高血圧研究の偉人達 (荒川規矩男編集、先端医学社)」を読み終えました。

この本は、文字通り高血圧研究の先駆者たちを紹介した本です。

目次

chapter 1 Richard Bright-腎疾患が硬脈 (=今日の高血圧) を伴うことを初めて指摘した腎臓病学者
chapter 2 Robert Tigerstedt-レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の出発物質レニンの発見者
chapter 3 高峰譲吉-最初のホルモン (アドレナリン) 結晶化の先駆者
chapter 4 Scipione Riva-Rocci/Nicolai Sergeivich Korotkov-間接的血圧測定法の生みの親
chapter 5 Harry Goldblatt-高血圧モデル動物として腎動脈狭窄による持続性高血圧の作製に成功した病理学者
chapter 6 Eduardo Braun-Menendez-レニン・アンジオテンシン系の真の発見者
chapter 7 Irvine H. Page-アンジオテンシンの活性を発見し、高血圧学会を創始した医政家
chapter 8 Leonard T. Skeggs-自動分析器を発明し、レニン-ACE-アンジオテンシン系の全経路を解明した生化学者
chapter 9 Jerome W. Conn-原発性アルドステロン症を発見・命名した内分泌学者
chapter 10 Franz Gross-レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の確立に寄与した臨床薬理学の草分けの一人
chapter 11 F. Merlin Bumpus-Pageグループのアンジオテンシン研究陣の補強に加わり、最初のARBに到達した生化学者
chapter 12 George W. Pickering-本態性高血圧の原因として疫学的に環境説を確立した臨床家
chapter 13 Arthur Clifton Guyton-血行動態のコンピュータ解析から高血圧の原因や機序に迫った異色の生理学者
chapter 14 岡本耕造-本態性高血圧の研究モデル,SHRの贈り主
chapter 15 Lewis Kitchener Dahl-食塩と高血圧の関係究明に生涯を捧げた研究者
chapter 16 Harvey Williams Cushing-内分泌脳外科学の創立者
chapter 17 Grant Winder Liddle-内分泌高血圧の臨床研究先駆者
chapter 18 Walter Krempner-無塩米飯食での降圧効果を重症高血圧患者500人で初めて実証した臨床高血圧学者
chapter 19 Edward D. Freis-利尿薬の降圧作用を発見し、VA studyにも応用した臨床介入試験創始者
chapter 20 Lennart Hansson-臨床現場における幾多の疑問に各種臨床試験で解答を提供してきた介入試験の大家

最初に紹介されるのは Brightです。Brightは腎疾患に伴って左室肥大が起こることを指摘しましたが、それを発展させ研究したのは、Traubeと Gullだったそうです。Traubeは動脈圧の上昇が心拡大と心肥大を来すことを提唱しました。

chapter2では、レニンを発見した Tigerstedtが紹介されます。しかし、Tigerstedtにレニン発見に至る直接的影響を与えたのは Brown-Sequardだったそうです。Brown-Sequardは、モルモットの睾丸エキスを自分に注射して精力が回復したと発表し、内分泌物質の存在を示唆した人物です。ブラウン・セカールと発音します。ちなみに、Brown-Sequard症候群として彼は名前を遺していますが、「彼がやった仕事は、動物の脊髄の片側に切開を加えて対側の下肢を炙ると熱がらないということで、その概念をきちんと突き止めたのはデュシェンヌである」ということを聞いたことがあります。

Brown-Sequardはモルモットの精巣を自分に打ちましたが、Tigerstedtはウサギの腎臓をウサギに注射し、血圧を上昇させました。そして、活性物質は皮質に多いことを突き止めました。また、その物質が水溶性で、非透析性で、熱、アルコールで不活化されることも見いだし、レニンと名付けました。

chapter3では、高峰譲吉が取り上げられています。私は中学生の頃、学校で社会を高峰譲吉先生の孫に習っていました。授業中「この譲吉ってのは、俺のじいちゃんなんだ」と先生は言っていましたが、具体的な挿話を聞く機会がなかったのは残念に思います。高峰譲吉は牛の副腎から抽出し、結晶化した物質を「アドレナリン」と命名しました。アメリカでは「エピネフリン」と呼びますが、本来はアドレナリンと呼ぶべきであることを本書は指摘しています。

アドレナリン、ノルアドレナリンとドパミンを合わせてカテコールアミンと総称されている。アドレナリンとノルアドレナリンは、おもに欧州で用いられ、エピネフリンとノルエピネフリンはおもに米国と日本で用いられてきている。米国のエーベル(Abel)が1897年に発見・命名したエピネフリン(epinephrine)は、その精製過程が不完全なために不純物が多すぎるにもかかわらず、国際的に非・専売薬名として採用される趨勢にある。英国オックスフォード大学のAronsonは、この趨勢を見据えたうえでアドレナリンの正当性を主張しているが、わが国からもアドレナリンの正当性を支持する意見を表明すべきではなかろうか。

私が学生の頃、薬理学の授業で教授が高峰譲吉の名を出し、「日本人はアドレナリンと呼ぶべきなんだよ」と主張していたのを思い出しました。

chapter4は Kortokovについてです。我々は血圧を聴診で測定するときには、Kortokov音というのを聞いて血圧を知ります。それを発見した人物が Kortokovです。彼はモスクワ出身ですが、1900年の義和団事件の時に極東に派遣され、帰国の際に日本を経由しているそうです。また、日露戦争の際に、数名の日本兵が Kortokovの手術を受けた記録が残っているそうです。

Riva-Rocciらの平均血圧測定法を知った Cushingが、1903年に「手術室およびクリニックにおけるルーチンな血圧測定」という論文を発表しているそうですが、少なくともその数年前までは臨床的に血圧を測定するのは一般的でなかったようです。また、Kortokovによって拡張期血圧測定法が発表されたのは 1905年だったそうですが、今からたった100年くらいまえの話なのですね。この100年の間の医学の進歩は凄いと思いますが、血圧は vital signとして、現在でも臨床現場で最も重要視されています。

chapter6, 7で紹介される Braun-Menendezらと Pageらはほぼ同時に Angiotensinを発見し、Braun-Menendezらは Hypertensin、Pageらは Angiotoninと呼びました。これらの研究の多くは、Menendezらが進め、Pageらの報告は誤りが多かったことから、多くの研究者は Hypertensinと呼んでいましたが、Menendezの死後、後任者の Taquiniは紳士的立場に立ち、Angiotensinという名称に統一するように勧告したそうです。ちなみに、Angitotensin Ⅰを初めて精製単離したのが、本書の著者なのだそうです。

chapter8で紹介される Skeggsはレニン・アンジオテンシン系を生化学レベルで確立した人物ですが、多方面に才能を発揮した人物だったそうです。少し引用してみます。

Skeggsは Leonardo da Vinciにも似て天才的に万能で器用な人であった。たとえば、①アンジオテンシンの精製過程で Koffの人工腎臓を大改良して広く米国内で人工腎臓として実用に供した (そのときの弟子の Paul Bergは後に recombinant DNAの技術開発で1980年にノーベル賞を受賞した)。

②また、同じくアンジオテンシン系の生化学分析の過程で、無数の試験管の行列 (train of test tubes) を使うかわりに、血液や試薬を連続して機械的に運んで反応させ、分析する自動分析器を考案して、自宅地下室の工作室で試作を重ねた後、研究室で実用化した (その実際を筆者は見せられて度肝を抜かれるほど驚いた)。これを後に Technicon社が買収して1954年に ”Autoanalyzer” という商品名で売り出し、これが今日世界中の病院などで活躍している自動分析器の原型となっていった。

③定年退職後は死の数ヶ月前に 30フィートのモーターボートを手製で完成したばかりであった。彼は飛行機でも作りかねなかった、と周りの人々はいう。

非常に多才な人物だったことがわかります。彼によって複雑なレニン-アンジオテンシン系が同定されましたが、経路として明らかになったことで、研究が大きく進み、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 (ARB) が生まれました。また、これらの知見の上に、本書の著者らは研究を進め、アンジオテンシンⅡ合成に ACEばかりでなく Trypsinや Kallikreinなどのバイパス経路があることを発見しています。そのほか、アンジオテンシンⅡ合成については、セリンプロテアーゼとしてキマーゼも同定され、循環器領域に新たなテーマを与えているそうです。

chapter12の Pickeringは、消化器性潰瘍、頭痛、体温調節など様々なことに興味を持っていたそうですが、Goldbatt高血圧 (腎動脈狭窄による高血圧) の慢性期に該腎を摘出しても降圧できないことから、長期の経過のうちにレニンの役割がおわり、抵抗血管の二次的な器質的変化によって高血圧が維持されることを提唱したそうです。そして、年齢とともに人の血圧が上昇していくことも同様の機序によるものとしたそうです。もし彼の考えが正しいとすれば、若いうちから血圧の薬を飲んでおいた方が、抵抗血管の二次的な器質的変化が予防できるのでしょうかね。彼に関する面白い逸話が紹介されています。

 減塩は学問的に大切としながらも、実生活では必ずしも実践していかなかったらしい。死亡数週間前にパリでRobertson (第三代国際高血圧学会会長) と食事をともにしたとき、”ニンニクと塩が足りない!”と怒鳴った、という。服装にも頓着なかった。こういう彼の愛すべき性格は直接の弟子達のみならず、高血圧学者仲間でも愛嬌者にされていた。

chapter14は岡本耕造先生です。本態性高血圧の動物モデルを作りました。彼の開発した高血圧自然発症ラット (SHR) は、1996年にスペースシャトルに乗せられ、宇宙旅行をしたそうです。研究を進めるには、その疾患の動物モデルは極めて重要ですから、高血圧の分野における役割は言うまでもありません。

chapter15は、Dahlについてです。彼は、食塩摂取量と高血圧の間に正の相関があることを見いだしました。家庭でも減塩を徹底し、「食卓塩」を「毒薬 (poison)」と呼んでいたそうです。しかし、何とも言えない経緯で病気を発症しました。

 1972年、Dahlが同研究所付属病院の院長に就任して間もなく、新たに購入した血清蛋白分析装置の試運転のため自分の血液検体を提供したところ、M蛋白が発見され、多発性骨髄腫に罹患したことが判明した。闘病生活に入っても、研究への意欲は衰えず、死の直前まで精力的に研究を指揮したとのことである。

chapter16はCushing (1869-1939) です。彼はHarvard大学医学部を卒業して、Massachusetts General Hospital (MGH) での外科研修を経て、1896年にJohns Hopkins大学外科レジデントとなりました。そこで外科を Halstedに学び、友人に Oslerがいたそうです。彼はヨーロッパ旅行中に、Londonで Hunters、Bernで Kocher、Liverpoolで Sherringtonに会うなど、得難い経験をしています。カナダでの弟子に、Penfieldなどがいるといいます。

chapter17はLiddleです。内科医にとって Liddle症候群は有名ですが、メトピロン試験、デキサメサゾン抑制試験が Liddleに由来することは知りませんでした。

こうして医学史に関する本を読むと、脈々と続く医学の伝統を感じます。

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憧れ

By , 2007年12月13日 10:00 PM

趣味を楽しみながら、日々過ごせると良いな・・・と常日頃思っています。趣味を仕事にするのも一つの方法かもしれませんが、そうすると趣味としての楽しみを失うことになるかもしれません。私の叔父は読響の奏者だったので、私の母が私を音楽家にしようかと相談したとき、「仕事にしてしまうと、音楽が楽しめなくなる」と反対だったそうです。そのこともあり幸せなことに音楽を趣味のままにしておくことが出来ました。私の母は、その後、別の医師をしている叔父に私を医師にしたいと相談し、またもや反対されたそうです。「これからは医師にとって過酷な時代になるから」というのが理由だったそうですが、紆余曲折があり、私は自分で医師になる道を選びました。

実際に医師になって思うのですが、多忙のため実際趣味を楽しんでいる医師は少数だと思います。仕事一筋という姿勢は、格好良いとは思います。ただ、趣味を楽しんでいる医師にも、仕事一筋の医師にもそれぞれ素晴らしい方がいますので、どちらが良いとは言えません。また、趣味を楽しんでいる医師から趣味を取り上げたら、仕事のパフォーマンスも落ちることは確実でしょう。

という前振りは、あるヴァイオリン製作者の論文を紹介するためのものです。Franjo Kresnikというヴァイオリン製作者がおり、何とその人は医師であったというのです。

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今年の忘年会

By , 2007年12月12日 8:11 AM

椿山荘で医局の忘年会がありました。100人を超える方々がいらっしゃって盛り上がりました。

忘年会のビンゴゲームの景品は 10人分用意してあり、そのうち一つがワインでした。100分の 1の確率を突破して、そのワインを当てることができました。もっと飲めという天からの声でしょうか?

例年、会での挨拶では、関連病院の医師達がそれとなく増員を求めるのですが、今年は切実でした。みんな挨拶というより陳情。

二次会は椿山荘のバーでまったりして、三次会に私と針屋こいしかわ先生と、医局長の三人でベルギービールの店に行きました。医局長の先生と少人数で飲んだのは初めてだったのですが、高次機能学から医療崩壊まで様々な話をして、非常に新鮮でした。

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経済学ってこんなにおもしろい!

By , 2007年12月10日 11:06 PM

「東洋経済」という雑誌の今週号は、「経済学ってこんなにおもしろい!」という特集でした。

私は、高校生の頃お世話になった数学の参考書を書いた細野真宏氏が解説している「経済のニュースがよくわかる本」シリーズは全部読みましたが、経済学の知識はほとんどありません。でも、面白くて一気に読んでしまいました。

東洋経済-目次-
・Q1~Q5 消費
なぜあの人はいつも「焼き魚定食」なのか?
なぜ女性はルイ・ヴィトンを選んでしまうのか
なぜ当たりもしない宝くじを買うのか
銀座のコーヒーはなぜ1000円か
なぜ寿司屋には特上、上、並があるのか
ハイブリッド車は思ったより売れない?

Q6~Q11 政策
再チャレンジ社会の落とし穴
上限金利規制は善か悪か
最低賃金法はビンボー人を救うか
ホワイトカラーエグゼンプションは残業代ゼロ法か
なぜ無駄な公共事業を止められないのか
規制緩和はなぜ抵抗されるのか

Q12~Q14 経営
著作権の延長はなぜ間違いか
PS3はなぜWiiに先行されたか
タクシー会社はなぜ儲からない?

Q15~Q17 教育
私学ブームはなぜ起こった?
経済学者はなぜ教育バウチャーが好きか
キャリアウーマンの夫はどんな人?

Q18~Q20 金融・マーケット
金融危機はなぜ起こるのか
ファンダメンタルズで株価は決まらない
金融のプロはなぜ失敗を繰り返すのか

Q21~Q22 食
魚が食べられなくなるのは誰のせいか
偽装事件はなぜ多発するのか

Q23~Q25 人間行動
男はなぜセクハラするのか
日本人はアメリカ人より人を信頼しない
利他主義」は得をする

最低賃金法(→企業は原則としてコスト以上の生産性を生み出す社員しか欲しくないので、雇用の条件がシビアになるかもしれない。失業率が上がる可能性がある。)やホワイトカラーエグゼンプション(ワーカホリックな人間が上司のことが多いので、単に残業代がなくなるだけで、残業自体は減らない)の話は、なるほどと思いました。

一応、皆さんが一番気になる (?) 「男はなぜセクハラをするのか」についてを紹介しておきましょう。一番経済学と関係なさそうなネタですけどね。

男は失敗を前提に女にアプローチする

男がセクハラを起こしやすい理由はエラーマネージメント理論で説明できる。男にとって子孫を多く残すためには数多くの相手を見つけるのがよい。女が自分の相手となってもよいと考えているのに、その機会を逃すことは損失である。気のない相手に迫って断られたとしても、恥をかく程度である。女にとって妊娠・子育ては大きな負担であり、相手の助けなくしては成立しない。そこで女は自分と子どもを養育する意志のある男を選ぶ必要がある。

男にとってはその気がない女も自分に気があるとみなしてしまう第1種の誤り(※本当は正しくないものを正しいとしてしまう誤り)をするほうがよく、女にとっては本気の男を見逃したとしてもその気のない相手にだまされるよりはよい。つまり第2種の誤り(※正しいものを正しくないとみなしてしまう誤り)をするほうがよいのである。これが男女の異性への態度や行動に対する判断の違いを生み、ひいてはセクハラを引き起こす原因だ。

1990年代に米国の大手スーパー「セーフウェイ」では、男性客による女性店員へのセクハラやストーカー事件が続発した。同社では店員は客の目を見てほほ笑みながら応対していた。すると女性店員と男性客の間にだけトラブルが生じたのである。男性客は女性店員が自分に気があると勘違いし、問題行動を起こすようになった。男は女の態度を自分に都合よく解釈するように進化してきたのだ。もちろん男のセクハラが仕方のない行為だという意味ではなく、規範意識の確立や法的整備が求められるのは言うまでもない。

うーん。考えさせられますね。確かに、「気がある」という勘違いを男はしやすく、損ばかりさせられている場面も多い気がします。これも上記の法則のためなのですね。頭では納得です。ただ、「気がある」と思ってもセクハラはダメですよねぇ~。

駅のキヨスクや本屋で売っている雑誌ですので、是非買って読んでみてください。経済学に心理学的な要素が強いことを考えさせられます。

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先週末

By , 2007年12月10日 10:42 PM

先週の土曜日は飲み会。本当は、Tomoと久しぶりに飲む予定だったのですが、後輩が学会で上京するとのことで、予定変更しました。後輩は、年に数日しか東京に来られなかったもので・・・。Tomoとは、年内に予定を組み直したいと思います。

その日は後輩と炉端焼き 和 (KAZU)で焼酎をガブガブ飲んで、赤坂に移動して、ジパングで更に飲みました。それからラーメン。メタボ一直線です。

後輩からは、手みやげとして万葉聖という日本酒を頂きました。気をつかってもらわなくても良いのだけれど。

嬉しかったのは、「みぐのすけ先生の家で聴いた曲が気に入って探しているんですけど、曲名はなんですか?」と言ってもらったことです。以前私の家で飲んだときに、何枚かのDVDを見たのですが、その時に紹介したのが、「ヴァイオリン協奏曲(チャイコフスキー作曲)」で、ツィンマーマンのヴァイオリン演奏、マゼールの指揮でした。チャイ・コンは、他にパールマンのロシアライブ録音やヴェンゲーロフの演奏のCDも出ておりお薦めです。DVDでのお気に入りはハイフェッツもありますけれど。

結局朝まで飲んで、タクシーで帰りました。タクシー内で、運転手に「最近は色々とサービス過剰ですから、サービスを受けるのも気を遣いますね。もっと普通の人間関係ですまないものかなと思いますよ」と話を振ったところ、何だか気に入られてしまい、会話が弾んだ末「結婚相手を紹介したい」と申し出られてしまいました。鄭重にお断りしましたけれど・・・。でも、「凄く美人で性格が良いんですよ?」と。普通、初対面で結婚相手勧めるものかね。

昼まで爆睡してからはプロのピアニストの方との合わせでした。モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスと久々に他人と合わせたのですが、良い刺激になりました。また合奏しようと声をかけて頂いたので、それに向けて練習したいと思います。合わせる曲を考えないと。

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調律

By , 2007年12月8日 4:58 PM

今、私の横で調律師の方が、ピアノの調律をしてくださっています。

私が持っているピアノは、YAMAHA VX100という器種で、学生時代伴奏をしてくれていた後輩の友人から購入しました。知り合いから格安で買ったので良く知らないのですが、アップライトとしては、結構良い楽器らしいですね。

ただ、郡山に出張に行っていた間、貸倉庫に預けており、調律していなかったので、かなりピッチが下がっていました。調律師の方が、「今はA=435Hzを少し切るくらいだね・・・」とおっしゃっており、今回はA=442Hzで調律をお願いしました (A=436くらいのピッチで古典派弾くのも楽しそうだけど)。やっぱりメインテナンスは大事ですね。

私が頼んだのは、武蔵野音大内で営業してらっしゃるタナカ・ピアノサービスです。知り合いの紹介ですが、仕事がしっかりしていて、助かります。

話はガラッと変わりますが、YAMAHAが、ベーゼンドルファーを買収したらしいですね。びっくりしました。

 ヤマハ、ピアノ名門ベーゼンドルファー買収へ
2007年11月28日18時50分

ヤマハは28日、オーストリアの世界的ピアノメーカー、ベーゼンドルファー(本社・ウィーン)の買収に向け、優先交渉権を得たことを明らかにした。ヤマハが全株式を取得する方向で最終調整している。

ベーゼンドルファーは1828年創業で、米スタインウェイ、独ベヒシュタインとともにピアノメーカーの「世界御三家」と呼ばれる。年間生産量はわずか数百台で、創業からの累計も5万台に満たない。現在は米投資会社サーベラス傘下のオーストリアの銀行が同社の株式を所有しているが、経営難から売却先を探していた。

ヤマハは、ピアノの販売金額シェアでは世界一。販売力を生かしてベーゼンドルファーの経営を立て直し、高級ピアノ市場を開拓する考えだ。

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Joint hypermobility

By , 2007年12月8日 4:43 PM

音楽家にとって、関節が軟らかいことはメリットなのでしょうか?単純に考えれば、指は開きそうだし、良いことずくめな感じがします。

世界最高峰の医学雑誌の一つ、New England Journal of Medicineに気になる記事が載っていました。発表したのはロチェスター医科大学らのグループです。

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