ハカセといふ生物
「ハカセといふ生物」という漫画を読みました。バイオ系研究者を題材にした四コマ漫画なのですが、結構私のツボでした。私は漫画を買って読みましたが、ネットでも一部読むことが出来ます。
ちなみに、私のお気に入りは第25話です。どーみてもゴルゴなんですが (笑)
バイオ系研究者の方は読んでみると楽しいと思います。
「ハカセといふ生物」という漫画を読みました。バイオ系研究者を題材にした四コマ漫画なのですが、結構私のツボでした。私は漫画を買って読みましたが、ネットでも一部読むことが出来ます。
ちなみに、私のお気に入りは第25話です。どーみてもゴルゴなんですが (笑)
バイオ系研究者の方は読んでみると楽しいと思います。
東日本大震災から一年が経ちました。
今夜は妹、その夫と自宅でしんみりと鍋でもして過ごす予定です。日本酒は用意しました。
【純米酒・吟醸酒】 東日本大震災鎮魂酒・復興祈願酒 慈・一セット (いつくしみ・はじめセット)
昼間はメータの第九を聴いて過ごします。
Zubin Mehta – Beethoven Symphony No.9 Choral 4th mov – Japan Earthquake Relief Concert
「石巻災害医療の全記録 (石井正著、講談社)」を読み終えました。著者は石巻赤十字病院で陣頭指揮を執った外科医です。
本書を読むと、石巻赤十字病院が修羅場のような被災地で如何に大きな存在であったかがわかります。しかし、これは周到な準備と、優れた指揮官、医療従事者や他業種の方々の尽力によるものでした。彼をサポートした災害医療の専門家達の力も大きかったようです。
もともと、震災が高確率で起こると予想されていた宮城県では、いくつもの対策がなされました。例えば、2006年5月に内陸部に移転した石巻赤十字病院は、免震構造であり、ヘリポートや被災者診療用の広いスペースを備えていました。石巻市では、2010年 1月 22日に石巻地域災害医療実務担当者ネットワーク協議会が立ち上がりました。さらに 2011年 2月 12日に著者の石井正先生が宮城県で 6人目となる「宮城県災害医療コーディネーター」に委託され、震災対策を次々と進めていました。こうした準備が、被災後に生きました。
本書には、震災に対する準備、発災直後の対応、トリアージタグ・疾患名・患者数の内訳など貴重なデータが満載です。また、「想定外」が多発したときにどのように対応していったかの詳細な記録が残されています。私は「自分だったらどうしていたか」をシュミレーションしながら読みましたが、考えさせられるところが多かったです。
本書は堅い話ばかりではなく、こんなイイ話もありました。著者には酒飲み友達のネットワークというものがあり、震災直後に NTTドコモショップ石巻店の店長が衛星携帯電話 2台、それらに優先的につながる携帯電話 10台を病院に持ってきてくれ、頼むとすぐに中継局を病院に作ってくれたそうです。積水ハウス仙台支店は被災後速やかにテントを病院の玄関前に設置してくれたとのことでした。
また、それ以外にも医療関係者以外の支援が大きかったことを感じさせるエピソードがありました。Googleの幹部クラスが病院を訪れてきて、何か出来ることはないかと言われ、結果として、避難所データの閲覧・検索ソフトを作ってくださったそうです。それも「Googleは社会貢献を旨としている会社です。支援活動で金を稼ごうなんて考えていません。金は別のところで稼げと社長にも言われていますし、それが社の理念でもありますから、ご心配なく」という言葉を残して、無料で。そして、Google社員のこの言葉に感銘を受けました。
どんな情報でも構いませんから、とにかく集めることができる情報はすべて集めてください。『これは必要ではないな』と思う情報でも構いませんし、『何が必要か』などと気にする必要もまったくありません。集まった情報を ”料理” するのはわれわれ専門家の仕事ですので、ありとあらゆる情報を集め、あとはおまかせください
石井正先生の母校の東北大学も石巻赤十字病院を支えました。石井先生は、東北大学病院の病院長から次のようなメールを受け取ったそうです。
石巻日赤からの大学病院への入院受け取りについては、従来通り対策本部一括で受け取ります。これまで同様にどのような疾患の患者が何人いるかを連絡していただければ、各科に個別に交渉する必要はありません。割り振りはこちらで行います。日赤の負担をできるだけ少なくすることが、今、大学病院にできる最大の貢献であるとの認識で一致していますから、どうぞ遠慮なく困ったときは一報入れてください。
実際、東北大学は専門に関係なく多数の患者を受け入れ、肺炎患者を泌尿器科で診ることもあったそうです。
いくつもの感動的なエピソードに、読んでいて何度も涙ぐみました。医学的知識が全く無くて読める本ですので、医療関係者はもとより、それ以外の方にも是非読んで頂きたい一冊です。
「東日本大震災秘録 自衛隊かく闘えり (井上和彦著、双葉社)」を読み終えました。自衛隊が震災後どのような活動をしてきたかが記してありました。初期の救出活動、それに引き続く復興への活動、原発事故対応、米軍との共同作戦・・・それぞれの現場で起こった感動的なエピソードが満載でした。
また、自衛隊の災害時の初動対処について書いてあったのがとても参考になりました。当該の部分を引用します。
現在、自衛隊は震度 5以上の地震が発生した場合、速やかに航空機などで情報収集することになっている。
たとえば、陸上自衛隊は、全国 157の駐屯地などを基盤として、出動命令の受領後 1時間を基準に出動できる即応体制を取っている。また海上自衛隊では、各地方総監部で初動対応艦 1隻指定しているほか、各航空基地では哨戒機および救難期機を待機させている。もちろん航空自衛隊も、救難機や輸送機を常に待機させるなど、発災と同時に即応できる万全の態勢をとっているのだ。
また、首都直下型震災の場合は、全国の部隊を迅速に首都に集中させるようになっている。
具体的には、陸上自衛隊は最大約 11万人、海上自衛隊は艦艇最大約 60隻と航空機最大約 50機、そして航空自衛隊は輸送機最大約 30機と救難機最大 25機、加えて偵察機最大 15機が集中投入されることになっているのだ。
残念だったのは、感動的なエピソードの羅列ばかりとなっていて、災害時の救助活動のノウハウがほとんど記載されていなかった点です。また、感動的なエピソードの後に「だから自衛隊は素晴らしい」というニュアンスの宣伝がくっついていたのが、押しつけがましくてやや興醒めでした。そんな宣伝つけなくても、自衛隊が如何に被災地で活躍していたかは、みんな知っているというのに・・・。
ラボでの実験が早く終わったので、久々に大学に遊びに行きました。たまたま研究会をやっていたのでふらりと参加したら、滅茶苦茶面白い講演でした。講演は「認知症の診断と治療の進歩」で、演者は東京医科大学老年病科の羽生春夫教授でした。教科書に書いていない、最先端が多かったです。以下、備忘録代わりに、内容の抜粋を書いておきます。
・Mini-Mental State Examination (MMSE) は、元々の認知機能が高い人、つまり学歴が高かったり社会的に高い立場の人に対しては感度が低い。Cut offを通常の 23/24に置くと、感度 0.66, 特異度 0.99, 通常より高い 27/28に置くと感度 0.89. 特異度 0.91になる。
・認知症スクリーニング検査での計算課題は注意力の低下を見ているので Diffuse Lewy body disease (DLB) で落ちやすい、遅延再生は Alzheimer病 (AD) で落ちやすい。
・MMSEが 10-12分かかるのが大変なので、1分間スクリーニングというのがある。Category fluencyは 1分間で動物の課題を出来るだけたくさん答えてもらうもので、頭頂葉内側機能を見ている。海外の studyでは得手不得手に考慮して、動物、フルーツ、スポーツなどいくつかの分野を出題することもある。Letter fluencyは「カ」で始まる言葉などを列挙してもらうもので、前頭葉機能を見ている。Category fluencyも Letter fluencyも Mild cognitive impairment (MCI) や ADで低下する。
・Test your memoryという検査法は、自己評価で行うことができる。ADや MCIでは病識がないので、他者からの評価より自己評価の方が高い。うつや神経症では逆になる。
・ADだと全脳の容積は 18%, 海馬は 45%低下する。海馬容積を評価する VSRADは、次期 Versionが開発され、より感度が高くなった。VSRADは Z-scoreの数字だけを見るのだけではなくて、元画像で正しい部位を評価しているか確認することが大事。また、海馬の atrophyは sensitiveだが ADにspecificではない。
・ADはアミロイドアンギオパチーを合併するなど、血管障害を合併することが多い。ADと Vascular dementia (VaD) は同じ spectrumで mixed-dementiaと呼ぶことがある。
・VaDと思われる症例で、MRIでの白質病変が同じくらいでも認知機能が異なることがある。Diffusion tensor image (DTI) で走行線維を見ると、認知症のある患者は脳室周囲の前後方向の線維がかなり落ちている。従って、同じ白質病変でも病理学的に違うのだろう。”cell/synaptic density” を反映する 123I-iomazenil (IMZ) で見ると、VaDでは前頭葉が、VaD+ADでは前頭葉+頭頂側頭葉で取り込みが低下している。
・MRI T2*も VaDと ADの鑑別に有用で、VaDでは 77%, ADでは 32%に micro-bleedingがある。
・REM sleep behavior disorder (RBD) は Parkinson disease (PD) / DLBに先行する。 MCIから ADを発症するのは 3~5年だが、RBDから PD/DLBになるには 10~20年以上かかるので追跡が難しい。さらに、PD/DLBを発症すると、RBDが軽くなることがある。
・idiopathic RBD (iRBD) では、84例中 82例で MIBGシンチで取り込みが低下している。 また、iRBD患者の MRIで Voxel-based morphometryを行うと、小脳・中脳橋被蓋部で容積低下がある。SPECTでは、DLB, iRBDともに後頭葉で血流低下がある。経過中画像が悪化しても、必ずしも症状は悪化しない。
・Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia (BPSD) には、メマンチン、抗てんかん薬、漢方薬などを使用する。漢方薬について、太っている患者には、抑肝散より柴胡加竜骨牡蛎湯の方が良く効く。
2012年4月1日から、介護福祉士や介護職員が喀痰の吸引をできるようになります。しかし、この資格を取得するのに、実習以外に 50時間の講義を聞かないといけないようです。個人的には、2日間くらいで全て終わるようにしないと、参加に躊躇する介護職の方が多いと思うのですが・・・。一方で、これから介護福祉士を目指す方の場合は、養成課程で資格を取得できるようです。
多くの神経疾患で、喀痰の吸引を必要とするだけに、気になる制度です。
・平成24年4月から、介護職員等による喀痰吸引等(たんの吸引・経管栄養)についての制度がはじまります。(PDF)
・厚労省:喀痰吸引等(たんの吸引等)の制度について
「蝉コロン」というブログが面白いです。最近の記事で面白かったのがコレ。
手塚治虫が本格的な研究をしていたのを知って、ビックリしました。何かに打ち込む姿勢は、漫画家になる前から身に付いていたものだったのですね。
少し前の記事ですが、「ゾンビ遺伝子による疾患」も読み応えがありました。肩甲上腕型ジストロフィーは神経内科医として診療経験がありますが、ゾンビ遺伝子という言葉は初めて聞きました。興味深かったです。
神経内科医の小鷹先生が大学病院をやめて南相馬市立病院に勤務することをお伝えしました。
しかし、市の対応は十分ではないようです。上昌広先生が、twitterでこんな呟きをされていました。
小鷹先生はそれなりの覚悟を持って行くのでしょうが、それに応える体制作りを考えていかないといけないと思います。
医学部は大学入試で理系に分類されています。一応私は理系男子ということになるわけですが、このサイトみて、「確かにこれやるなー」と思ったことが列挙されていたのでびっくりしました。本当に女子はイラッとするのか twitterで聞いたら、擁護する意見が多かったので安心しました。話のネタに理系男子は読んでみて下さい。多分、結構当てはまりますw
でも、これは文系とか理系とかいう問題ではない気がするなぁ・・・。
神経内科医をやっていると、膠原病は比較的目にします。「何らかの神経障害があって、膠原病を疑って膠原病科医にコンサルト」というパターンが多いです。
しかし、神経障害以外の部分の知識不足は否めません。学生時代に勉強した教科書的な知識は年月と共にどんどん抜けていきますし、学問もどんどん進歩していきます。
そんな中、臨床医にとって非常に役立つ話をわかりやすく解説した連載を見つけたので、紹介します。
もう膠原病は怖くない! 臨床医が知っておくべき膠原病診療のポイント
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